アルヴァ・アアルトのデザイン「ドアノブ」競売価格と盗難事件?!

公開日:2020年2月12日  関連分類:

情報・写真引用:asuntomessut.fi

 

フィンランドの国を代表するデザイナー、アルヴァ・アアルト

ヘルシンキ観光で有名な場所のうちの一つにアカデミア書店、そしてその2階にあるカフェは彼が設計デザインした「カフェ・アアルト」。

 

映画「かもめ食堂」でも登場したカフェです。

 

しかし、それらばかり注目されて実は忘れがちなのがカフェに入る前です。

 

そう、建物に入る前のドアノブ。

それもアアルトがデザインしたものというのは、知らない人が多いようです。

 

 

 

 

アンティーク・オークションではすごい値段!

1950年代のアルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)今までに色々なドアノブをデザインしていますが、今回は1950年代のもの。

長さは24cmで青銅、ブロンズの色をしています。

 

実はその昔、1953年〜1975年の間、アルテック社(Artek)の「Valaistustyö」(直訳すると、照明の職/作業)という作業場ないし工房で色々な照明がデザインされ作られていました。そこでドアノブがアアルトによって作られたのですが、

 

「え?照明なのにドアノブ?」と思いますよね。

 

もちろん、アアルトはアルテック社にメタリックな照明も作り上げましたが、ついでだったのか、同じメタリック(青銅で作られた)ドアノブも作り上げ、今ではアアルトのトレードマークとも言われるほどのドアノブになりました。

 

 

情報・写真引用:https://www.iittala.com

 

このエレガントな湾曲は、アアルトがフィンランドの湖からインスピレーションを受けた有名なガラスの花瓶を思わせるようなデザインになっています。

 

 

このドアノブ、現在ではヘルシンキ市内の公共のものとしても扱われていますが、

ストックマンデパートやアカデミア書店の入り口、フィンランディアホールなどのドアノブとしても使われています。

 

 

さて、只者ではなさそうなこの、アアルトがデザインしたドアノブ、実はフィンランド国外のアンティークオークションで競売にかけられたことがあり、そして今でも競売にかけられているものでもあります。

やっぱり只者ではありませんでした。

 

多くは、ドアノブ1つではなく2つのペアで競売にかけられますが、

 

現在では、スウェーデンのストックホルム・アンティークオークション(Stockholms Auktionsverk)で430〜540ユーロ (55,900〜70,200円)から競売にかけられており、最終価格は24,000クローネ(288,000円)です。

 

以前、英国ロンドンの有名な、フィリップスオークション(Phillips)では最大で約24,000ユーロ (約312万円)で取引されたこともあるんですよ!!!

 

※1ユーロ=130円・1クローネ=12円で計算しています。

 

 

 

 

アアルトのドアノブ、盗難に合う?!

 

 

ヘルシンキ中央駅から徒歩で行ける距離、エロッタヤ(Erottaja)という場所の道路ど真ん中に「何だこれ?」というような入り口があります。

地下鉄の入り口のようにも見えますが、実は地下駐車場の入り口です。

 

さぁ、お気づきですか?

この入り口のドアノブ、もちろんアアルトデザインのドアノブですが、右側だけ色が違います。

そう、この右側だけなぜか新しいドアノブ。他、左側のドアノブよりも輝いています。

 

実は、この右側のドアノブだけ数年前に、、、どこの誰だかに盗まれてしまったようです。

まさかの盗難。

 

よくこんな街のど真ん中で盗んだものだと思います。汗

 

ここ、実はエロッタヤ・パビリオン(Erottajan paviljonki)という名前までちゃんと付いてある有名な場所です。

 

元々は、防空壕としてのシャルターの入り口として作られたもの。

戦時中の1941年にヘルシンキ市が主催したコンペにアアルトが勝ち取ったもので、彼にとって最初の公共の建物となります。

実際に防空壕として利用されることはありませんでしたが、今でも中央駅から少し歩けば身近にアアルトの建築に触れることができます。

 

 

 

 

かなりアアルトのマニアか建築やデザイン好きの方でないと注目しないアアルトのドアノブを今回は紹介しました。

シンプルだけどエレガントでいて、ドシっとしたデザインのドアノブ、少しアール・ヌーヴォーを匂わせると思うのは私だけでしょうか?

 

 

情報・引用:Talous Taito -Olympiamitalista ovenkahvoihin

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