フィンランドの動物と人との関係・昔と今 – 豚が街を歩いていた?!-

公開日:2020年5月14日  関連分類:

 

自然豊かなフィンランド。

 

首都ヘルシンキでもハリネズミやウサギ、リスなど

 

色々な動物と出くわす機会が多い国です。

 

 

しかし、それでも昔のフィンランドの都市にはもっと沢山の動物が住んでいて、

 

人と動物の共存の仕方も大きく異なることがありました。

 

 

さて、昔のフィンランドではどんな動物が

人とどんな関わりを持って共存していたのか?

 

色々と見ていくことにしましょう。

 

 

 

 

馬が可哀想じゃないか!をきっかけに動物保護の協会を設立

現在よりもかなり厳しく扱われていた昔のフィンランドの動物たち。

 

人間の代わりに労働力として雑に扱われることも珍しくなく、

それが当たり前の時代だった頃です。

 

 

しかし、そんな時代の中でも

 

「動物はもっと優しく扱われるべきだ」

 

と思う人もいたのは確か。

 

 

「馬を助けたい」という思いをきっかけに設立されたのが

ヘルシンキ動物福祉協会(Helsingin eläinsuojeluyhdistys 略:HESY ry)。

 

1874年のことです。

 

 

協会は、鞭撃たれた主力馬を買い、世話をしました。

 

 

この協会の創設者メンバーの中には、

 

おとぎ話を作り、

フィンランドのクリスマスキャロルの作詞を手掛け、

また歴史家でヘルシンキ大学の総長でもあった

 

 

フィンランドではかなり有名な

ザクリス・トペリウス(Zachris Topelius)という方もいたのは有名な話。

 

 

彼はまた、後の1870年に小鳥を保護するマイフェレニンゲン協会(Maj-Föreningen -yhdistys)を設立しています。

 

 

 

 

街を自由に歩く豚さんたち!その被害は大きかった

家畜のフェンス内にいるべきだった豚。

 

しかし、なぜか街の通りを悠々と歩く豚がいたことも確か。

 

 

この豚たちから受ける被害は意外にも多かったようです。

 

爪を使って通りに穴を開けてしまったり、フェンスを壊してしまったり、、、。

 

 

この被害に悩まされる人がいるということは、

この街を歩く豚を捕まえて欲しいと思う人が出てくるのも自然な話です。

 

 

この迷惑だった豚たちを捕まえるのは、、、

 

当時、警察の仕事ではなく、

 

ランックリ(Rankkuri)といわれる専門職の人たちによって捕獲されていました。

 

 

日本でいう、いわゆる屠畜(とちく)業者のような立ち位置の職業。

 

 

当時においても、この仕事はそれほど魅力があるとは言いにくい職業で、

 

 

20世紀初頭のでは、公共の場所からの動物の死骸の収集や検死の支援、

 

切り離された動物の殺害と埋葬、汚染された肉の処分も仕事に含まれていました。

 

 

モルモットがペットとして人に愛されたのは?

 

とても可愛いとペットとしてモルモットを飼う人が少なくないフィンランド。

 

特に小さな女の子にはウサギや馬についで人気があります。

 

 

元を辿ると16世紀にスペイン人によってヨーロッパに持ち込まれ、

その後、王室のペットとして人気になりました。

 

 

そんな、高い階級の人でしか飼えなかったモルモット、

 

一般市民にも人気のペットとして飼われ始めたのは今から約60年ほど前です。

 

 

ちなみに、

 

モルモットがヘルシンキの動物園コルケアサーリ(Korkeasaari)に来たのは1890年です。

 

 

ネズミを捕まえたら「はい、お小遣い」の昔

 

今の時代、ハムスターではなくネズミを飼う人もいるフィンランド。

 

もちろんペット用としてのネズミですが、昔では考えられませんでした。

 

 

なぜなら、ネズミは人々が利用する食料品店や家庭の貯蔵庫などに身を隠し、

食べ物を食べてしまうからです。

 

 

ネズミというのは一つの食料を丸々きれいに食べてしまうのではなく、

 

いくつかの食料を食べては残し、食べては残し、、、という具合で

 

食べ残しのカスが散らかり放題ということも。

 

 

更にはネズミは病気を広める動物としても当時から知られていたので、とても厄介ものでした。

 

 

そして、この迷惑なネズミ捕りに励んだのが、、、

 

子供達です。

 

 

昔は都市部、農村部、関係なく

ネズミからの食料の被害にあっていたところが多かったのです。

 

さて、どうして子供達がネズミとりに夢中になったのかというと、

 

それはネズミの捕獲数ごとによってお金が支払われたからです。

 

 

昔は違った意味で飼われていたハリネズミ

 

フィンランドで見かける野生動物の代表格グループにはハリネズミがいます。

 

日本でもペットとして飼ってらっしゃる方も最近では見かけますね。

 

 

とても愛嬌のある顔と可愛らしい容姿でペットとして人気があるハリネズミですが、

 

 

昔のフィンランドではネズミやラット、そしてベビをも捕まえてくれる

 

「良い仕事をする動物」

 

として農場で飼われていました。

 

 

19世記の終わり頃にエストニアから「良い仕事をする動物」として輸入され始めたハリネズミ。

 

はじめは庭などで飼われていましたが、やはり野外で飼うと脱出するものも現れます。

 

それらのハリネズミが次第にフィンランドの自然のなかで生きることを学び、

 

現在では森などでチラホラ見かけるようになったというわけです。

 

 

 

 

いかがでしたか?

 

動物と触れ合う機会が多いフィンランド、

 

実は昔と今では違った関係、違った環境の動物たちが意外に多いことが分かりますね。

 

 

情報・引用:Yle-uutiset -Historiavisa: Mihin kaupungissa tarvittiin siilejä? Kuka jahtasi possuja?

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