北欧フィンランドの冬といえば極夜で有名です。寒さも厳しいものですが、実際住んでみると分かる、暗いことの厳しさ。
太陽の光はとても大切で人はこの日差しから人体には欠かせないものを沢山もらっています。
特にビタミンDは有名な話でしょう。
太陽の光を浴びる期間が極端に短くなればビタミンDがまず安易には捕れなくなってしまいます。
今回はそんな日照時間が極端に短い極夜がある北欧フィンランドで毎年暗い時期になると話題になるビタミンDのお話をしていきましょう。
- ビタミンD欠乏症で現れる9つの症状、関連しやすい病気
- フィンランドで推薦されているビタミンDの摂取量と摂取する時期
- ビタミンDを含むおすすめの食品
これらについて触れていきます。
ビタミンD欠乏症で現れる9つの症状
1)
成人ではビタミンの欠乏は骨格の軟化である骨軟化症/骨粗しょう症を引き起こす可能性があります。
オステオマラシア(骨の軟化)では血中の副甲状腺ホルモンのレベルが上昇し、骨の破壊を促進します。
骨軟化症/骨粗しょう症はまた、筋肉の衰弱と関連している可能性があります。
2)
ビタミンD欠乏症は、骨ミネラル密度の低下、転倒のリスクの増加、および股関節骨折に関連していることがわかっています。
3)
子供の場合、ビタミンDの欠乏はくる病につながる可能性があり、その症状には骨の軟化と屈曲、骨折の感受性、成長の遅延などがあります。
4)
糖尿病患者は、健康な患者よりも血中のビタミンDのレベルが低くなっています。
2型糖尿病とビタミンD欠乏症の間には関連性がありますが、正確な原因と結果の関係はまだ不明です。
5)
ビタミンD欠乏症は、喘息、異所性皮膚炎、およびアレルギー性疾患の発症にも関連している可能性があります。しかし、質の高い研究は十分ではありません。
6)
原因と結果の関係は確実に確立されていませんが、心血管疾患とビタミンD欠乏症の間にも関連があるとみられています。
7)
うつ病とビタミンD欠乏症との間に関連があるとの報告がされていますが、これもまた原因と結果の関係はまだ確立されていないところ。
8)
癌患者は健康な患者よりもビタミンDレベルが低いことがよくありますが、原因と結果の関係は完全にはわかっていません。
ビタミンD欠乏症と結腸癌の発症との間に小さな関連性が見出されています。
9)
ビタミンD欠乏症の人は、適切なビタミンDを投与された人よりも、深刻な形態のcovid-19感染を発症する可能性がわずかに高いことがわかっています。
日照時間の短い季節がある北欧フィンランドでのビタミンD問題
日本と比べて格段に日照時間の短い季節がある北欧フィンランド。
この国では秋ごろになるとビタミンDの話題が毎年上ります。
ほとんどのフィンラン人は食事から十分なビタミンDを摂取すると言われていますが、それでもビタミンDの摂取量は女性の約25%・男性で10%の人が低すぎるままでいると言われています。
特に、近年増えつつあるビーガン食の人は魚や乳製品が不足した食生活をしているので注意が必要です。
更に、屋内で過ごしている時間の長い高齢者でも不足している可能性は高くなります。
また、腹腔疾患などの腸吸収不全症候群は、ビタミンD欠乏症のリスクを高めることになり、
その他、肌の色が浅黒い人は皮膚でのビタミンDの形成が減少するため注意が必要。
そして最もよく知られている症状が日本でもフィンランドでも子供のくる病と成人の骨軟化症/骨粗しょう症です。
どちらも腸からのカルシウムとリンの吸収が不十分なため、骨格疾患です。
現在のフィンランドでは、子供が生まれば親は必ず子供にビタミンDの補給をする様に指示を受けます。
現代では乳児から摂取できるビタミンDを手軽に薬局で手に入れる事ができ、それも簡単に食事に加えられるため、くる病は稀な病となりました。
しかし、骨や筋肉の衰弱を引き起こす骨軟化症/骨粗しょう症は、ビタミンDの摂取量が非常に少ない場合、特に高齢者に発生する可能性が現代でもあります。
活性型のビタミンDは、さまざまな方法で私たちの体に影響を与え、多くの臓器の機能に影響を与えます。
ビタミンD摂取量について・推奨事項にも上限がある
フィンランドでは、成人に推奨されるビタミンDの摂取量は1日10マイクログラムです。
推奨事項では、75歳未満の人は1日あたり少なくとも10マイクログラムのビタミンDが必要であり、20歳以上の人は必要であると言われています。
成人に推奨される公式の最大値は、世界中で100マイクログラム。
長期的には明らかに高い量は血中および尿中のカルシウムレベルの上昇につながる可能性があり、それでも腎臓の問題につながる可能性があります。
新しいデータによると、ビタミンDの明らかな多量摂取はビタミンD欠乏症と同じように骨の脆弱性さえも引き起こす可能性があります。
ですので、100マイクログラムの摂取量を超えることを推奨していないのです。
日照時間の短くなる頃、フィンランドでは10月から3月ごろまでの間にビタミンDの摂取に気を配ることを勧められています。
食事からビタミンDを十分に補えない場合は、薬局から手軽に購入できるもので補給しましょうと言われている時期。
しかし、17歳未満の子供や75才以上の特に女性、妊娠中及び授乳中の女性に至っては、季節関係なく年間を通してビタミンDは推奨されています。
食事からビタミンDを摂りたい場合のおすすめ食品・キクラゲがすごい!
魚
少なくとも週に2回、魚を食べると良いでしょう。魚の油がのっているほどビタミンDは多く含まれます。
乳製品
例えば、1日に4杯のビタミンDが含まれている牛乳やその他の乳製品がニーズを満たします。
(フィンランドにはビタミンDが含まれているピーマもあります。)
マーガリン
最近ではビタミンD強化のマーガリンが日本でも売られるようになってきました。例えば100g中、20マイクログラムのビタミンDが含まれている場合があります。
豆乳やオーツ麦の飲み物
これもまた、成分表をよくみてみると製品によって違ってはきますが、ビタミンDが含まれています。
卵
1つの卵には約1.3マイクログラムのビタミンDが含まれています。
キノコ
日本では特に!キクラゲに沢山のビタミンDが含まれており、100g中なんと128.5マイクログラム!!食品の中ではトップクラスです!!
残念ながらフィンランドでキクラゲはメジャーなキノコではありませんが、代わりにスッピロヴァハベロと言うキノコが優れていると言われていますが、それでも、やっぱりキクラゲには程遠い100g中、6マイクログラム。
*スッピロヴァハベロとはどんなキノコなのか記事に出てきます。
参考:フィンランドの料理レシピ:ボリュームたっぷりキノコのパイ
日本に住んでいるならば、フィンランドのように口酸っぱくは摂取!摂取!!と言われないビタミンD。
どちらかと言うと美容効果としての「ビタミンC」の方がよく耳にします。
ビタミンCは水溶性なので、多く摂りすぎても自然と体外へと出ていきますが、ビタミンDは脂溶性なので、余分な量が勝手に体外へ出ていくということはないビタミンの部類です。
摂取量を守って日々、身体の健康に気を配っていきたいですね。
情報・引用:Ilta-Sanomat -9 tapaa, joilla D-vitamiinin puute voi näkyä – yhteys löydetty useaan sairauteen
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