フィンランドでは、日本なら考えられないようなモノが万人うけすることがあります。
特に黒いものが多いような気がします。
例えば「世界で最もマズいお菓子」と言われているサルミアッキもそうですが、
サルミアッキと同じような見た目と似た味のリコリスもそうです。
そして!
意外と知られていないのは
フィンランド人は「タール大好き」ということ。
え?タールって?!
ウィスキーが好きな方はピンとくるかもしれません。
タバコのタールではありませんよ。笑
そうです。
あの、黒いサルミアッキに続き、黒いドロドロした液体状のもの。
乾留液のことです!!
フィンランド人男性はみんなタールの香りが大好き!
タール、フィンランド語ではテルヴァ(Terva)と言います。
これが、どのようなかたちでフィンランドで愛されているかというと、
まず、匂い、香りです。
タールの匂いがするシャンプー、石鹸、シェービンングフォームなどがあり、
スーパーの日用品雑貨に行くとよく目にするタールの香り商品。
特に、サウナ用品のところには必ずこのタールの製品が置かれています。
その中にはタールの香りがするアロマもあります!!
そう、サウナの時に使うんです。
サウナストーブヘ投げる前の、
バケツに入っている水の中に5滴ほど垂らしてから使うという方法。
ラベンダーや爽やかな香りのレモンシードなどアロマだとメジャーな顔ぶれの隣に並んでいるほどフィンランドでは好む人が多いのです。
他にはタールの香りが楽しめるお酒ももちろんありますよ!
フィンランドでは、タールはタールでも木タール。
なので石炭や石油から作られるのではなく、木炭から作られるタールなのです。
ですので香りは、ほぉーんのちょっと油っぽく、
そして木炭とスモークの匂いを更に濃縮したようないい意味で独特な匂い。
これがフィンランド人の特に男性が好きな香りなんです。
嫌いな人はいないんじゃないでしょうか。
何人かのフィンランド人男性にタールの匂いはどんなイメージなのか聞いてみたところ
「男らしい感じがする」
「昔の船や古い橋の匂いがして癒される」
中には
「タール以外の匂い付き商品は女の匂いだ!」
という人も。
女性でも
「全然悪い気はしないわ。でも女性よりやっぱり男性がよく使う香りね」
とのこと。
日本では考えもつかないタールの香りですが、フィンランドでは定番中の定番です。
フィンランドとタール、どんな関係だったのか歴史を垣間見
世界規模で見るタールの歴史はとてもとても古いです。
古代エジプトではミイラを作る時にも使われていたほどですから。
では、フィンランドではどうなのでしょうか?
前述のように、フィンランドのタールは木タール。
木炭を作る工程の途中、木材を加熱して作る時に出てくるドロドロの抽出物を冷やします。
するとそのドロドロが二層に分かれます。その二層になった上澄(木酢液)を取り除いた油状の部分のことが木タールになります。
元々はヨーロッパとロシアの方から来ました。フィンランドではこの木タール、実は何世紀にもわたって生産されてたんです。
1500年代では既に少量ではありますが、フィンランドから海外へも輸出されていたほどです。
主に、木造船の保護剤として使用されていたタール。
1600年代、ヨーロッパでは帆船の建造が増加しました。と、いうことは保護剤の需要も上がるということ。フィンランドのタール生産量がウハウハなまでに発展しました。
しかし、1860年ごろから徐々にタールの生産が減少し始めます。
木タールなだけに、生産するには木材は絶対に必要ですが森林の価値が高まり、タールを作るコストが高くなりました。
そうしてタールの生産業から製材業への移行など、あれほどウハウハだった生産量はあれよあれよと降下。
それに追い討ちをかけたのが、ヨーロッパで金属製の汽船登場です。
世の中が木造船だったからこそタールの需要があったものの、金属じゃタールの必要性はありません。
それに、タール生産コストも安いわけではないので経済的に維持していくは難しくなり、
1900年前半には生産量が崩壊しました。
その後、第二次世界大戦後、タールの生産は完全に停止。
それ以降は主に地元の伝統維持としてタールが作られています。
フィンランドでは、あれにもこれにも何にでもタール
私の母は、火傷をしたらアロエ。擦り傷をしたらアロエ。喉がいたけりゃアロエ。
どんだけアロエ好きやねん!笑
何にかあれば「庭に育ててたアロエ」でした。笑
みなさんには、そういうのありませんか?
フィンランドではそれが、「タール」笑。
実は昔、フィンランドのどの家庭にもタールがあるのは当たり前のことでした。
フィンランドの地方の方へいくと今でもタールを常備しているご家庭もあります。
そんなに使うところある?とお思いでしょう?
あるんですこれが。
特に、万能薬として使われることが多く、あくまで「民間療法」としてですが、擦り傷や蕁麻疹などに効くとされていました。
なんしか負傷すればタール。肌トラブルがあればタール。
もちろんん、木製ボートやオールの木材の防腐剤としてだったり、木製の屋根や天井に。
スキー板にもタール。防虫剤としてもタール。アルコールの香りにタール。
お料理にも魔法のスパイスとしてタール。
タールがなきゃ始まんねぇぐらいの感じです。笑
「タール、キツい酒、そしてサウナが役に立たない病気は致命的」
なんて有名なことわざがあるくらいですから。なんともフィンランドらしい。笑
フィンランド・男性へのお土産に困ったら
こんなにもフィンランドで愛され続けてるタール、Terva。
そんなに好きなら一度、どんなものか匂いでも嗅いでみたいと興味が出ませんか?笑
フィンランド旅行に来られたら自分にでも男性へのお土産としでも、
シャンプーや石鹸、さらには荷物にかさばらない大きさのハードグミなどがスーパーで簡単に手に入りますので、おすすめです。
ぜひ、フィンランドで愛されているタールの匂い、一度試してみてください。
参考・引用:kaleva.fi -Tervan tuotanto-historia
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