※写真引用:wikipedia
北欧フィンランドには合計7個の世界遺産があります。
そのうち6個が文化世界遺産であり、自然世界遺産はわずか一つのみです。
キートスショップのブログ記事では既にフィンランドの4つの世界遺産を紹介しています。
参考記事:ヴェルラ砕木・板紙工場(The Verla Mill)フィンランド世界遺産の旅
参考記事:ラウマ旧市街(Old Rauma) フィンランド世界遺産の旅
参考記事:ペタヤヴェシの古い教会(The Old Chruch of Petäjävesi) フィンランド世界遺産の旅
参考記事:スオメンリンナ要塞 概要 アクセス 歴史 ガイドツアー ベスト観光プラン(一)
今回はラウマの旧市街の近くにあるもう一つの世界遺産「サンマルラハデンマキ石塚(Sammallahdenmäki)」をご紹介したいと思います。
サンマルラハデンマキ石塚(Sammallahdenmäki)の概要
サンマルラハデンマキ石塚はフィンランドの南西部海岸に近い位置にある、ラウマ旧市街から東にわずか20キロほどの場所にあります。
そこに行けば、森に囲まれた何もない場所だと思ってしまうでしょう。
サンマルラハデンマキ石塚がUNESCO世界遺産に登録されたのは1999年で、フィンランドで初めて発見された先史時代の遺跡として評価され、登録されたわけです。
しかも、西洋青銅器時代文化を代表する遺跡として、規模の大きいさと数量の多さ、保存状態の良さなどからも、フィンランドだけではなく、スカンジナビア諸国全体を代表する遺跡とも認められています。
サンマルラハデンマキ石塚遺跡には36個に上る石塚があり、全体の分布面積も36ヘクタールに及びます。
世界遺産、遺跡に関しては24時間出入り自由で、入場無料です。
公共交通手段でアクセスするのが難しいので、レンタカーやタクシーなど車を使用したほうが無難ですね。
現地の回るルートは約1.5キロ程度で、森の中なので夏にちょっとしたハイキングをしに行くのもいいですね。
※写真引用:wikipedia
サンマルラハデンマキ石塚の歴史背景や青銅器時代当時の生活について
サンマルラハデンマキ石塚にあった青銅器時代文化は今から2000~3500年前に遡ります。
当時は既に青銅器時代の末で鉄器時代の始まりですので、厳密的に青銅器時代と鉄器時代を分けることが難しいとされています。
フィンランドにある青銅器時代の遺跡の多くはフィンランド南西部海岸近くに分布しています。
当時この地に住む人々は北ゲルマン系で北ドイツ人やデンマーク人と深い関係がありました。
鉄器時代の早期に入る当時の人々の生活は徐々に狩猟から牧畜や農業に移っていました。
ヤギや羊は牧畜の動物として飼われていました。
ヤギとヒツジからウール、革、肉、ミルクなどが得られるので、非常に価値の高い家畜です。
他に豚や犬も飼われたようですね。
農業に関し、どのような植物が栽培されたかはまだ不明です。
現地で花粉分析が行われたことがないため、関連情報がまだ得ることができません。
魚や鳥の捕食は継続的に行われてきました。
石塚は当時主流の埋葬方法で、鉄器時代に入ってからも使われ続いていました。
夏季には様々な新鮮な食べ物が大自然に存在していました。
しかし、問題はいかに夏に得られる食べ物を保存して冬に食べるかです。
最も簡単な方法は「干し」です。
ベリー類、植物、お肉やお魚は干されて保存されていたようです。
もう一つは「発酵」ですね。
キャベツやお魚が発酵されて保存される方法は現代でも利用されています。
※写真引用:https://www.visitrauma.fi/
食料は加熱された石板の上で調理されていました。
しかし、当時塩がまだ知られていなかったので、料理の味は現在と全然違うでしょうね。
お皿や容器に粘土で作った陶器が主流です。
これらの情報を知ったうえでその時代の人々の生活を想像しながら遺跡を訪ねるとより楽しめるでしょう。
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