フィンランドの財政を支えるのはどんな税金?フィンランド財政は健全?

公開日:2019年3月19日  関連分類:

 

北欧高社会福祉国家であるフィンランドでは社会的に比較的に弱い人々に様々な援助や経済補助サービスが用意されています。

それが女性であったり、シングルマザー、シングルファザーであったり、学生であったり、中低所得者であったりします。

 

参考記事:手厚く学生支援、その補助金はいくら? 5分でわかるフィンランド

参考記事:手厚い住宅補助、その補助金はいくら? 5分でわかるフィンランド

 

 

しかし、多くの人々に補助金を提供するには財源の確保と強い財政が必要不可欠です。

 

少子高齢化によって社会保障費用がどんどん膨らんでいく日本では財源の確保に悩まされ、外国人受け入れの拡大や消費税増税など様々な対策を打ち出しています。

それでも日本の財政を維持するには毎年国の予算の3割以上は負債という形で賄っています。

 

 

日本の状況に対し、フィンランドはどのような形、どういう収入があって膨大な社会福祉支出を維持できるのでしょうか。

 

もちろん、「税金が高い」の一言で片付ければそれで終わるかもしれませんが、実にフィンランド政府も自国の財政を健全に維持するために苦労しているのです。

 

それはどういう状況かを両国の財政データを見ながら覗いてみましょう。

 

 

 

 

日本財政の収入について(2019年予算案)

2018年12月に公表された2019年度予算案では、合計約101兆円規模の予算が提示されました。

支出に関しては下記の記事をご確認ください。

参考記事:日本とフィンランド、それぞれ税金をどこに使っているの?2019年予算案を見てみよう!

 

 

国の収入に関しては下記の通りです。

  • 税収:62%
  • その他の収入:6%
  • 国債:32%

 

ほぼ3分の1が新規の負債で財政を維持していますね。

 

 

ちなみに、日本の税収の内訳は下記のような感じで、所得税、法人税と消費税の3本柱で構成されています。

  • 所得税:18%
  • 法人税:13%
  • 消費税:18%

※予算全体に対する割合。

 

 

 

 

フィンランド財政の収入について(2019年予算案)

読者の想像した通り、フィンランドの財政は主に税収で支えられています。

 

フィンランド財政の収入は主に消費税、所得税と社会保険料で支えられています。

  • 消費税:27%
  • 所得税:31%
  • 社会保険料:23%

 

この3種類だけで、国の収入の81%を占めています。

 

 

ちなみに、フィンランドの住民税税率が日本の倍ほどで、法人税が僅か20%ということで、フィンランドの税収に所得税の割合が高く、法人税の割合がかなり低いです。

 

フィンランドのこのような法人税が低く、個人所得税を高くする制度も起業や投資を促したいという目的があるでしょうね。

 

 

 

 

日本とフィンランドの財政収入を比較:国債の割合に大きいな差

日本の財政を支えるために毎年予算全体の3割程度(30兆円くらい)を負債という形で賄っています。

対照的にフィンランドの全体予算に対し、負債で賄うのは2~3%程度です。

 

フィンランドの財政がほとんど税収で賄うということで比較的に安定した構造になっていると言えますね。

 

ちなみに、フィンランドでは最近数年間は景気の上昇によって失業率が減り、税収が増え、新規負債額も年々減っている状況です。

 

 

また、フィンランドの高社会福祉制度を支えるのがやはり税収と社会保険料です。

その多くは高い消費税(24%)と高い所得税(住民税が日本の倍)でカバーされています。

 

子育てがしやすく、教育費はほぼ無料なフィンランドでも実に少子高齢化が進んでいます。

そのため、いかにより多くの仕事を作り出し、国民の就業率を高め、より高い税収を確保し、支出をカットするかはフィンランド政府にとって永遠の課題かもしれません。

 

 

 

 

ちなみに、社会保険料について、中身を見るとかなり複雑です。

 

日本では厚生年金や国民年金などがあり、管理や運用がすべて国庫ではないので、一部しかが国の財政に関与しないですね。

 

この点はフィンランドも同じで、多くの国民は国から年金もらっているのですが、他にも多くの人は企業年金をもらっています。

しかも、フィンランドの国民年金と企業年金は固定額ではなく、お互いの金額で影響を受けるので一概に言えないのが難しいところです。

参考記事:フィンランドの年金制度とは?日本よりも多くもらえる?負担額は高い?

 

 

参考資料:初の大台101.4兆円 来年度予算案を閣議決定

参考資料:Statistics Finland

 

 

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