日本とフィンランドの仕事文化の根本的な違いはただ一つ!

公開日:2021年7月21日  更新日: 2022年11月01日 関連分類:

 

なんでフィンランド人は残業しないのか?

なんでフィンランド人は午後4時に退社するのか?

 

なんで夏休みに3~4週間取っても社会が回るのか。

 

なんでフィンランドの有給消化率はほぼ100%なのか。

 

なんでフィンランドでは産休も育休も普通に取れるだろうか。

 

なんで日本はフィンランドのようにならないのか?

 

こういった質問をおそらく読者の皆様は持っていますよね?

 

 

もちろん、歴史文化は違うし、生活慣習も環境も違うから、日本をフィンランドのコピーのようにして社会文化を変えるのは難しいです。

 

しかし、その根本的な違いはただ一つのことから生まれています。

 

それはどういうことかご存知でしょうか。

 

 

 

 

「お客様の優先順位」ですべてが決まる!

もし読者のあなたが日本で働いているなら、自分にとって「お客様の優先順位」はどこにあるでしょうか

 

 

今日は体調が悪い。。。

しかし、お客様からのメールが来て、一刻も早く返信を望みます。

上司からもできれば今日中にその要望に応えてほしいと。

 

 

どうしますか?

 

 

体調が悪いから、お客様を1日待たせ、今日は先に帰って明日にやるか?

もしくは、体調が悪いにもかかわらず、我慢して残業して今日中にやるか?

 

 

もし答えが後者であれば、「お客様の優先順位が自分のことよりも高い」ことを示しています

 

 

今日は子供の誕生日なので、早めに帰ってお誕生日会をやる予定。

しかし、今朝急にきたお客様の要望が。

 

どうします?

 

「今日はもう家族の予定があるから、明日にする」

もしくは、

「お客様の要望なので、子供の誕生日会より大事だろう!」

 

 

もしあなたの答えが後者であれば、「お客様の優先順位は自分の家族よりも高い」ということになります。

 

 

日本文化の中で、お客様が一番大事であり、自分のこともしくは自分の家族のことはその下にあるという認識が一般的に存在していると思います。

 

こういう認識があなた、私、上司、同僚、お客様の頭の中に根付いている限り、16時に家に帰るなんて千年経っても無理です。

 

 

 

 

「お客様とは対等的な存在」という認識が根付いているフィンランド

お客様でも、店員でも、同じ存在で、尊敬し合うような対等な関係という認識が一般的です。

 

お客様は「大事な存在」であることに変わりがありませんが、「自分や家族より優先すべき存在」ではありません。

 

 

これがすべての答えです。

 

 

お客様を自分のことや家族のことより優先せず、「合理的」な範囲で対応するだけです。

 

 

今日体調が悪いなら、上司や同僚と相談し、明日に延ばせる仕事は明日にやります。

明日まで伸ばせない仕事は上司の権限で他のチームメンバーに手伝ってもらいます。

 

もちろん、上司も、同僚も、お客様も同じような認識があるので、「今日体調が悪い」という理由もはっきり伝えれば理解してもらえます。

 

 

なんでフィンランド人は残業しない?

なんでフィンランド人は夏休みを3~4週間も取れる?

なんでフィンランド人は有給消化率ほぼ100%?

なんでフィンランド人は産休も育休も取れる?

 

 

その答えは、「自分や家族のことを犠牲するまでお客様のことを優先しない」からです。

この答えに尽きます

 

 

その代わりにお客様は思いやりを持って「不便」を受け入れる

フィンランドに住んだことがあるならお分かりかと思いますが、フィンランドのサービスのレベルははるかに日本のレベルに及ばないこと。

 

 

営業時間が短い。

郵便物が翌日に届くことはほぼありえません。

カスタマーサービスにメール書いても、数日経っても帰ってきません。

 

6月~7月になると、メールを書いても「担当は夏休み中なので、返信は〇月〇日までお待ちください」と自動返信しか返ってきません。

 

 

このようなサービスレベルはもちろん日本よりかなり不便です。

 

なぜなら、フィンランド人はお客様のことを自分のことより優先しないからです。

 

 

フィンランド人はこれらの「不便」をあまり気にしません。

 

 

日本では、お客様のこと > 家族のこと > 自分のこと。

フィンランドでは、自分のこと = 家族のこと > お客様のこと。

 

この違いが一番根本的です。

 

 

結局、日本の残業文化、日本の有給取れない現象などを変える第一歩は、お客様としての自分がサービス・商品提供者に対する「自分の態度」を変えることから始める他ありません。

 

 

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フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

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Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

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