なんで日本はこんなにも残業が長いのか!?フィンランドと日本の残業事情:「雇用形態」

公開日:2017年1月15日  更新日: 2020年01月13日 関連分類:

 

 

 

 

 

日本とフィンランドの残業事情について、前文にて「品質」の側面から考えてみました。

日本の中心文化である「和」と「思いやり」とフィンランドの「合理性」と「必要性」をポイントとしてその違いを考えてみました。

 

今日はもう一つの側面:「雇用形態」について考えてみましょう。

 

 

 

 

日本とフィンランドの雇用形態が違います

日本は戦後から高度な経済発展を遂げてきました。

 

その高度経済発展していた1960年代~1990年代前半には様々な産業が発達し、景気が非常に良かったと言えるでしょう。

 

そのような社会の中で、仕事がどんどん増え、会社も常に人員不足状態でどんどん人を採用していました。継続的に人員が不足する中で社員を解雇することもかなり珍しかったでしょう。

 

このような状況の中で社員全員が一緒に頑張って一緒に生活を維持し、収入を拡大していくという状況が文化として根付き、「従業員みんな同じ釜の飯を食べている」、「会社と従業員は家族のような関係」という会社文化(企業文化)が発展したのかもしれません。

 

もちろん、景気が良くて常に仕事(市場需要)と売上(供給)が増え続ける時代であれば、何の問題もないでしょう。

 

 

 

 

しかし、景気が悪くなり、経済が停滞し、売上が順調に増えない時代だとどうでしょうか。

 

売上が伸びない中で従業員自分は首を切られたくなければ、「成果を出すか」、「努力を見せるか」しかないかもしれません。

 

その見せ方の一つが「遅くまで会社にいる」ということかもしれません。

 

早く帰る人は「あまり仕事ないんだ。仕事が少ないんだ。そんなに頑張ってないんだ」と思われるに対し、遅くまで会社にいると、「おお!仕事終わらないのに、頑張って粘ってるね!」と職場の人々や上司に思われるかもしれません。

 

そのために夜遅くても会社にいるでしょう。つまり、残業が多いという。

更に、営業職、開発職であれば成果は売上数字や開発進捗状況によって見えやすいですが、「総務」、「経理」、「ロジスティック」などバックオフィスの仕事は非常に大事とはいえ成果が見えにくいので、「会社に遅くまでいる」という方法でアピールしがちかもしれませんね。

 

 

 

フィンランドは違います。

 

もちろん、フィンランドにも戦後の経済高度成長期がありました。

 

しかし、それは日本より緩やかな成長で、途中にも停滞する時期がいくつかもありました。

 

※参考:1969-2015年の日本のGDP推移フィンランドのGDP推移(ページ内の「MAX」をクリックしてください)

 

 

急速且つ継続的な経済成長という歴史背景がなく、日本より(相対的に)厳しい状況の中で、フィンランドは新卒の無経験学生を一般的にすぐ正社員として採用することが相対的に日本より少ないです。

 

「全国一斉就活」がないので、会社それぞれが自分で新卒の学生をまず短期雇用契約(数か月から1年など)で採用して新人の様子や仕事ぶり、能力を見ます。

 

期待したレベルに達していなければ「解雇」ではなく、「契約不更新」で人件費と人員パフォーマンスのバランスをコントロールします。

 

期待に達していれば、年更新契約、数年更新契約、終身雇用契約などに切り替えることになります。

 

もちろん、フィンランドの公務員は最初から終身雇用という形もあります。

 

 

 

 

 

 

というような背景の中でフィンランドの職場では「職場にいる時間の長さ」より「効率的にアウトプット」のほうが意識され、大事にされます。

 

もちろん、締め切りが迫り、一時期仕事を家に持ち込んでやらなければいけないことはフィンランドでも普通にあるでしょう。

 

しかし、それはあくまでも「成果に対してコミットする」ことです。

 

「就業時間になったらすぐに帰る」、「上司より早く帰る」ということはフィンランドでほとんどマイナスの方向に考えられません。

 

むしろ、当たり前なことであり、帰る時間と仕事の成果とは無関係のことです。

 

このように、歴史的な背景、企業文化、会社に長くいる、すぐに帰ることに対する感覚の違いによって、現在日本とフィンランドの異なる残業状況を作り出した一因かもしれませんね。

 

※本文はあくまでも筆者一個人の見解であり、文献や調査による考察ではありませんので、ご了承ください。

 

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