サウナはフィンランド人にとって生活の一部であり、大切な伝統です。
想像するよりも遥か昔から親しまれてきたサウナ。
ある人はサウナが好きだったり柔らかいロウリュ (蒸気)が心地よく感じたりと好みは人によってそれぞれ違うように、どのようなサウナが正しいのかについての習慣や考え方も大きく異なることがあります。
それは時折、フィンランドのSNSコミュニティーでも色々と意見が交わされることも。
今回は想像もしなかった意外なフィンランドのサウナ事情をちょっとお届けしましょう。
サウナを温めるのにまさか開けっぱなしがいい?!
サウナに入るためには、まず室内やサウナストーブを温める必要が必ずあります。
フィンランドでは自宅やコテージでサウナが温まり入浴準備OKとなると家族や友人に
「サウナが温まったよー!もう入れるよー!!」とも言いますが、
「サウナができたよー!」という人が多く、
サウナ室を温めることを「サウナを作る」と表現します。
さてそんな「サウナづくり」ですが、この方法が人によって違うことが発覚しました。
Facebookの「Mökkihöperöt」というプライベートグループのコミュニティー内にて、
サウナ室を温める時にはサウナ室のドアを開けっぱなしにしてストーブを加熱するという意見が交わされています。
え?!どういうこと?!
最高のロウリュのサウナと賞賛?!
サウナ室を温める時は、もちろんフィンランドでも常識としてサウナ室のドアは閉められています。
なにせ室内の温度が上がらないからという理由です。
が、この常識破りとも言える意見に、まさかの「私も!」「ウチも!」という声があがってきました。
サウナ室のドアを開けたままストーブが温められ、サウナ入浴する時だけドアが閉められるという方法だそうです。
コミュニティー内のある男性は、3つの異なるサウナをこの方法で試したと言います。
「この方法でサウナ入浴すると最高のロウリュを楽しめるんだよ。もう前のような最初からドアを閉めてサウナを温める方法には戻れないね。」
とのこと!
まさかです。
ドアを開けたままサウナ室を温める理由は他にもあった
フィンランドの一部のサウナーたちには、このドアを開けておく方法はより良いロウリュの方法だと言っています。
(自分なりに)最高のロウリュを感じられるから、という意見も多い中、他にも理由やメリットがあるという人も。
例えば、
ドアを閉じたままサウナ室を温めると、暖房中にサウナベンチがとても熱くなりすぎてしまい、足を踏み入れるのをためらう人がいるため、ドアを開けてサウナを温めるという人もいます。
その他、
フィンランドの自宅サウナ含む多くのサウナは、サウナ室とシャワー室がつながっているところが多く、このシャワー室も同時に温まるようにわざとサウナ室のドアを開けたままにしておく人もいます。
写真引用:https://www.is.fi/ kuva:Emilia Anundi
例えば、シャワー室に暖房がないコテージの場合には、極寒の冬、寒さのストレスを感じることなくシャワーを利用できるので良いのだとか。
フィンランドのサウナライターはこの意見にどう思う?
Saunologia.fiのウェブサイトの創設者であり、アールト大学の製品設計も数多く手掛けているラッシ・リーッカネン氏(Lassi A. Liikkanen)の意見を聞いてみましょう。
彼はサウナの設計にも詳しいサウナー。さすがにこの人はこの「ドア開けサウナ暖房方法」には頷かないだろうと思いました、が!
意外にも「ドアを開けたままサウナを作ることはよく知っている」とのこと!!
彼によると、
スモークサウナは既にドアが空いている状態で暖房されています。これは、ストーブを熱くしますが、サウナ室内は過熱しませんよね、と。
特に、過熱したサウナストーブでは、この”ロウリュトリック”はまともな蒸気を得るために重要だとも言います。
ロウリュをおこすためにサウナストーブの石は熱くなりますが、サウナ室を熱くしてもロウリュにはならないとのこと。
ごもっともな意見です。
例えば、小さなサウナ室に大きなサウナストーブを設置する場合、ヒーターは効率が高すぎる可能性があり、このような場合はサウナ室が熱くなりすぎることがあります。
適切に寸法設定されたサウナストーブが設置されている場合、電気サウナでは約30分〜1時間でサウナ室の入浴の準備が整います。
どちらが正しいとは言えないサウナ。
SNSのコミュニティーでも最終的には「これも好みの問題」ということで締められています。
この「ドアを開けっぱなしでサウナ室を温める方法」、一般的にはフィンランドでもびっくりされる方法でもあり、そこまでメジャーではありません。
証拠にニュース新聞で取り上げられるほどですから。笑
皆さんは、この方法どう思われますか?
*サウナ3種類!電気・薪・スモーク、実際に入るとどう違う?
参考:フィンランドの電気サウナ・薪サウナ・スモークサウナを比較評価
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