ヘルシンキのサウナ文化を忠実に再現した公衆サウナ:Sompasauna

公開日:2018年9月25日  更新日: 2019年12月04日 関連分類:

ヘルシンキに住んですでに2年過ぎましたが、今日初めてヘルシンキの最も「公衆的な」サウナである「Sompasauna(ソンパサウナ)」に行ってきました。

 

実にヘルシンキにもいくつかの公衆サウナがありますが、どれも入場料金10ユーロ以上かかる決して安くない費用がかかります。

という状況に対し、ソンパサウナは最低限の設備しかないですが、誰でも使うことができ1セントも取らないというルールで、「本当の公衆サウナ」と呼ばれるわけです。

 

このソンパサウナがヘルシンキの公衆サウナ文化を代表すると言っても過言ではありません。

その理由を説明するならまずソンパサウナの由来を話さないといけません。

 

※サウナ小屋の壁に飾られた絵です。

 

最初のソンパサウナはただの廃棄された小さな屋台?

実に「ソンパサウナ」自体の始まりがただのアクシデントでした。

 

新規住宅エリアを開発するため、ヘルシンキ市中心の東側に海を埋め立てして陸地を作っています。

その埋め立て地は長さ約800メートル、幅約300メートルの長方形の形をした土地で、3面海に囲まれたような半島になっています。

 

2011年夏のある日、ある人がその埋め立て地で歩いていたら、陸地から最も遠く、埋め立て半島の先端にある廃棄された小屋(券売小屋のような)を見つけました。

その人が勝手に廃棄小屋を修繕し、サウナストーブを持ち込み、その小屋をサウナ小屋として使い始めました。

 

このとても小さい廃棄された小屋、手作り感満載の小さいサウナ室がソンパサウナの起源です。

もちろん、最初からすべての人に公開し、完全無料です。

 

 

※新しい大きいサウナ小屋です。

 

ほぼ設備皆無でもヘルシンキ人の中で人気爆発!

通常の公衆サウナにはいくつかの設備を必ず用意しています。

 

  • サウナ室
  • 更衣室
  • シャワー室
  • トイレ
  • 水道
  • サウナストーブの木材燃料もしくは電気
  • (貴重品のロッカー)

 

しかし、早期のソンパサウナには「サウナ室」しかありませんでした

そうです!

ほぼ何もないです!

 

更衣室?

青空の下で着替えます

 

シャワー室?

自分で水を持ってきて浴びるしかありません。

 

トイレ?海辺で!(最近はトイレが設置されました)

 

燃料の木材?

持参!もしくは建材廃棄物を再利用します。

 

 

ロッカー?そんなのありません。

貴重品は自己責任です。

フィンランド人は結構無防備に置いています。

 

(2020年7月から貴重品ロッカーが設置されました。使用予定の場合は南京錠を持参しましょう。)

 

 

そんな場所で、そんな極端に簡易型のサウナです。

 

それでも、人気がとても高いです。

2011年最初でも年間数百人が訪ねました。

 

 

年々規模が拡大するソンパサウナ

2011年以降、2012年の夏と2013年の夏に、多くのヘルシンキ人の力によってソンパサウナはその規模を徐々に拡大していきました。

 

2011年の夏にサウナ室に初めて煙突が付けられました。

そして、横に木を切る場所と道具も揃えられました。

 

年間の予算はわずか150ユーロ(約2万円)で、寄付やアルミ缶、ペットボトルのリサイクルで得た小銭を積み重ねてやりました。

設備や機材はどれも最低限のものにすぎないが、とても機能性が高く、リラックスに最高なスペースができました

 

ソンパサウナは最初からすべての人々に公開し、全て無料という原則を現在でも続けています。

最初のできたきっかけは本当に偶々でしたが、ヘルシンキの無名な英雄たちによって誰でも自由に無料で使えるソンパサウナが出来上がったのです。

 

 

ヘルシンキ市もヘルシンキのサウナ文化としてソンパサウナを認識した

実に本来他人の土地で勝手に作られたサウナは撤去される運命になるのでしたが、現在はまた維持されており、ソンパサウナの運営も2013年の秋に社団法人化しました。

※ヘルシンキ市政府がソンパサウナの存続にどのような決定を下したが不明だが、現在はその存続を認めている模様です。

 

ヘルシンキ市がソンパサウナを公表したのは約2013年頃でした。

法人化したソンパサウナ社団法人も管理者として施設の運営及び公衆サウナ文化の促進などに関して活動しています。

しかも、2012年~2014年はヘルシンキ文化スコアボードのトップを占めているにもかかわらず、ヘルシンキ市政府から1ユーロももらっていないそうです。

 

※小さいサウナ小屋です。

 

ソンパサウナの2018年現在の様子

2018年現在、最初にあった小屋は工作室や倉庫に変身し、新に小さいサウナ小屋(約8人)と大きいサウナ小屋(約12人)が出来上がっています。

 

テーブルも数枚置かれてあり、海辺には椅子、ベンチ、海に入る階段も整備されています。

簡易式トイレは1個あり、更衣室やシャワーも今もありません

 

筆者は午後15時前に友人3名と一緒に行きました。

大きいサウナ小屋のストーブが故障中で、小さいサウナ小屋しか使えませんでした。

しかし、すでに男性5人くらいが入っていました。

全員全裸です。

 

 

筆者と友人3名は水着で入浴。

手作り感満載のサウナ小屋だが、雰囲気も気持ちも最高!

海と島も一望できてとてもいい景色でした。

 

約30分後、初めてのフィンランド人女性が来ました。

まさかの空の下で洋服を全て脱ぎ、全裸で混浴のサウナに入室!

最初目のやり場に困った筆者でも徐々に気にしなくなり、サウナの蒸気を、友人と会話することを、他のフィンランド人と頑張ってフィンランド語で会話することを楽しんでいました。

 

午後5時ごろ、どんどん人が増えてきました。

男性の7割以上は全裸ですね。

女性3名で2名水着、1名全裸でした。

 

この日は風がとても強く、バーべーキューも海で泳ぐことも残念ながら断念しました。

また来たい!と思いました。

 

 

ソンパサウナを利用する際の注意事項

 

  • 海で泳ぐことは完全自己責任
  • タオル、飲み物、BBQの食料品は自分で用意する
  • 予約不可、プライベートイベント不可
  • 子供の利用不可
  • 水を持参すること。ストーブにかける水は優しい人が用意してくれるかもしれないが保証はない。
  • ストーブに海水をかけてはいけない
  • サウナや周辺エリアで夜を過ごしてはいけない
  • キャンプ禁止
  • ごみは持ち帰る
  • 施設には通常のこぎりと木材が用意されている。木材が足りないときに、自分で切ってストーブに入れる
  • 更衣室、シャワー室、ロッカーはない
  • 周りにお店、売店などがない

 

その日初めてサウナを使う人はストーブを自分で温めます。

サウナストーブは木材燃焼式なので、使う経験がなければ、周りの使い方を知っている方に助けてもらいましょう。

その日最後に離れる人はストーブをきれいに片づけてから帰ります。

 

※写真の中はバーべーキュー場です。

 

ソンパサウナの利用とアクセス

ソンパサウナには営業時間がありません

いつでも使えます

完全セルフサービスとなります。

また、観光客として訪ねる際に、ローカル住民及びローカル文化の尊重してサウナを楽しみましょう。

 

場所は地下鉄Kalasatama駅から徒歩約20分です。

 

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フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

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「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

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