サウナ入浴は呼吸器疾患発生リスクを2~4割低減!がんの発生には無関係

公開日:2020年4月3日  関連分類:

 

フィンランドでは昔からサウナは健康に良いと言われてきました。

それは体のリラックス効果であったり、ストレス解消による心理状態の改善であったりするなどだと思われてきました。

 

 

しかし、近年大規模研究が続々と発表され、サウナの定期的に且つ頻繁的に入浴することは実に心血管の病気を中心に「病気の予防」に非常に効果が高いということがわかりました。

 

例えば、毎週サウナに2回以上入浴していると、心臓病、脳卒中、高血圧、認知症、脂質異常症が発生する確率を下げることができます。

サウナ入浴の頻度によって上記病気の発生率を20~60%下げることができるそうです!!

 

サウナが健康にこんなに良いことは筆者でも論文を読むまで思ったこともありませんでした。

 

 

サウナと様々な病気の予防効果について、研究論文をもとにまとめていますので、下記記事一覧から是非ご参考ください。

関連記事一覧:【サウナと健康】の関連ブログ記事

 

 

そして、今回はサウナと「呼吸器疾患」と「がん」の関係性について、同じく医学論文をもとに説明したいと思います。

 

 

 

 

サウナは呼吸器の病気発生率を20~40%下げることができる

今回の研究はフィンランドのイースタンフィンランド大学、ユヴァスキュラ大学とイギリスのブリストル大学の共同研究で2017年に発表された論文報告です。

 

対象者は1935名、年齢42~61才で追跡期間25.6年間。

その中で全体で呼吸器疾患(肺、気管系)が病院で診断されたのが合計379件です。

 

対象者をサウナ入浴の頻度で3グループに分けました。

週に1度以下、週に2~3回、週に4回以上の3グループです。

 

 

その結果、呼吸器疾患の発生率について、サウナ入浴が週に1度以下のグループに対し、週に2~3回入浴するグループの発生率は約27%低減します。週に4回以上入浴するグループは約41%低減します。

 

 

肺炎」の発生率において、サウナ入浴が週に1度以下のグループに対し、週に2~3回入浴するグループの発生率は約28%低減します。週に4回以上入浴するグループは約37%低減します。

 

頻繁なサウナ入浴習慣は急性や慢性の呼吸器疾患の発生リスクを低減させるそうです。

 

※上記の数字にはたばこなど呼吸器疾患に関連する影響要素が除かれるように計算されています。

 

 

参考文献:Sauna bathing reduces the risk of respiratory diseases: a longterm prospective cohort study. European Journal of Epidemiology volume 32, pages1107–1111(2017)

 

 

 

 

サウナ入浴はがんの発生に関係ありません

サウナの入浴は心血管系の病気リスクを下げることが今までの研究結果である程度分かってきました。

しかし、現代人類の命を脅かす最大な病気「がん」とサウナの関係性はいまだに詳しく解明されていません。

 

 

今回は2019年11月に発表された新しい科学論文をもとにサウナ入浴とがんの発生関係について説明します。

 

 

この研究の第一作者は上記呼吸器疾患論文の作者と同じです。研究チームにはフィンランドの三つの大学に加え、イギリスとアメリアの大学の参与しています。

 

過去の研究では熱療法ががんの予防及び治療に効果があると言われたが、別の一部の報告では熱療法はがんの発生率を上げてしまうという内容もありました。

しかし、「フィンランド式サウナ」と「がんの発生率」の関係性は今まで全くデータがありませんでした。

 

 

今回の研究の対象者はがんになった病歴がなく、年齢42~61才の2173名の男性です。追跡歴が24.3年間です。

 

その結果、サウナ入浴が週に1度以下のグループに対し、週に2~3回入浴するグループのがん発生率は約8%低減します。週に4回以上入浴するグループも同じく約8%低減します。

しかし、統計的な有意差がないので、結果的に「フィンランド式サウナ」の入浴は「がんの発生」に関係がないという結論になりました。

 

※すべての種類のがんが追跡されました。前立腺がん、消化器がんと肺がんに関しては他の影響要素(お酒、たばこなど)が取り除かれるように計算されています。

 

 

参考文献:Finnish sauna bathing does not increase or decrease the risk of cancer in men: A prospective cohort study. European Journal of Cancer. Volume 121, November 2019, Pages 184-191

 

 

サウナの頻繁な入浴慣習はがんの発生に関係がないことがわかりましたが、肺や気管の病気が起きにくくなることがわかりましたね!

少なくともサウナはがんを引き起こさなことがわかることでこれからも安心してサウナにどんどん入れますね!

 

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