今回ご紹介するのは、見えない女の子・ニンニです。
名前は知らなくても、キャラクタービジュアルだけは見たことがある方はいらっしゃるかもしれません。
「”見えない”はずなのに見たことがあるってどういうこと?」と疑問に思われることでしょう。
まずは、ニンニデザインのこちらをご覧になってみてください。
※写真引用:Moomin.com
この子がニンニです。
大きなリボンと、ワンピース。
見えるのはそれだけですね。
そう、肝心のニンニ本人が見えません。
彼女の姿が見えない理由はなんなのか……?
今回は、見えない女の子であるニンニについてご紹介していきます。
ニンニが好かれる理由
ニンニにはファンも多く、ニンニデザインのアラビア食器が発売された際にはSNSもにぎわい、喜ばれました。
大きなリボンにワンピースというモチーフはとてもかわいらしく、彼女についてよく知らないひとにも人気が出そう!ということがうかがえます。
でも、ニンニの人気の理由は見た目だけではありません。
彼女の人気の本当の理由は、彼女が見えない女の子である所以と、それにまつわるエピソードにあると言っても過言ではないのです。
ニンニとムーミン一家の出会い
彼女が初めてムーミン谷にやってきたとき、先ほどご紹介したニンニとは違うものでした。
見えるのは、首元につけたひとつの鈴だけ。
それも、宙に浮いて見えました。
その時のニンニは、顔どころか、着ている服さえも見えなかったのです。
話すこともできなかったニンニの意思を知る術は、首元の鈴だけ。
その揺れ方で、彼女の「YES」と「NO」だけを知ることができました。
ニンニをムーミン一家のもとに連れてきたのは、おしゃまさん・トゥーティッキでした。
トゥーティッキが言うには、ニンニは最初から見えない女の子だったわけではない、ということでした。
※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行
ニンニが見えなくなってしまった理由
ニンニがムーミン一家の元に来る前、彼女はおばさんと暮らしていました。
そのおばさんはとても皮肉屋なひとで、おばさんの皮肉は、少しずつニンニの心をむしばんでいきました。
自分に自信をなくし、心を閉ざしてしまったニンニ。
気が付いた時には、姿が見えなくなってしまっていたのです。
ニンニが自分の姿を取り戻す物語
ムーミン一家と一緒に暮らすことになったニンニを、みんなは暖かく迎え入れました。
中でもムーミンママは彼女にたくさんの愛情を注ぎました。
姿が見えず、声も出すことができないニンニの存在を示すのは、首元の鈴だけ。
そんな子と暮らすことになったら、と想像してみるだけで、とても難しいであろうことがわかります。
彼女を癒したいと思ってみても、そのためにどうしたらいいのか。
きっと、心配するあまり、はれ物に触るような態度をとってしまうことでしょう。
こちらがそのつもりでなくても、です。
しかしムーミンママは自然で、ムーミンたちと変わらない、あたたかい愛情をニンニに注ぎました。
すきな時に食べられるようにと果物とジュースを寝室に用意してあげたり
夜中に寂しくなったらわたしの部屋に来て、首の鈴を鳴らして起こしてね、と声をかけたり
ニンニが不自由なく過ごし、甘えることができる場所をつくったのです。
そんな優しい空間の中で、ニンニは少しずつ心を取り戻していきます。
ニンニの服と、ムーミンママの愛情
ニンニの心が晴れる度、足元から少しずつ、姿が見えるようになります。
その度にみんなで喜び合いました。
でも、まずニンニの足元が見えたムーミンママは、彼女の服がとても地味であることに気が付きます。
ニンニにかわいい服を着せてあげたい!と思い立ったムーミンママは、夜通しかけてニンニのために服を作りました。
とても大変な作業だったでしょうに、ムーミンママはニンニの服をつくったことについて「たのしかった!」と話すのです。
女の子の服を作ったのなんてひさしぶりよ、と嬉しそうに、楽しそう。
そこには確かな愛があって、そんな愛が、閉ざされてしまったニンニの心を少しずつ溶かしていくのです。
3歩進んで、2歩戻って
姿を取り戻し始めたニンニでしたが、トラブルメーカーであるスティンキーにはじめて出会ったときは、まっすぐ向けられた悪意に傷つき、また姿を失ってしまったりします。
あくまで憎めない悪役として描かれることが多いスティンキーですが、2度目に登場したときは、「やりすぎなんじゃ……」と思わずにはいられないような、初対面の時とは違う、更に強い悪意の象徴として現れます。
しかし、ムーミン谷にやってくる前とは違い、この時のニンニは確実に愛を知っています。
以前のかたく閉ざされていたあの時に戻ってしまったわけではありません。
ニンニは、スティンキーによってもたらされた絶望ともいえる状況を、自分の力で脱しました。
この時に声を取り戻したニンニは、傷つきながらも、姿を失うことはありませんでした。
進んで、戻って、進んで。
確かに前進しているニンニでしたが、それでも、自分の顔を取り戻すには至りませんでした。
ムーミンパパが鼓舞しても、ニンニは、落ち込まずにはいらませんでした。
ニンニが、自分の顔を取り戻すとき
そんなニンニが、自分の顔を取り戻すとき。
それは、他でもない、彼女自身によってもたらされました。
浜辺で遊んでいたムーミン一家とニンニは、ムーミンパパがムーミンママへのいたずらをもくろんでいることに気が付きました。
細かいことを言えば、何かを勘違いしたらしいムーミンパパが、ママをよろこばせよう!と考えたいたずらだったのですが、その内容が「ムーミンママを海に突き落としてあげる」というものだったのです。
それに気が付いたニンニは、大好きなムーミンママを守るため、パパのしっぽに噛みついたのです。
たくさんの愛をくれた大好きなムーミンママを守るために起こしたニンニの行動は、彼女自身の顔を取り戻させたのでした。
※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行
ニンニの内に秘められた強さ
お話を通してわかるのは、ニンニの内に秘められた強さです。
愛する人のために立ち上がり、行動を起こすことができる、優しくて強い女の子。
それがニンニの本当の姿でした。
ニンニの人気の理由が、かわいいリボンとワンピースだけでないことは、もうおわかりでしょう。
ニンニの物語は、小説版やアニメ版など、媒体ですこしずつ違っています。
彼女のことが気になった方は、ぜひご覧になってみてくださいね。
まとめ:ニンニに通じて愛を考える
ひとことで「透明人間」と語られることが多いニンニ。
でも、ニンニ物語は心の物語で、そして、親と子の在り方についての物語でもあります。
現実では、ニンニのように、本当に姿が見えなくなるようなことは、ありません。
それでも、心が固く閉ざされ、本当の自分の表情や声、心を失ってしまう人は現実にも多くいます。
そこから抜け出すためには、ニンニのように自分自身の力を振り絞ることももちろん大切ですが、そこに至るまでに、周りができることもたくさんあるのではないか。
ニンニの物語は、そんなことに気づかせてくれる物語でもあるのです。
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