フィンランド人らしい名前を使わないと仕事が見つからない

公開日:2021年11月26日  関連分類:

 

フィンランドのネガティブ情報ですが、フィンランドではフィンランド人らしい名前を持っていないと、面接に呼ばれる可能性が非常に低くなるそうです。

フィンランド語が独特な言語ですので、ラテン語系諸国出身の外国人でも、名前が似ていても外国人なのか、フィンランド人なのかがアルファベットからすぐにわかります。

 

そのため、履歴書に写真を貼っていなくても(貼らないことも可能)、名前だけで外国人だと判断され、面接に呼ばれない可能性があります。

 

 

もちろん、いかなる差別を禁止し、公平を強調するフィンランドでは、どの会社も組織も応募者の名前で判断することはないと言い切っていますが、実際はそうでもない様子です。

 

 

 

 

例えば、この間ヘルシンキ大学の中である学生たちに提供する仕事の選考プロセスで応募者の苗字がフィンランド人の苗字らしい人々が優先されたことがニュースに出て、ヘルシンキ大学が謝ったことがありました。

 

参考:Iltalehti: Helsinki University offered jobs to students based on ‘Finnish-sounding’ surnames

 

 

そして、あるロシア出身のフィンランド人が自信がロシアらしい名前を持つことで、仕事が見つからず、名前をフィンランド人らしい名前に変えると、仕事が見つかった話も掲載されました。

 

参考:Job hunters switch to ‘Finnish-sounding’ surnames to avoid discrimination

 

 

この報道の主人公Iljaはロシア出身で、2006年にフィンランドに移住しました。

彼はロシアで物理、数学、教育関連を勉強しており、フィンランドでは電気技師の仕事を探していました。

 

しかし、まったく仕事が見つからず、無給インターンの仕事さえももらえませんでした。

 

彼が当時の経験を強調しました

「一部の会社は『我々の電気技師はフィンランド人です!』とまで広告に出しているのです!」

 

 

電気技師の仕事は全部だめで、ロシア語とフィンランド語の翻訳、物理や数学の教師などの仕事も探していたが、全滅でした。

 

 

どうせ全滅するから、名前をフィンランド人らしい偽名に変えてもう一回応募してみよう!

 

となると、一週間後に代理教師の職が得られました。

 

 

その時から、彼は真剣に自分のロシアの名前を諦め、フィンランド人らしい名前に改名しようと思ったそうです。

 

 

フィンランドに移住したロシア出身者の彼は自分の出身国に誇りを持っていました。

 

しかし、名前だけでは食っていけません。

仕事がないとどうにもできません。

 

 

それでは、彼はカレリア地方出身のおじいちゃんの苗字を使い、自分の名前をIlyaからIljaに改名しました。

 

 

改名した後、彼はすでに過去に2回応募した翻訳会社にもう一度応募しました。

過去の2回は何も連絡がなく、面接さえ呼ばれなかったが、改名後の3回目は1週間後に面接の電話がかかってきました。

 

彼はそれで就職し、すでに3年も同じ会社で働いています。

 

 

 

 

名前による選考差別を特定するのは非常に難しいことです。

そもそも、どの会社の人事担当に聞いても、名前による差別を行っていると言うわけがありません。

 

 

名前による選考差別について、2016~2017年にヘルシンキ大学の研究者が実験を行いました。

 

研究のために偽物の求職応募書類を5000人分作成し、レストラン、飲食業、清掃員、カスタマーサービスなどの求人に応募しました。

どの応募書類も同じくらいの学歴や経験、スキル、フィンランド語能力を持ち、唯一違うのが名前です。

 

 

フィンランド系の名前、イギリス系の名前、ロシア系の名前、イラク系の名前とソマリア系の名前の5種類です。(それぞれ1000人分)

 

その結果、面接に呼ばれたのは、フィンランド系の名前は390人、イギリス系の名前は269人、ロシア系の名前は228回、イラク系の名前は134回、ソマリア系の名前は99回でした。

 

それだけ歴然な差が並ばれていますね。

 

 

自分の苗字と名前がいかに自分の就職に影響するかの記事でした。

 

 

参考:When the Name Matters : An Experimental Investigation of Ethnic Discrimination in the Finnish Labor Market

 

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