日フィンハーフの方の人生とは?両国の色々を知っているからこその考え方も!

公開日:2019年3月30日  関連分類:  

 

今回筆者がインタビューしたのはフィンランドに住んでいる、日本人の母親とフィンランド人の父親を持つハーフの方です。

 

近年国間や大陸間の移動がとても便利且つ簡単になり、人々の交流が増えたことで国際結婚が増えてきています。

そのためハーフの方も徐々に増えてきている感じですね。

と言ってもそれほど身近な存在にはまだなっていないです。(少なくとも筆者にとっては)

 

 

ヘルシンキに住んでいれば、多くの日フィンカップルを見かけたり、知り合ったりします。

しかし、成人した日フィンハーフを知り合えたのはまだ二人程度しかいません。

 

今回はそのうちの一人である20代後半女性のMさんの話を聞かせて頂きました。

 

 

筆者にとって彼女はとても面白い方です。

通常一人の人間は一つの環境に住み続けるとその環境の文化が染まっていき、その環境に同化していきます。よっぱどその環境が嫌いでなければ。

しかし、彼女はフィンランドに住みながら日本とフィンランド両方の文化が心に存在し、融合している部分もあれば、融合せずに共存している部分もあるように感じます。

 

 

 

 

生まれはフィンランドだが、育ちは日本とフィンランド

Mさんは今ITを専門とし、大学の学部3年生です。

 

Mさんの生まれはフィンランドのエスポーで(ヘルシンキの隣の市)、生後直後に1年間家族と共に中国の北京へ住み、幼稚園から小学校前半の4年(5~9歳)は父親の仕事関係で東京に住んでいました。

 

それからフィンランドに戻り、小学校、中学校、高校や大学から現在まではずっとフィンランドです。

 

母親は東京出身で、日本へは大体2~3年ごとに一回行きますが、高校生になってからはもう少し頻繁に行くようになっています。

 

 

多国環境、多言語環境から感じた様々な困難や葛藤も

家では母親が日本人で、父親も日本語が堪能という背景があり、様々な国にも住んでいたので、家で話す言語が多すぎると子供がかわいそうということで、家では日本語を話すことに父親が強く推したそう(母親は家で日本語を話すことに反対したそうだ)です。

 

家では日本語を話す慣習が子供の頃からあったため、今Mさんが成人し、フィンランド語や英語がペラペラになっても基本的に家では相変わらず日本語を話しています。

 

 

家では日本語を話しますが、子供の頃に東京に住んでいた時はインターナショナルスクールに通っていたため、学校では基本的に英語を話していたそうです。

そのため、小学校の途中にフィンランドに戻り、いきなりフィンランド語中心の環境はとても大変だったそうです。

 

 

その時彼女が通っていたフィンランドの小学校で英語で行われる授業半分とフィンランド語で行われる授業半分という組み合わせで授業を受けていました。

※一般的にフィンランドの小学校ではフィンランド語のみで授業が行われるが、Mさんの通った小学校は数少ない英語で一部の授業が行われる小学校でした。

 

 

小学生だったので、フィンランド語の習得も一瞬でできるのではないかと筆者は想像しましたが、そうもうまく行かなかったそうです。

 

その一つ大きいな理由は彼女がクラスで唯一アジア人の顔をしている子でした。

そして、フィンランド語を他の子供のように普通に話せないのがもう一つ大きいな理由でした。

 

それで彼女は嫌な思いをさせられ、フィンランド語自体を話したくもなかったです。

そのため、彼女にとってフィンランドにいる小学生頃にはあまりいい思い出がなかったです。

 

 

 

 

今となってヘルシンキには多くの外国人が暮らし、幼稚園や小学校にも外国人の子供が増えていますが、20年前にはまだ全然今のような環境ではなかったようですね。

 

 

Mさんが中学校に入り、幸いにもとてもやさしいフィンランド人の友人に出会うことができました。

 

その友人はMさんのフィンランド語に助けてくれました。

話してくれて宿題のフィンランド語も一つ一つ確認してくれました。

 

その大切な友人の支えがあったからこそ、Mさんは少しずつ心を開き、フィンランド語を話すようになったのです。

 

 

高校に入り、Mさんは母国語の設定をフィンランド語から日本語に戻しました。

 

日本人、ハンガリー人、ポーランド人、韓国人など外国人の生徒が多かったし、知り合いにも外国人が多かったので、フィンランド語より主に英語を話していたそうです。

 

彼女の高校の卒業試験(フィンランドにある唯一の全国統一試験)では「フィンランド語が母国語ではない第二言語」として受験しました。

 

 

2010~2015年頃は大学に入り、音楽を勉強していましたが、クラスメイトはほぼ全員フィンランド人なので、再びフィンランド語を使い始めました。

 

 

 

 

反対を押し切り、新しいキャリアに思い切って方向転換

音楽を長年練習し、進めてきたMさんですが、音楽専攻で大学を卒業し、「他の分野もやってみたいな」「音楽でやりたいことはやり尽くしたかな」という思いで思い切って音楽の分野から去っていきました。

 

 

そんなMさんはとりあえず弱かった分野を勉強したく、フィンランドの成人学校で数学、物理、化学などの理系分野の授業を取り、1年間勉強していました。

 

 

Mさんは人生の道に迷っていました。

 

これからは何をやっていきたいだろう。

どういう仕事をしていきたいだろう。

という質問の中から答えがずっと出てきませんでした。

 

そのような状態で大学の建築学科に申し込んだり、様々な人の話を聞いたりして、迷いながらも様々なことを試し、探っていました。

 

 

その中でMさんが参加したのはアールト大学のオープンキャンパスのプログラミングの授業でした。

その授業で「アールト大学で勉強してみたいな」という気持ちが芽生えました。

 

それで彼女が続いて参加したのはオープンキャンパスの中にある「kevätväylä」というプログラム(セットされた複数の授業)でした。

 

それはどんな背景の人でも頑張り次第で入学資格を手に入れることができるプログラムです。

決められた授業を全て一定の成績を取得できればアールト大学に入学する資格が得られるのです。

 

 

Mさんはこのルートに通してアールト大学のコンピューターサイエンス学部に無事入学しました。

現在は学部コースが終わりにかかり、来年に修士に進みたいそうです。

 

彼女にとってITが一生のキャリアになるかどうかはいまだにわからないですが、まずは一歩ずつ色々な分野や経験を積んでいきたいそうです。

 

 

 

 

学費無料のフィンランドだからこそ人生の選択肢が増えた

Mさんから見ると、フィンランドにいるからこそ専門分野を音楽からITへ切り替えることができたのです。

 

フィンランドでは学費が無料ですので、音楽を5年間も勉強し、そこからの専門分野切り替えは学生にとって経済面の負担を最小にすることができました。

 

もしMさんが日本に住んでいたら、音楽専門の大学の5年間の学費負担だけで専門分野を切り替える決定に踏み切れなかったでしょうね。

しかももう一回大学に入るということは更に4年間の学費負担が新たに生じることです。

 

 

フィンランドではこのような選択肢が比較的に多いということはMさんが身をもってありがたく感じているそうです。

 

 

日本語の多くは「漫画」から習得

Mさんにとって日本語の多くは「漫画」から勉強しました。

 

もちろん、母親が日本人で家でも基本的に日本語を話しますが、家で話す言葉はある程度範囲が限られているため、多くの語彙や文法をカバーしきれませんでした。

 

他にヘルシンキにある日本語補習校にも通っていましたが、やはり量や様々な表現という面では漫画の力が大きかったです。

 

 

小学生の時に漫画の言葉表現をそのまま使ったことで、今となって思い出すと「あれ?」ということもあったそうです。

小学生のMさんが「〇〇してもよくってよ」という表現を使っていたそうです(笑)

 

やはりMさんは漫画をたくさん読んだ分、漢字を読むことにあまり苦労しなかったです。

 

 

日本の文化や考え方に関しては、Mさんにとってもちろん母親からの影響も強いですが、子供の頃からずっと身の回りに誰かしら日本人がいたり、日本人のハーフの子がいたりして友人からの影響も強かったです。

 

その代わり、フィンランド語をあまり話したくない過去があったため、フィンランドの文化は自然に身に入ってくるような感じではなかったですね。

 

 

 

 

アイデンティティは一つではない

あなたの出身は?どの国から来たの?

というのはMさんにとって難しい質問です。

 

恐らく多くのハーフの方にとって同じく難しい質問でしょう。

自分のアイデンティティはなんだろうと。

 

 

Mさんも思春期からずっと自分のアイデンティティについて悩んでいました。

インターナショナルスクールや外国人の友人も多いMさんにとって、英語やアメリカ文化もとても身近な存在であり、アイデンティティを一つにすることができないそうです。

 

 

彼女にとって、フィンランドにいると自分の中にある日本らしい部分が強調され、はっきり感じます。その同時に日本にいると自分の中にあるフィンランドらしい部分が逆に強調され、強く感じます。

このように二つ(もしくは以上)の文化を自分の中に持ち合わせると、その「違い」をとても感じやすくなるようですね。

 

 

Mさんは自分の言葉は日本語が一番気楽に話せるが、考え方や価値観だとフィンランド寄りと感じています。

 

このようにアイデンティティはむしろ複数が共存している状態です。

 

 

Mさんにとって日本とフィンランドのいいところは?

Mさんにとって日本もフィンランドも色々ないいところがあります。

 

例えば、フィンランドでは様々な手続きが効率的で進みやすいので、書類の作成や準備の手間が省かれて楽ですね。

また、日本の大学の授業に見学したことのある彼女にとって、もちろん日本の大学では様々な行事があって楽しいですが、フィンランドの学生はイベントや学歴より「学び」に比較的に集中しているところもいいそうです。

 

 

また、社会全体から見ると、フィンランドではやはり環境保護、関心や行動に関しても意識が比較的に高いと感じますね。

 

 

一方、日本では人々のマナーが良く、お互いに対する配慮があるところはとても過ごしやすいそうです。

 

更に、日本人は集団行動に長けていると彼女が感じます。

多くの人が一定なスペースの中で生活するため、グループの行動にお互いに思いやって進むことが得意ですね。

 

 

日本も自分の文化を大切にし、自分のことを大切にするのがいいですね。

日本の映画、日本のファッション、漫才、アニメ、漫画など日本ならではのものが多いです。

これはフィンランドにあまりない部分です。

 

そして、日本人は信頼しやすいですね。

物事をしっかりルール守ってやっているので、変なことになることが比較的に少ないです。

 

更に、日本では様々な職業に高い敬意を払っているのがよく見かけます。

清掃員にもレジの係員にもちゃんと敬意を示すのがすごいところです。

 

そして、ご飯は断トツ美味しいです!(これ本当に大きいです!笑)

 

 

 

 

今の日々の生活はどんな感じ?

今Mさんは学部のコースが終わりにかかっているので、授業を少し取っていて学校もたまに行くような感じです。

 

卒論の準備もあるため、文献を探したり読んだりしています。

 

他にソフトウェアの会社に去年インターンしていたが、今は週1日程度で継続しています。

そして、毎週の土曜日もお土産さんでバイトをしています。

 

 

今後については今はまだはっきり決まっていないそうです。

まずは今のIT専門分野で就職し、暫くは仕事に集中したいそうです。

 

もし他にやりたいことが見つかったら、またいつか分野転換するかもしれないとのことです。

もしかしたら海外に移って住むかもしれないし、また別の人生を始めるかもしれないとのことです。

 

 

 

ハーフではない筆者にとって彼女の視点や考え方はとても新しくて刺激の溢れた内容です。

人にはそれぞれ異なる生き方があります。

このような方がこのように生きているということを知っているだけで参考になるようにも感じます。

 

 

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