人の人生の話を聞くと、それは一冊の本を読んでいるような感覚になります。
昭和時代を語る本なのか、世界を跨ぐ冒険を描く本なのか、人生における大きいな決断とチャレンジに直面する本なのか、話を聞くまで知ることができません。
なので、筆者にとって人の話を聞くのはそれでストリーを読む感覚で面白く感じるのです。
新しい本を読むと新しい世界を知ることができるからです。
今回お話を聞かせてもらったのはある21歳の女子大学生でボランティアとしてフィンランドにやってきた方のことです。(Kさん)
そんな彼女はどのような背景を持ち、どのような理由でフィンランドにやってきたのでしょうか。
そして、21歳の彼女がフィンランドのことをどのように感じ、どういうものが得られたのでしょうか。
なぜ大学在学中にフィンランドまで来てボランティアをする?
Kさんは東京出身の大学3年生(2年目修了)です。
Kさんが外国語と海外にとても深い縁を持っています。
その最初の関わりは自分の家族も毎週参加していた「多言語ファミリークラブ」というようなコミュニティでした。
その多言語ファミリークラブの関係で、Kさんは小さいごろから海外との接点が多く持つことができました。
彼女はそれで小6の頃に2週間韓国にホームスティー、大学1年生の頃に中国・上海で2週間の合宿、フランスに10日間のホームスティーなど行ってきました。
上海で知り合って方々は既にフランス、アメリカなどの国で生活した経験を持ち、彼らを見ると、自分でもそういう経験をして英語がうまく話せるようになりたいと思ったそうです。
また、フランスでホームスティーの経験から感じたのは、自分の英語力はやはりまだ足りなく、1年など長期間の滞在が必要だと彼女は思いました。
その時から彼女はタイミングと方法を考えていました。
タイミングとしては就職活動に重なる3年生ではなく、2年生から3年生になるタイミングがベストで、単位が取れない交換留学よりは深いつながりのあった多言語ファミリークラブから提携関係のあったボランティア団体の海外ボランティアプログラムを選びました。
Kさんがフィンランドにボランティアをしに来た主な目的も「語学の習得」でした。
彼女は英語とフィンランド語が話せるようになりたかったです。
ボランティアとしてフィンランドに来るまでの準備は?
ボランティアとしてフィンランドへ出発するのが冬の1月だったので、申し込みの締め切りが8月だったそうです。
それで英語力が不足していたKさんにとって英語で様々な書類の準備が一番大変でした。
それが犯罪履歴証明書であったり、フィンランドのボランティア団体から受け入れ先関連の書類であったりします。
ボランティア団体の方に助けを求めるほどでした。
ホストファミリーの決定は12月ごろで、結構出発の直前でした。
費用に関してはボランティア参加費が約150万円+諸費用6万円でした。
ただ、Kさんの認識している範囲では、ボランティアの参加費や諸費用などはその人のいる国のボランティア団体に支払いし、その国のボランティア団体が使用しています。
なので、フィンランドに来たKさんはフィンランド人がフィンランドのボランティア団体に払った費用からお小遣いをもらいます。
Kさんはフィンランドで毎月お小遣いを110ユーロをもらっていました。(約14000円)
ボランティア先までの通勤費用はボランティア団体に負担してもらいました。
フィンランドでの滞在先のホストファミリーは住居と平日の朝食、夕食、休日の食事を提供していますが、ボランティア団体から資金援助をもらっていないようです。
※無償で提供!?神様ですわ!
資金に関しては、家族からのサポートがありましたが、今後働きながら少しずつ返していきたいそうです。
ボランティア生活はどんな感じ?
Kさんにとって開発途上国ではなく、先進国のフィンランドでボランティアをやる意味は「日本とこの国の距離を縮めること」にあるそうです。
そのため、助けるのではなく、日本のことを知ってもらい、日本に興味を持ってもらえるようにするのが彼女にとって今回ボランティアの仕事です。
その中で日本のこと、日本の文化を子供たちに見せて触れてもらえたことが彼女にとってもいい思い出になりました。
Kさん1年間のボランティア滞在は前半の幼稚園と後半の小学校の二つに分かれています。
幼稚園は朝8時から午後2時過ぎまでの勤務で、子供たちのお世話をして一緒にお遊びするような内容でした。
小学校は朝8時半ごろから始まり、授業のアシストや簡単な労務をこなし、偶に日本のことを紹介することもやったりしていました。
ホストファミリーとは基本的に英語を使い、偶にフィンランド語を使う形で、ボランティアの活動先では基本的にみんなはフィンランド語で話し、必要な場合のみ英語になります。
フィンランド語の理解に苦しみながらも相手は基本的にフィンランド語で話してきます。
フィンランド語の授業を受けたいとKさんが思ったが、授業は基本的に8月から始まるので、1月から行った彼女には初級のコースがなく、夏まで基本的に独学という形で勉強していました。
幼稚園で子供たちに言われた単語をメモしてホストファミリーに確認したりして覚えていたそうです。
ボランティアの生活の中で語学力が十分流暢に話せるようになったとは言えないが、来る前よりはだいぶ成長したと実感していると彼女自身が感じています。
フィンランド生活で感じたことは?
Kさんにとってもし留学でフィンランドに来れたらまたフィンランド滞在生活が変わったのではないかと思ったそうです。
彼女の滞在先はヘルシンキ市内でも近郊でもなく、ヘルシンキから約60キロ離れたとても小さい町であるため、社交生活の発展が難しかったです。
町が小さい分、知り合いを増やすのもなかなか難しく、幼稚園で話す言葉も大体決まっているので、それ以上の語学力が身につくのも予想より簡単ではなかったです。
なので、もし留学できる場合、より多くの人々と知り合い、フィンランド生活がまた違うかなと彼女が想像しました。
もちろん、大自然がとても身近にあるので、大自然は好き存分楽しむことができました。
自分探しという目的においても、日本での生活からいったん離れることで、自分がどういうことが好きかもよりはっきりなってきたとKさんがその収穫を肌で感じたようです。
フィンランド生活の一つの難点はホストファミリーの生活慣習に合わせることでした。
Kさんには自分の旅行計画があるが、2ヶ月前にホストファミリーに予定を伝えたが、伝えるのが遅いと言われ、少しストレスが溜まりましたね。
ホストファミリー生活でフィンランド人との触れ合いが増える半面、生活慣習の違いに苦労するのも事前に心構えしておくことが必要ですね。
ボランティアでフィンランドに来る方へのアドバイス
「目的はいくつか持っておいたほうがいい」と彼女が言いました。
一つだけだと、それができないときにフィンランドまで来た意味を失ってしまうからです。
Kさんの場合だと、語学をやりたくてフィンランドに来たのですが、最初来た頃のように環境が語学勉強に適していない場合、目的が一つだけだとやりたいことがなくなってしまいます。
そのため、いくつかの目的を持っておいたほうがいいとのことです。
他に、携帯はプリペードで十分だと、服は全て持ってくる必要がなく、フィンランドでセカンドハンドで買えばいいと生活経験からのコメントもありました。
Kさんの今後について、大学に戻り、卒業して就職してまたチャンスを見つけてフィンランドに戻てきたいそうです。
どんな人生になっていくかが楽しみです!
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