フィンランド・マリン首相「週休3日・1日6時間労働」誤報のワケ

公開日:2020年1月8日  関連分類:

 写真撮影:Jukka-Pekka Flander 情報・写真提供:sannamarin.net/

 

去年2019年にフィンランド世界最年少34歳の首相誕生!と日本でも話題になりましたね。

こちらフィンランドでも話題になりましたが、それもこちらでは日本ほど珍しくはない女性の政治家。

フィンランドよりも日本の方が大きく、そして報道期間も長く取り上げられた印象を受けます。

 

その話題となったフィンランドサンナ・マリン首相(Sanna Mirella Marin)、

年明け早々にもまたメディアに登場しました。

 

 

家族と時間を大切に週4日・1日6時間労働検討!!!

すなわち、週休3日制を検討!!

 

 

この話題は日本だけでなく、英国を中心にヨーロッパでも大きな話題に。

 

しかし、これは紛れもない誤報と言うことが更にメディアで取り上げられ、

本当のところ、どちらが正しいのか混乱された方も多いことでしょう。

 

では、実際フィンランドではマリン首相週4日・1日6時間労働検討の件についてどのようにメディアで取り上げられているのか見てみましょう。

 

 

 

 

マリン首相の「週休3日制・1日6時間労働検討」、世界のメディアへ誤報と訴えかける

 

(和訳)現在フィンランド政府の計画の中では、週4日間労働の件に関する内容は全くありません。フィンランド政府も週4日間労働を議題に入れようとしていません。週4日間労働について、@marinsanna首相は、運輸通信大臣であった昨年8月のパネルディスカッション(討論会)でこのアイデアを思いついただけです。このアイディアを進める活動はありません。

 

2020年1月7日にフィンランド政府がTwitterを通して、今回の報道は誤報だとツイートしました。

 

 

そして、更に駐日フィンランド大使館からも「フィンランドで週休3日、1日6時間労働を検討していると言う話は全くもっての誤報」とツイート。今回のメディア報道を否定しています。

 

 

 

マリン首相の「週休3日制検討、1日6時間労働」、ことの発端はなんだったのか?

フィンランド政府がツイートした文面にもあるように、今回の誤報の発端は2019年8月の出来事でした。

 

フィンランド社会民主党、SDP(Social Democratic Party of Finland)の120周年を記念する党の会・パネルディスカッションの場で初めてこのアイデアを思いついたそうです。

 

この120周年記念、会場には約5千もの人がこの討論会に興味を持って聞いていました。

 

当時、マリン首相は運輸通信大臣として参加。

その式典にて、彼女自身のあくまで理想としての未来の3つの「ユートピア」と言うことを取り上げてスピーチしたときが、最初の発端です。

 

彼女はスピーチで子供の貧困に対してもっと深刻に取り組む必要があること、高齢者が老いを恐れない社会環境が大切だとこの場でスピーチしましたが、

 

その中の一部、

 

「なぜ、週4日間労働、1日6時間ということが次の目標ではないのか?」と尋ねかけ

「私の意見はこうです。人々は家族、愛する人、趣味、そして教育はより多くの時間をかけるに値する大切なこと。そしてこれらは私たちにとっての仕事・職場環境の次のステップになるかもしれません。」

 

そう、この部分がなぜか大きく取り上げられ、国を跨ぐメディア報道の一人歩きが始まってしまいました。

 

 

 

 

マリン首相のメディア報道が誤報になってしまった原因は、、謎

フィンランド政府通信部長のパイヴィ・アンッティコスキ(Päivi Anttikoski)氏によると、

今回のマリン首相のビジョンが何時どこで間違った報道をなされたのか、原因の原点はどこなのか、はっきりとした情報はありません、とのこと。

 

しかし、確かに「週休3日間、1日6時間労働」の報道、日本の報道以外にもヨーロッパでも大きく取り上げられていました。

 

例として

イタリアのLa Repubblica、ドイツのDie Welt そしてイギリスのThe IndependentDaily Mail  、 The Sun

などの雑誌です。

 

これらの雑誌、報道では「フィンランド、週4日・1日6時間労働の日を実行する、または検討するとの考え」と確かに書かれていました。

 

日本のメディアは主に英国のメディアからの情報を元に、今回の報道が発信されたと言うことが原因です。

 

イギリスで最も古いタブロイド紙で有名なDaily Mailは明らかに最初に書かれた新聞なのだそうですが、それ以前にもEUに焦点を当てた新聞、New Europeで取り上げられていたとのこと。

 

結局、誤報の原因の原点はどこなのかと言うのは

「全くもって完全なるミステリーです」とアンッティコスキ氏。

 

 

 

 

フィンランド政府の報道についての対策、そしてマリン首相はどう対応するのか

今回、フィンランド政府が自発的に国際メディアへ向けて修正をかけ、更に多くのメディア自体が政府と共に今回の報道に触れています。

 

「マリン首相は今後、この問題についてはコメントしないでしょう」とのこと。

「もし、またマリン首相がコメントした場合、再びややこしい問題が起こる可能性があるかもしれない」とアンッティコスキ氏。

 

 

情報・引用:yle-uutiset -Pääministeri Marinin visio nelipäiväisestä työviikosta pomppasi maailman mediaan..

情報・引用:Demokraatti.fi -SDP:n 120-vuotisjuhlassa visioitiin tulevaa..

 

関連記事

フィンランド首相が首相官邸で国の税金を使って食べた毎月11万円の食事代は不正なのか?
ヘルシンキにあるフィンランド大統領官邸
コロナウィルスが拡大している中、各国がそれぞれ異なる対応策を打ち出しています。日本とフィンランド政府の対応策は大きく違いました。フィンランド政府は明確な数字を提示し、…...続きを読む
フィンランド国籍を持たない外国人でもフィンランドの地方選挙に参加することができます。筆者も実際に投票してきました。その実体験の内容とは?
自分の国は自分が払った税金をどのように使っているかはご存知でしょうか?高社会福祉国家のフィンランドでは税金が高い分、お金が国民に還元されます。それはどのような形で国家…...続きを読む
一人の子供を18年以上育てる費用を考えると、外国人移民の受け入れは本当にフィンランド社会にとって経済の負担になるでしょうか?
多政党国家のフィンランドでは、どの政党でも単独で政権を握ることができません。今回はフィンランド主要政党7つを簡単に紹介します。これらの政党はどういう主張を訴え、フィン…...続きを読む

お薦めの北欧スポンジワイプ

是非水回り、テーブル拭きなどにご活用頂きたいです。

ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら