コロナウィルス対応から見るフィンランド政府の透明度

公開日:2020年3月27日  更新日: 2020年03月29日 関連分類:

ヘルシンキ市街地

ヘルシンキ市街地

 

ヘルシンキ在住の店長は日々フィンランドと日本のコロナウィルスニュースを確認しています。

生活の面も事業運営の面も両方直結していますので。

 

 

フィンランドと日本政府が日々発表した関連情報や実施した対策を読んでいるとやはり一つ大きいな違いに気づきます。

 

 

透明度」です。

 

 

日本政府が発表した情報や対策に関してはやはり比較的に曖昧で明確ではないと感じます。

対照的にフィンランド政府が発表した情報や対策は数字をもとに比較的に明確的です。

 

 

 

 

コロナウィルスの感染拡大に関するシナリオをフィンランド政府が発表

公衆健康分野(パプリクヘルスケア)を担当するフィンランド政府の健康福祉局(THL, TERVEYDEN JA HYVINVOINNIN LAITOS)はコロナウィルスの疫病に関してフィンランド国内の感染拡大シナリオ3種類を発表しました。

 

20%(軽度)、40%(中度)、60%(重度)の国民が感染した場合、それぞれの感染者数、入院者数、集中治療者数(ICU)及び死者数を明確な数字を持って2020年3月22日に発表しました。

 

 

数字を見るだけでは鳥肌が立ちます。

 

軽度感染で20%の国民だけ感染する場合でも、「108万人」が感染するのです。

人口わずか550万人のフィンランドではとんでもない大きいな数字だと感じます。

 

 

そんな「軽度感染」でも国民の1000人以上は命を落とすと予測として国が発表するのもなかなかの勇気と決断が必要でしょう。(国民や国会から大きく批判される覚悟が必要)

また起きていないのに、このくらいの国民の命がなくなるだろうとはっきり言ってしまうわけですから。

 

 

ヘルシンキにあるフィンランド大統領官邸

ヘルシンキにあるフィンランド大統領官邸

 

 

情報を明確な数字をもとに提供し、対策を作成するフィンランド政府

上記の3種類の感染シナリオが発表され、国民に情報を明確な数字をもとにフィンランド政府は提供しました。

 

 

その次に、対策も明確な数字をもとに作成され、実行されました。

 

2020年3月18日よりフィンランド国内で緊急事態宣言、10人以上集会禁止、高齢者面会禁止、学校閉鎖(すべてオンラインへ)、公立のオペラ、博物館、スポーツ施設は閉鎖などが実施されました。

 

「国がそういうからその通りにやれ」だけではないです。

 

この行動制限対策の背景には数字が裏付けされているのです。

 

 

感染症のコントロールに一つとても重要な数字があります。

「感染率R」です。

 

文献によると、コロナウィルスの感染率は約2~3くらいだそうです。

つまり、ひとりの感染者は平均約2~3人に感染し、新規感染者を作り出します。

 

この感染率をいかに抑えるかが対策の内容につながります。

 

 

 

 

フィンランド政府健康福祉局(THL)も感染率目標を発表しています。

目標感染率は「1.4」です。(2020年3月18日発表)

 

 

※追記:1週間観察したのち、3月25日にフィンランド政府健康福祉局は感染率予測値の修正を発表。実際の感染率は約1.6~1.8だそうです。同時にいいニュースもあります。入院及び集中治療を要する患者数は予想より少ないそうです。

 

 

つまり、様々な行動制限を実施し、活動自粛を要請し、在宅勤務のできない仕事だけ許すことで感染率を1.4まで抑えたい考えです。

 

 

もちろん、感染率を1.0以下に抑えることができなければ感染は拡大する一方です。

 

しかし、感染の拡大スピードを抑えることができます。

その同時に入院を必要とする患者の急増を抑えることもできます。

言い換えれば、感染は拡大しますが、病院のキャパシティーを超えないようにすることで死者数をできるだけ抑えることができます。

 

イタリアのように食料品、医療関係以外すべての生産活動を停止するような強硬策を取ることで感染率を1.0以下に抑えることも可能だが、経済へのダメージははるかに大きくなります。

国としては常に経済と国民の命を天秤に乗せてみています。

 

 

正解はないが、違いを理解するのは大事

キートスショップのブログではよくフィンランドと日本を並んで比べたりします。

しかし、キートスショップが考える比較は優劣を見出すためではなく、「違いを知り、なぜ違うかを理解する」ためだと考えています。

 

 

生活文化、企業文化、職場文化、教育スタイルなどにおいても日本とフィンランドは様々な側面で異なります。

コロナウィルスに対する政府対応は日本とフィンランドの違いを知るための一つのきっかけに過ぎません。

 

 

日本では基本的に挨拶に握手もハグもしません。

マスクは一般的につけられます。(フィンランドでマスクの使用率は1%以下)

パニックを引き起こさないために日本政府が情報を限定的に発表しているという考えがあるかもしれません。

 

 

背景も違えば一概に比べることができません。

しかし、違いを知り、その理由を探求して理解することができます。

この記事もその一つの手段としてお読み頂ければと思います。

 

 

情報引用:Suomen arviot: Korona vie tulevina viikkoina tuhansia suomalaisia sairaalaan

情報引用:THL:n ennuste: Noin 11 300 ihmistä tarvitsee sairaalahoitoa ja 3 600 tehohoitoa – ylilääkäri: “Suuruusluokat ennallaan”

情報引用:THL: Measures mean coronavirus carrier will infect 1.4, not 2.2, people on average

情報引用:THL adjusts estimate: coronavirus spreading faster than expected, but fewer will require intensive care

 

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ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら