フィンランドのベイビーボックスとは? 5分でわかるフィンランド

公開日:2017年10月6日  更新日: 2019年11月30日 関連分類: 

高福祉国家のフィンランドが赤ちゃんをこれから授かる親や家庭に無料でご提供する「ベイビーボックス」を聞いたことありませんか。

 

フィンランドが赤ちゃんがこれから生まれるもしくは赤ちゃんの養子を持つ親や家庭に提供するベイビーボックスには赤ちゃんが生活する時や赤ちゃんを養育する時に必要最低限のものが揃っています。

 

 

ベイビーボックスの内容物

毎年必要性の変化や新製品の導入などによって内容物が変わりますが、50アイテム以上を含むフィンランドのベイビーボックスには基本的に下記のものが含まれています。

 

  • 紙箱(赤ちゃんのベッドに使えます)
  • 冬季用コート(寝袋としても使用可能)
  • 断熱ブーツ
  • 寝袋兼ブランケット
  • 軽量全身スーツ
  • ウールの下着
  • ウールの帽子
  • フード
  • キャップ
  • 赤ちゃん服9着
  • 赤ちゃんズボン6着
  • タイツ
  • 靴下
  • マットレスとシーツ(下記写真)

 

 

 

  • タオル
  • 温度計
  • 歯ブラシ
  • 歯磨き粉
  • はさみ
  • ローション
  • よだれ掛け
  • ぬいぐるみ
  • 絵本

 

※2018年バージョンは補助金を以前より30ユーロ追加する変更を受け、アイテムの数も64に増えました。追加のアイテムは下記になります。

  • 腕と足元のカバー、クリップ
  • フェルトのブーツ
  • 羊毛のズボン
  • ブランケット
  • スプーン
  • おしゃぶり

 

 

内容物や服装は原則的に環境に優しい素材を使用する製品を採用しています。色合いも男の子も女の子にも似合う中性的なものを使用することが多いです。

 

81秒間の短い紹介ビデオもあり、非常にわかりやすいので是非ご覧ください。

 

 

毎年内容物が変わるかもしれませんので、最新のアイテムはこちらをご確認ください。

 

1つ1つのアイテムの写真と、サイズなどの詳細について詳しくみれます。

 

フィンランドベイビーボックス(Finland Kela Maternity Package)

 

 

なぜフィンランドはベイビーボックスを導入したのか?

フィンランドがベイビーボックスを導入したのは80年前の1937年に遡ります。

 

当時は出生率が低くて(少子化)赤ちゃんや産婦の死亡率が高かったため、フィンランド政府は「出産補助金」と「ベイビーボックス」を同時に導入することを決めました。

 

当初は低所得の家庭のみが対象で、全国約3分の2の新生児や産婦が補助金とベイビーボックスをもらっていました。

 

補助金は450フィンランドマルク(当時の通貨)で、おおよそ当時一般的なサラリーマンの賃金の3割ほどに達します。

 

この制度が実施されてから11年が経つ1949年に低所得の家庭だけではなく、全国の新生児や産婦に拡大され、すべての人々が対象となりました。

 

フィンランドではベイビーボックスの歴史は長いが、世界から見ると実施ている国がほとんどない珍しい社会福利制度です。

 

 

フィンランドベイビーボックスの現在

現在フィンランドで年に約4万人がベイビーボックスをもらい、他に2万人ほどは140ユーロの出産補助金をもらっています。

 

フィンランドの妊娠した親や養子の赤ちゃんを扶養している親は「ベイビーボックス」か、「補助金の140ユーロ」(約18000円)かのどちらかをもらうことを選べます。

 

2018年6月1日以降が出産予定日の方の補助金が170ユーロ(約22000円)に改定されました。(1ユーロ=130円で計算しています)

補助金の改定についてはKelaのホームページを参考にしています。

 

上記でも記載しましたが、補助金の改定によってベイビーボックスの内容も30ユーロの差額からアイテムの数が増えました。

 

双子の場合は2つのベイビーボックス、または1つのベーイビーボックスと補助金が選べます。

 

知り合いのフィンランド人の方は、1人目を産んだ時はベイビーボックスを2人目の時は補助金を選んだそうです。

 

フィンランドのベイビーボックスは社会福利の一環として配布されていますが、市販されていません。

 

そのため、もし日本で「フィンランドのベイビーボックス」と称して販売している業者がいれば、もしかしたらそれは業者さんが自分でそれぞれのアイテムを買い集めて自作でベイビーボックスを作っているのではないかと思われます。

 

ついでにの話ですが、ベイビーボックスに入っている各製品はEUの法律に遵守したプロセスによって導入されています。

 

ベイビーボックスは自己申告制で親が申し込んで入手します。

 

フィンランドの社会福利システム(Kela)に入っていれば誰でも申し込めます。

 

 

最後に

フィンランドでは当たり前のように利用されているベイビーボックスですが、日本でも導入を検討している自治体が増えているようです。

 

もちろん自分の赤ちゃんに使うものを選ぶ自由がなくなりますが、仕事で忙しいパパとママによって、一度の申し込みで全て必要なアイテムが手に入るというのは実にすごく便利で手間も減ります。

 

特にどのようなものが必要か、どこで買えるか、どのレベルの品質のものがいいのかなどを一つ一つ調べる必要がなくなります。

 

時間の節約だけではなく、新人パパママにとっても実にとても経済的かもしれません。

 

140ユーロの補助金はわずか18000円にすぎません。このお金で赤ちゃん用のアイテムを50点も買えるとはとても思えません。

 

2018年改定後の170ユーロでも22000円でも、64ものアイテムは買えるとは思いませんね。

 

国がまとめて大量購入しているおかげで単価コストを最大限抑えることができるかもしれません。

 

日本にもベイビーボックスの導入もしくは拡大を期待したいですね。

 

参考文献と写真出典:

 

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フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

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