国連の世界幸福度ランキングレポートの中で、フィンランドは2018年と2019年の連続2年間ランキング1位で世界最も幸せな国と評価されました。
しかし、実際の社会問題として、フィンランドにもうつ病が存在し、その患者数も少なくありません。
これは一体どういうことでしょうか?
世界で最も幸せな国でうつ病に??
今回はイギリス国営放送BBCの記事とフィンランド国営放送YLEの記事を参考にフィンランド社会のうつ病問題を話していきたいと思います。
そもそも幸福度ランキング1位は「毎日笑って過ごしている」わけではない
「幸福度ランキング1位」という称号は簡単に誤解を起こします。
そもそも国連の幸福度ランキング報告はどのように評価されているのでしょうか?
一言でいうと「不幸が少ないかどうか」というふうに評価されているのです。
そうなのです!
「笑って過ごしているかどうか」ではないです!
参考記事:フィンランドにある世界一の幸福度とは?イギリスの記者から見た感想
フィンランドは治安の良さ、誠実な社会、充実した社会福祉などの側面が評価され、『ゆとりがあり、バランスの取れた柔軟性の高い生活』ということが高く評価されているわけです。
まず国連の幸福度ランキング報告について、この点を是非ご理解頂きたいですね。
フィンランドの青少年たちが直面するうつ病問題
フィンランドの自殺率は1990年代をピークに、現在はだいぶ低下してきました。
しかし、それでもフィンランドの自殺率はEUの平均以上です。
特に15~24歳のフィンランドの青少年たちの死亡の3分の1が自殺なのです。
2018年に発表された「In the Shadow of Happiness」(Nordic Council of Ministers and the Happiness Research Institute in Copenhagen)報告の中でもフィンランドの18~23歳の女性の16%と男性の11%は自分の生活を「もがいている」や「つらい」と述べています。
「日々変化し複雑になっていく世界」が一因だそうです。
例えば、今の世界では安定する仕事がどんどん減っています。
入社して定年まで安定して働ける職を得るのはとても難しくなっています。
このようなことが青少年の悩みや不安につながりやすいそうです。
また、ソーシャルメディアも青少年のメンタルヘルスに関係するそうです。
フェースブックやインスタグラムの普及によって青少年は「比較」の心理に強いられます。
特には自分の人生の最悪な状態で他人の最高な一面を目にすると、すごく大きいなストレスになります。
「すべていいけど。でも。。。」がフィンランドの多くの青少年の心の声です。
「フィンランドで生活していると、『すべては大丈夫だよ!人生を楽しんで色々やっていこう!』というイメージを社会から受けるけど、どうしようもないときもあるの!」
とうつ病に悩まされたフィンランド人のKirsi-Marja MobergとJonne Junturaは自身の経験を述べています。
「社会環境や社会制度にかかわらず、うつ病が突然襲ってくることがあるの」
「その時、私の生活には全く問題なかった。私は学校が好きで趣味も楽しんでいて安定した関係を持つ彼女もいました。うつ病にかかる理由は特になかった。それでもうつ病になった」
と今は27歳の医者となったJonne Junturaは自分の学生時代のことを話しました。
うつは弱い人にだけかかるという考え方が治療を遅らせる
うつ病やうつ症状は早めに治療にかかると対処しやすいですが、治療を遅らせると対処がとても難しくなる病気です。
しかし、フィンランドでは今でもうつ病は弱い人にだけかかるというイメージが根強いです。
そのため、治療を遅らせる人が多いです。
しかも、フィンランド人は一般的に比較的に口数が少ないです。
日々のコミュニケーションが多くない中でどのように自分の心理状態を話すのもとても難しいです。
結果的に隠すことが多くなり、治療が遅れてしまいます。
うつ病の治療サービスが追い付かない
フィンランドで病気の治療は一般的に自治体政府(ヘルシンキ市、エスポー市、ヴァンター市など)に任されています。
しかし、提供できるメンタルヘルスサービスの枠が需要に追い付いていません。
予約を取っても数週間もしくは数か月を待たないといけません。
この状況では緊急対処を要するうつ症状やうつ病にどうにもならないです。
想像してみてください。もう生きる気力のない人に3ヶ月も待てますか?
特にうつ症状に初めて直面した青少年には早めに治療を受けることが非常に重要です。
治療が遅れると、対処がどんどん難しくなります。
それも青少年未来の就学、キャリア、年収に強く影響します。
フィンランド政府がこの問題を今まで以上に対処しないと、今後メンタルヘルス問題によって税収が減少し、失業手当という支出が増えていく結果になるでしょう。
うつ病に対し、フィンランドは国を挙げて対処すべき問題
フィンランド政府にとってとても大きいな課題となっているうつ病の対処がこれから一つの大きいなチャレンジになるでしょう。
フィンランド社会福祉局KELAのデータによると、フィンランドでは現在年間約40万人がうつ病治療薬をもらっています。
これはフィンランド人口の7.3%になるのです。
予防策として青少年に対する早期教育、早期発見が必要で、国としても自治体政府としても十分なメンタルヘルス体制を整えるのも重要でより多くの政府予算を投入しないといけません。
参考:BBC WORKLIFE Being depressed in the ‘world’s happiest country’
参考:YLE More than 400,000 people in Finland take anti-depressants
参考:YLE Study: Severe mental illness in youth has detrimental effect on future career
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ショップコンセプト
1.フィンランド 北欧というと?
フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。
2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい
「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。
「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。
3.運営に「誠実」と「感謝」
「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop
4.キートスショップの名前
「Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。
キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。
キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら)