エスキモー人の言葉には雪関連の言葉が40種類以上もあるとの伝説を聞いてことがありますでしょうか。
雪関連だけで40種類もあるのってなかなか想像つかないものです。
しかし、それはあくまでも都市伝説に過ぎません。
そして、さらに想像がつかないところ、雪国のフィンランドでは、なんとその伝説を超えています。
フィンランド語の中で、雪と氷に関連する言葉がなんと58個もあるそうです。
しかも、似たような言葉がたくさんあるわけではありません!
それだけ、フィンランドでは様々な雪や氷の状態を特定して話してきたわけです。
もちろん、すべての言葉や単語が日常レベルでたくさん使われているわけではないですが、それだけフィンランドでの生活や文化が雪や氷に密接している間接な証拠です。
この記事ではこれらの言葉を少し紹介していきますので、これらの言葉に通じてフィンランドの冬を少しご理解頂ければと思います。
雪や氷が降っている状態の言葉
最初は最も一般的な言葉「雪」です。
雪は「lumi」で、日本語の雪と同じように最も一般的で包括的な意味を持つ言葉です。
そして、吹雪に関しては、なんと3種類もあります!
「pyry」は吹雪、雪が飛んでいることを表しています。
「myräkkä」も吹雪ですが、雪の量が多く、pyryよりも大変な状態です。
「tuisku」も吹雪ですが、風が強いというイメージです。
ヘルシンキでは最近そんなに吹雪が起きませんが、フィンランド内陸部や北部になるとおそらくよく起きるでしょうね。
「rae」は雹です。
雹はフィンランドで珍しくない現象です。
年には数回降りますね。
数ミリサイズ程度の雹が多いので、被害はそんなにない感じです。
降る時に雨より硬い音が出るのでいつも新鮮感を感じます。
「räntä」はみぞれですね。
雪と雨が混ざっている状態を表す言葉
気温がゼロ度上下を生き来たりすると、雪は雨と混ざって降ったり、地面に溜まったりしますね。
毎年の初冬と春になると、地面にいつも氷と水が溜まる状態になります。
滑りやすく、靴が濡れやすくてとても歩きにくい季節で、外出の際にいつも悩まされています。
(もちろん、筆者が大好きな自転車も非常に乗りにくい状態です)
「hyhmä」は半分融けた雪です。雪と水が混ざっている状態で、泥も混ぜったりします。
「loska」は「hyhmä」に近い意味を持つ言葉です。同じ雪と水と泥が混ざっていることを示しています。
「sohjo」は雪と水が混ざっている状態です。
地面にある雪や氷の状態を表す言葉
「iljanne」は「きれいな氷におおわれた地面」のことです。
地面に溜まった雪が半分融けた状態で再び凍結すると、こうなります。
非常に滑りやすく、非常に危険な状態です。
スパイクがないと外は歩けません。高い確率で転倒します!
町の歩道では滑り止めとしてたくさんの砂利を撒いています。
「hanki」は均等に地面に積もった雪を指します。
「huurre」と「härmä」は霜です。
「kinos」は雪花です。複数の雪結晶がくっついた感じ。
「kaljama」は地面に厚く凍結した氷です。
人間や動物が作った雪や氷の形を表す言葉
雪や氷の自然な状態だけではなく、人間や動物が雪や氷に加えた形を指す言葉もあります。
「avanto」は凍結した湖の表面に開けられた穴のことを指しています。
この単語は冬によく使われます。
なぜなら、冬にサウナに入った後に凍った湖に入ることをフィンランド人は自分の独特な文化と思ってよく勧めてくるからです。
例えば、「Avantoに入ったことある?」というような質問は外国人によく聞きます。
「凍結した湖の表面にあけた穴」ということに一つの単語が存在している言語は他にないでしょう!?
「jotos」はトナカイが残した雪道を指します。
「rannio」は似たような意味ですが、雪がより深いという違いだそうです。
「latu」はスキートラックの意味です。
クロスカウントリースキーが盛んなフィンランドでは、雪が積もるとスキートラックがたくさん作られ、みんながスキーを楽しみます。
このように、フィンランド語には雪や氷に関連する特有な言葉がたくさんあります。
ここでは一部だけご紹介しましたが、他にはまだたくさんあります。
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