【現地ニュース】フィンランドの定番挨拶 “moi” の由来がついに明らかに!

公開日:2023年10月28日  関連分類:

 

フィンランド旅行に行くぞ!となった時、まず初めに耳に入ってくるのは、フィンランド語の挨拶「Moi!(モイ!)」ではないでしょうか?

日本人からすると、なんて響きの可愛い挨拶!という感じですが、老若男女、みんな本当に、日常的に使う言葉なんです。

そんなモイ、実は長年研究者たちの間でもその由来が不明瞭でした。

しかし!

2023年10月末、言語学者 Santeri Junttila (サンテリ・ユッティラ)によってついに、その由来がはっきりしました!

「そもそも、フィンランド語ってどんな言語なの?」

というフィンランド語に関する記事は、過去にブログでたくさんご紹介してきましたので、ご興味のある方はぜひともフィンランド語に関する過去ブログ記事たちをご覧ください^^

今回は、以下のもくじに沿ってmoiの由来をご紹介します。

 

 

フィンランド語の挨拶

フィンランド語の挨拶は、実はmoiの他にも使いきれないほどたくさんあります!

例えば:hei、heippa、heissan、helou、moikka、moro、moron、morjens、morjensta、päivää、hyvää päivää、terve、tervehdys、、、

こんなに!!!

確かに日本語でも、こんにちは、どうも〜、やっほー、やぁ!、うっす!などなど、考えれば結構出てきますね。。

これらの由来(なぜこれらが挨拶として使われるようになったのか)を、言語学的に見ていこうということです!

 

その中でもmoiとはどんな挨拶?その由来は、、!

moiは、日本語で言ういわゆる「こんにちは」「どうも」に当たります。1日のうちにいつでも、時間を気にせず使う挨拶です。

実は、冒頭でも述べた通り、moiは14〜15世紀ごろにもうすでにフィンランドで使用されていたにもかかわらず、何年も何百年も言語学的にその由来が明らかにされてこなかったのです。

長い間moiは、ドイツ語もしくはスウェーデン語で「朝」という意味の「morgen/morgon」に由来するのではないかという仮説がたてられていました。

しかし、1日のうち時間を気にせず使用するmoiが、なぜ「朝」に由来するのか。。。という疑問に引っかかっていたのだとか。

 

言語学的に、

中世の頃にバルト海付近で外交時に使用されていた共通言語「低地サクソン語」が、フィンランドでも書物を書く際などに使用されていたということは明らかになっていました。

低地サクソン語はドイツ語とは異なる言語ですが、ドイツやオランダの北部では、現在でも話されている言語の一つです。

しかし、仮説ではドイツ語だけど、、、サクソン語もつかわれてたとなると。。。??という風に、実際、確かに仮説のドイツ語の「朝」と発音も似てるし、国同士の歴史的に見ても、この仮説の先入観から脱却することはなかなか難しいですね。

 

そんなある日、言語学者のサンテリが北ドイツのハンブルグで電車に乗った時のこと。隣に座った現地人の乗客が、機嫌よくオランダ語で「Moin!」と挨拶をしてくれました。

ここで彼はハッとして、オランダ語のそれは美しいを意味する「mooi」から来たもの。それが低地サクソン語を経て、フィンランドに入ってきたのではないかと考えました。

フィンランドに入ってきた際に、なぜか最後の「n」が抜け落ちてしまったけれど、フィンランド人は会う人会う人に対して、「美しいもの、良いもの」という意味を込めてmoiと挨拶を交わしてきたんだと。

その背景がなんとも美しい!!!

 

その他の挨拶の由来

Moiの他に、冒頭でご紹介したフィンランドのあいさつたち。

その中でも、HeiやTerveにも興味深い由来がありました。

そのどちらとも、元々は健康を意味する言葉だったのです。

フィンランド語の「Hei」は元々スウェーデン語の代表的な挨拶「Hey」から由来したものです。そのスェーデン語のHeyは、スウェーデン語のHel=全体、ドイツ語のHeil=無傷、そして英語のHealth=健康、に関連するのではないかと考えられています。

また、よく耳にするTerve(テルヴェ)も同じく、Healthに関連すると考えられています。

というのもTerveは、木を加熱することで出るテルヴァ(Terva)という黒い液体から来ているという説です。テルヴァは今現在もフィンランドのお菓子や香水、ハンドソープの香りなどあらゆるものに使用されています。

木自体の健康を保つ役割を持つテルヴァ、大昔からお薬としても使われてきました。

そのことから、テルヴァ=健康に結びつき、形を変えてあいさつとして使われてきたのだと言います。

テルヴァについて書かれたブログもありますのでよかったら^^

フィンランドで昔から愛されているタール(Terva)。タールって?!フィンランドのお土産、男性へあげるのにマリメッコとかだとちょっと女性っぽいし、なんて困りませんか?そん…...続きを読む

 

最後に

いかがでしたか?

フィンランド語って、隣国とことごとく違うので、そのルーツは確かに気になるところ。

今回は、聴き慣れてすぎてあまり疑問にも思ってこなかったmoiの由来に触れることができました。

あいさつの意味を知ると、普段からどんな思いで挨拶をしてきたのか、その国の文化がわかって面白いです^^

日本語でも調べてみたいですね!

それでは!!

 

大元のニュースはこちら:Yleの公式Website

 

関連記事

フィンランド語で1~12月の名前はどういうでしょうか。それぞれの名前に実に意味があるのです!どういう意味をしているでしょうか。なんと11月が「死の月」だとか
  フィンランド旅行に行くぞ!となった時、まず初めに耳に入ってくるのは、フィンランド語の挨拶「Moi!(モイ!)」ではないでしょうか? 日本人からすると、なんて響きの…...続きを読む
人口わずか550万人でとても小さい国かつ位置的にも遠いフィンランド。そのためフィンランド語を聞いたことのある、馴染みのある方は少ないのではないでしょうか?どんな言語な…...続きを読む
ことわざには文化の知恵が凝縮されています。日本のことわざは日本文化の核心を表しているように、フィンランドのことわざはフィンランド文化の核心につながっています。今回はフ…...続きを読む
フィンランドでは日常会話程度であれば英語でほぼ問題ありませんが、せっかくフィンランドにきているなら、少しフィンランド語でフィンランド人に声をかけてみましょう!挨拶や感…...続きを読む
フィンランド人が選んだ最も美しい言葉(単語)をランキング形式で1~10位までを紹介!フィンランド人のある意外な特徴もわかってしまいます!

お薦めの北欧スポンジワイプ

是非水回り、テーブル拭きなどにご活用頂きたいです。

ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら