フィンランドでサウナはなくてはならないもの。
フィンランド人からサウナをとったら生きていけないと言っても言い過ぎではありません。
そんなフィンランドのサウナの魅力をより深く知るために、
サウナの歴史と伝統・サウナ信念・サウナの禁じ手・サウナの妖精のことなどをご紹介します。
フィンランドサウナの歴史・氷河期後からあった!
写真引用:https://saunologia.fi
最も古いフィンランド式サウナは、氷河期後の今から1万年前にもさかのぼります。
もともとの原点であるフィンランドのサウナは、動物の皮で覆われた地面の穴サウナでした。
現在のフィンランドにはこの様な穴を掘って作られたサウナは存在しませんが、これに一番近いサウナはテントサウナです。
参考:究極のテントサウナの作り方・フィンランドではこう作る!
石器時代には、地面下の穴サウナから地の上にあがりました。
地上にサウナを構築するために必要なのは、地面・3つの壁・1つの木製ドア、またはいくつかの木製フレームのある泥の屋根だけでした。
三角形のサウナのなかにはストーブと丸太で作られた木製のベンチがあり、
世帯家族の最初の建物がこの頃はサウナというわけです。
次の第3世代サウナではやっとみなさんが知るサウナに近づいてきます。
スモークサウナの登場です!
煙によるサウナは石器時代の終わりに始まり、その需要は1930年代まで続きました。
このスモークサウナは6〜8時間火で加熱された石の山を使用し、その後にサウナ室内から煙を放出します。
この焼けた石によって何時間も熱が得られる仕組みです。
現代のフィンランド国内にいるたくさんのサウナ愛好家はこの原点であるスモークサウナを大切にしています。
さて、ここまでにサウナには煙突がありませんでした。
やっとのことで煙突付きの薪を使って温めるサウナストーブ(薪サウナ)が使用されたのは西フィンランドが最初です。ストーブの上にはもちろん石が。
1700〜1800年代に煙突付きサウナはフィンランド全国で急速に普及しました。
樽型の金属コーティングされたストーブのあるサウナは1900年代に登場しています。
第二次世界大戦の直後には、薪を節約しながらサウナを加熱する小さな電気ストーブとガスストーブが登場しました。
この新しい発明により、サウナ室内を30分程度で温めることができるようになります。
第5世代サウナのこの電気サウナストーブは多くの住宅などで使用され、
そして煙突付きの薪を使用するサウナストーブはフィンランドのコテージなどでまだ多く使用されています。
*現在フィンランドにあるサウナを説明しています。
*3種のサウナそれぞれ☆はいくつ?実体験!
参考:フィンランドの電気サウナ・薪サウナ・スモークサウナを比較評価
フィンランドでは、サウナは常に宗教的な儀式、身体の浄化、病気の癒し、リラックス、社交生活など、様々な目的で使用されてきました。
子供達はサウナで生まれ、女性は結婚前にそこで浄化の儀式を行い、死者との別れはサウナで行われてきたのです。
フィンランドサウナの信念
写真引用:https://www.postimuseo.fi/
フィンランドでは現代、サウナはどこにでもあるのが当たり前。
しかし、昔はサウナはどこにあるか、どんな薪があるのかと言われていました。
氷河期後からサウナの歴史が始まり、そこから幾度か人の手で進化を遂げてきたサウナ。
新しいサウナを作り出すためには、「もっとより便利にサウナを」「もっとサウナを身近に」ということも大切でしたが、サウナのこれまでの古い伝統を知り、従う必要がありました。
サウナに関連する多くの呪文、そして儀式もあります。
呪文の強力な言葉は癒されると信じられており、もともとは賢者とヒーラーによってのみ使用されていました。
サウナの呪文は、しばしばカレワラの物語に結びついています。
(カレワラとは、フィンランドの民族叙事詩。フィンランドの学校でも習うものでもあります。)
年次や季節に関連するさまざまな儀式には、例えば春冬の清掃サウナや収穫に感謝するサウナなどがあります。
当時フィンランドでは、サウナもクリスマスと夏至の行事の欠かせない一貫に属しています。
そして、フィンランドのサウナは神聖なる場所。
前項目でも書きましたが、
フィンランド人はその昔、サウナで生まれサウナで死を迎えた場所でもあります。
そんな人の生死に関わる大切な場所には妖精(トントゥ)がいると信じられてきました。
フィンランドのサウナには妖精サウナトントゥがいる
フィンランドの人々、各サウナには独自のサウナ妖精・サウナトントゥがいると信じていました。
海外ではこのサウナトントゥ(Saunatonttu)のことをエルフと言ったりもします。
サウナの妖精には、そのルーツによって、そしてサウナによってそれぞれ属しており、家族はいません。
調べるところによると、このサウナの妖精は黒い色をしているとのこと。
これは、歴史をみると分かりますが、
フィンランドにはその昔、スモークサウナしかなかったためです。
サウナの妖精・サウナトントゥは、
サウナを守り保護し、サウナが正常に機能する場合、その所有者に成功と幸運をもたらします。
サウナでの罵り、騒音、おならをすること、酔っぱらうことは禁じ手でした。
そして、サウナを温めたにもかかわらず入浴し始める時間が遅いとサウナトントゥを困らせることになります。
では、サウナトントゥにどうすれば喜んでもらえるのか?
サウナに入る際はあいさつをし、キャンドルを灯したり、コップ1杯の水をサウナトントゥに持ってきてサウナ入浴をすることです。
*フィンランドの色々な種類の妖精トントゥについてはここで知れます。
参考:フィンランド・クリスマスの妖精ヨウルトンットゥ – Joulutonttu –
フィンランドのサウナでは白樺の束でマッサージするけどあれ何?
ヴィヒタ(Vihta)と言われる、白樺の枝を束ねたもの。
フィンランドのサウナではよく目にするサウナグッズのうちの一つです。
これを使ってサウナ中に身体を叩き、血行をよくし、更には白樺の香りで癒されるというもの。
実はこのヴィヒタをサウナで使用する行為、フィンランドでは伝統的な治療法であり、民会医療法のうちの一つです。
ヴィヒタとスチームを組み合わせることで、サウナの体験が治療によってより力強くエネルギー溢れるサウナ体験になると信じられ、今でもフィンランド人に親しまれている方法ですが、
昔はこのヴィヒタを叩くスペシャリストが存在しました。
フィンランドでは現在、これを専門家とする人は5人しかいません。
*ヴィヒタとは?もっと詳しく知りたい方に
参考:フィンランドのサウナで使う天然マッサージ器白樺のヴィヒタ(Vihta)とは?
フィンランドのサウナのこと、もっともっと知るとサウナが楽しくなります。
フィンランドのサウナに入られる時は、サウナトントゥに挨拶してから入られると良いことがあるかも知れませんね。
情報・引用:Central Finland Sauna
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ショップコンセプト
1.フィンランド 北欧というと?
フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。
2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい
「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。
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「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop
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