消費者と提供者:対等関係のフィンランドと上下関係の日本

公開日:2021年7月19日  関連分類:

 

国が違えば文化が異なることはよくあることです。

 

この点を筆者も日本とフィンランドの間に強く感じます。

 

その一つの代表例は「消費者の考え方」です。

 

 

日本の消費者文化の中で、「お客様が一番重要」という考え方が浸透していると感じています。

なぜならお客様は商品を買ってくださる方で、従業員や会社にとっては生きるすべをくれる方ですので。

 

そのため、お客様のためならば、自分のことや自分の家族のことよりも優先すべきと考えるわけです。

 

 

しかし、フィンランドでは「お客様優先」よりは「お客様は大事」という考え方が主流です。

お客様は大事ですが、自分のことも大事で、自分の家族のことも大事です。

 

 

必ずしもお客様のことを最優先するとは限りません。

 

 

そして、何より、フィンランド人の消費者もこのような理解と認識があります。

 

販売員も自分と同じ一人の人間。

カスタマーサービスの担当者も自分と同じ一人の人間。

 

みんな仕事を頑張ってやって生活を楽しく過ごしていきたいだけですから。

 

 

 

 

フィンランド消費の実体験と感想

筆者はフィンランドに住んでおり、一般生活の中ではもちろん買い物して消費します。

また、キートスショップを運営する中で、フィンランドで商品の仕入れも行っています。

 

 

一般的にフィンランドの販売者はあまり「最適」を求めていません。

ある程度「合理的」であればOKとしています。

 

そのため、日本のサービスレベルに慣れた人にとって、フィンランドのサービスはある意味最悪のレベルかもしれません。

 

 

例えば、フィンランドのネットショップ。

 

今日注文したら、大体1週間内に届くのは一般的です。

 

日本のアマゾンやヤマト、佐川郵便など小売りや配送サービスのように注文したら翌日配達ができ、遅くても2日内に配達することは日本で一般的ですが、フィンランドではありえないです。

 

 

フィンランドの配送サービスのレベルも日本ほどありません。

 

フィンランドは日本のように多くの島に分断され、南北の距離が非常に遠いわけではないにもかかわらず、送ってから到着まで最短でも3日かかります。一般的に4日間や5日間かかります。

 

※翌日配達にするには「速達」サービスを利用し、追加料金を払わないといけません。

 

 

そのため、注文したら、とりあえずゆっくり待つのがフィンランド人の慣習です。

 

 

 

 

日本で販売する実経験

筆者はキートスショップを運営することで、実際に日本で販売業を営んでおります。

 

仕入れ、販売、カスタマーサービスをすべて自分で行っております。

 

 

年に数回程度しかないですが、とにかく連絡が欲しいお客様がいらっしゃいます。

 

金曜日の夜に注文したにもかかわらず、日曜日にもうメールが来ています。

「連絡もなくどういうことですか?発送はどうなってるんですか?」と。

 

 

販売者も店員も人間です。

土日は休ませましょう。

 

1週間くらい経って商品が届かず、連絡もない場合に連絡しましょう。

せめて、連絡は次の営業日の月曜日にしましょう。

 

 

土日に自動返信が欲しいならもちろんそういう設定はできます。

でも自動返信は要らないでしょう?

ほしいのは親切なカスタマーサービスの担当からの返信でしょう?

 

 

もちろん、お金を支払う方には選択の権利を持っています。

より良いサービスを提供してくれる業者さんを選ぶのが一般的です。

 

 

しかし、いくら最高なサービスを提供する業者であっても、100%ロボット対応ではなければ、人間が対応しているわけです。

その人間も自分と同じように働き、自分のように日々を楽しみたいです。

 

 

このように日本とフィンランドの消費者の考え方にこのような差があります。

 

ご理解頂ければ幸いです。

 

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是非水回り、テーブル拭きなどにご活用頂きたいです。

ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら