なんで日本はこんなにも残業が長いのか!?フィンランドと日本の残業事情:「品質」と「お客様の要求」

公開日:2017年1月14日  更新日: 2019年11月29日 関連分類:

 

 

既に多くの記事は日本とフィンランドの残業事情について報告もしくは比較されています。

 

しかし、その多くは「フィンランド人は自分や家族の時間が大事」、「フィンランドは仕事時間中にきっちり仕事をやる」、「フィンランドでの残業代が高いので会社から残業させられない」などが理由として見られます。

 

しかし、本当にそうなのか?

実は奥の奥にもっと根本的な理由や違いはないのか?

 

この記事にある考え方はあくまでも筆者の一個人の見解ですので、何卒ご了承ください。

 

 

 

品質に対して要求するレベルが違います

まずは「要求品質レベル」と「仕事の量」との関係について、いくつかの例を挙げてみます。

 

道路修繕の際に、日本には多くの場合、交通を指揮する担当を設けます。車の指揮はもちろん、歩行者の誘導も行います。

 

フィンランドにはこういう担当が必ずいるとは限りません。車の運転者や歩行者は各自譲り合って気を付けて通行するのは一般的です。(もちろん、業務時間、コストと妥協することで安全面のリスクは少し高まります)

 

もし同じ10人を雇う工事プロジェクトで10日の期間で完成を目指すなら、10人とも工事に集中できるほうが1人交通指揮で9人のみ工事を行うほうより一人当たりの毎日仕事量が少ないでしょう。

 

 

 

 

もう一つの例は郵便です。

日本では荷物の大きさ、重さと関係なく、都市部、山間部にもかかわらず必ず家に届けます。

不在なら二回目も三回目も再配達します。

そしてネットで申し込みか、電話で連絡するか、投函するかで指定した日と時間に持って来てくれます。

フィンランドではポストに入るサイズ「のみ」の宛先まで投函します。

 

大きいな荷物は伝票だけ投函し、受取人自分が郵便局に行って受け取るしかありません。

当然荷物の通知伝票の投函は一回のみです。何回も伺うことはありません。

もちろん、大きいな荷物は自分で取りに行くのが不便で、配達してもらいたいならそれもできますが、追加料金がかかります。

となるとどう違うかを考えると、単純に郵便局の仕事は減ります。

 

 

 

 

 

 

 

当然利用者の不便は増えますが、その分必要なサービスのみで必要な品質レベルで利用し、全ての客様に同じ最高品質なサービスを提供することをお目指さないし、求めることもありません。

 

前例に近い状況で、同じ人数で同じ数の郵便物を配達するなら、フィンランドの郵便局職員はより早く家に帰れるでしょう。

 

 

 

 

お客様に対する姿勢が違う

文化の側面から考えるとどちらもあまり違和感を感じません。

日本では「和」の文化が大事で、「思いやり」を非常に重視していると思います。

その面の文化によって「お客様を思いやる」ことが非常に重要で、「できることならなんでもやる」ということになるのも良くあるでしょう。

 

もちろん、激しい競争によってよりよりサービスを提供せざるを得ない状況もあるでしょう。

そのために、どんどんサービスの品質が高まりますが、価格(単価)は上がらないということも考えられます。

 

 

しかし、フィンランドの文化では「お客様第一」より「合理性」を重視します。

 

「お客様が満足できる最低限のサービス」という言い方がフィンランドの合理性に近いかもしれません。

お客様はお金を払っているにしても「最高な品質」を求めるのではなく、「必要なサービス」を求めます。

 

サービスや製品を提供する側としても、「お客様に必要とされるサービスや製品を価格相応で提供する」ことが基本で、「お客様が言えば何でもやる」という姿勢は取りません。

車運転手や歩行者が各自譲り合うのはめんどくさいかもしれませんが、「満足する最低限のサービス(サービスとして問題が少ない)」として受け入れられています。

郵便が大きければ自分が取りに行かなければいけないし、再配達は来ないというのもフィンランド人にとって「満足する最低限のサービス」かもしれません。

 

あくまでも一個人の見解にすぎませんが、このように「品質」に対し、「お客様が最高に満足することを求める」日本「合理的にお客様が満足する最低限のサービスを提供する」フィンランドは一つ根本的に違うかもしれませんね。

 

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