今日皆様にご紹介したいのはフィンランド・ヘルシンキにある非常に特別なバーです。
ヘルシンキ大聖堂から徒歩2分のところにあり、市中心のど真ん中でありながら、看板も名前もどこにも掲げていません!!
「何んだそれ!?」と思う方もいるかもしれませんが、そのわけを見ていきましょう。
※すぐ近くにあるヘルシンキ大聖堂でフィンランド人友人と待ち合わせ。ちなみにPC画面で表示する写真に映ったのは偶々通りかかった人で、友人ではありません(笑)(スマホ画面で表示した写真には写っていません)
見つからないバー
フィンランド人友人の紹介で伺ったのですが、最初はウェブサイトに書かれた道路に沿って探し、どこにも看板がありませんでした。
友人の話によると、このバーは「隠れているバー」なので、何も書かれていないドアが入り口の可能性が高いそうです。
幸いその道路はわずか100メートルくらいで短く、それらしい「怪しい」ドアを見つけ、開けてみるとそれらしい感じでした。
※写真左側にあるドアが入り口です。たまたま人が入ったので開けられていますが、通常は閉まっている状態です。
※店内は写真撮影禁止のため、残念ながら店内の写真はありません。
神秘感満載の店内
バーに入ってまず感じたのは「神秘感」です。
周囲は若干暗くて静かで穏やかな空間です。
16時に行ったという早い時間帯も関係するかもしれませんが、店内のテーブルはわずか6つで、決して大きくないということからも穏やかな雰囲気を作り出している一因でしょう。
暗い店内の多くの照明はキャンドルを使っています。一つのテーブルにキャンドルが三つとか。
電球による照明は部屋の隅を照らす間接照明くらいです。
19世紀後期や20世紀前期の時代に来たと感じさせられた古典的な縁に入っている鏡が壁にかけられてあり、その時代にあった器具や電話なども飾られています。
メニューを開くと、20世紀初期ヘルシンキにいた探偵の日記がそのままメニューになっており、横にその日記に書かれたシーンにちなんだカクテルが描かれています。
まさに当時発生した様々なシーンの雰囲気に合わせて飲んでほしいということでしょうね。
カクテルの名前が「Flower Mare(花の悪夢)」や「Black Market(闇市場)」とか!
英文ではありますが、20世紀初期の探偵の日記を読んでみるのも面白いでしょう。
※お店のウェブサイトにも一部掲載されています(カクテルは変わっていますが)。
トイレに潜入して少し写真をこっそり撮らせてもらいました。雰囲気が少し伝われれば嬉しいです。
もう一つ面白いのはエントランスです。
通常のバーは入り口のドアを開ければテーブルやカウンターがすぐに目に入り、次にどこに行けばいいかわかりやすいです。
しかし、Trillby & Chadwick探偵事務所というバーでは入り口のドアを開けたら中に二つ目のドアがあります。そのドアの横に19世紀末期の電話が設置されています。
中に入るにはその電話で店員さんに話さないとドアを開けてくれません。
そして、一回ドアを開けたらひと組のお客様しか入れません。2組目以降のお客様はエントランスで待ちます。
このような「独特な」テーマ設定をしていることには物語があります。
Trillby & Chadwick探偵事務所のウェブサイトにも書かれていますが、Trillby & Chadwick探偵事務所は本来1989年にHildebrand TrillbyとAshcroft Chadwickがロンドンに設立した本物の探偵事務所です。
その後、探偵事務所がロンドン警察でも解決できなかった事件をいくつも解決し、その名が知られるようになり、アイルランド、ヨーロッパ諸国や北米にも事務所が設立されるようになりました。
ヘルシンキ事務所は1924年に設立され、その当時の主要任務はフィンランド政府が実施している禁酒令の実施強化でした。
特に禁酒令によって活発していた密輸活動や闇市場の売買などに関する調査や摘発などでした。
禁酒令が1932年に廃止されたことに伴い、Trillby & Chadwick探偵事務所のヘルシンキオフィスも業務停止となり1941年にオフィスビルが解体されるまで何もおかしいことが気づかれることがありませんでした。
そのビルの解体作業によって発見したのは探偵の日記を含めたいくつかの書類でした。
その書類によってようやく日に晒されるようになったことは「実はTrillby & Chadwick探偵事務所ヘルシンキオフィスはフィンランドで禁酒令実施していた時に最も金を稼いていた違法バー」でした。
当時の有力商人、政治家や外交官の力によってTrillby & Chadwick探偵事務所ヘルシンキオフィスは表はお酒の密輸や闇売買を調査や摘発する正式機関とされ、裏ではオフィス内でお酒の売買をしていたのです。
その当時まさに違法なことをやっていたので、「バー自体を隠さないといけない」のです。
このことがまさに現在のTrillby & Chadwick探偵事務所バーのテーマとなり、入り口には看板がなく、エントランスには2重扉、客様はひと組ずつ入り、出るときには裏口から出るなどといった独特な特徴があります。
※バーの裏口から見てもなんだかわかりません。
店内写真撮影禁止なので多くの写真でお見せすることができないのは極めて残念ですが、是非想像してみてほしいです。
もしヘルシンキに来られる方には是非一度訪ねてみてください。ヘルシンキ大聖堂からすぐですので。
店舗詳細
- 営業時間:月~木16:00~1:00、金~土16:00~2:00、日曜定休
- 予約:+358 40 1803199、julia@sonofapunch.com
- 住所:Katariinankatu, 00170 Helsinki
- 価格:メニューに値段は書かれてありませんが、カクテル一杯14ユーロの高めの値段でした。
- ウェブサイト
- 地図
関連記事
お薦め3D木製蝶ネクタイ
ちょっとしたオシャレをしたい時に是非参考にご覧ください。
ショップコンセプト
1.フィンランド 北欧というと?
フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。
2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい
「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。
「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。
3.運営に「誠実」と「感謝」
「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop
4.キートスショップの名前
「Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。
キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。
キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら)