北欧フィンランドの赤い家は可愛いだけじゃない! -赤の秘密-

公開日:2019年11月24日  更新日: 2019年11月30日 関連分類: 

 

フィンランドの観光名所の一つでもあるポルヴォー(Porvoo)

ここには一番有名なポルヴォー川の岸に並ぶ倉庫群の景色が。

目を引くのは赤く塗られた倉庫です。

 

ヘルシンキ市内でも

一軒屋が立ち並ぶところには絶対にいくつかある赤い家

 

赤いサマーコテージやサウナもよく見かけます。

 

そう、フィンランドには赤い外壁のお家や建物がたくさんあります。

 

どうしてこんなに赤ばっかり。。。

 

疑問ですよね?

 

今回はこの疑問にお応えしましょう。

 

 

 

 

いつ頃から赤くするようになったの?

実は、外壁を赤く塗るようになったのは

1500年代から始まりました。

 

最初は一般的な住宅の外壁に使われたのではなく、

天井やレンガの表面処理として赤い塗装が使われました。

そして木材で作られているものへは

表面ができるだけレンガの色の様に見えるために

赤く塗られたと言います。

 

建築物への赤い塗装は初め、

教会、市庁舎、役所、

そして最も裕福な商店街の建物から

赤い色が使われ始めました。

 

ちなみに、

ポルヴォーの赤い倉庫群や住宅が赤いのは

1775年の夏、

スウェーデンから王様グスタフ三世がポルヴォーへ訪問した際、

街を綺麗に見せるためだけでなく、

王様への誠意を示すためとも言われています。

 

 

 

 

赤い色はいったい何?

この赤い塗料ですが、

フィンランド語ではプナムルタ(Punamulta)と言います。

 

日本語だと「弁柄(べんがら)色」または

「代赭色(たいしゃ)色」に近いと思ってください。

 

この赤い色は

赤土の色素からできています。

赤土は鉄が含まれている粘土質の土で

 

鉛 1%

 

銅 0.5%

 

クオーツ10%

(石英とも言いますが濁りがない綺麗なものは水晶です。)

 

そして、その他は鉄です。

 

この塗料を作る工程で熱を加えるのですが、

熱の温度が高いほど、赤い色は濃くなるので

赤い色にも鮮やかな赤だったり暗い赤だったり、

それは赤土に含まれる鉄のせいです。

 

一番多い赤土には95%も酸化鉄が含まれていることもあるんですって!

 

 

 

 

見た目だけでなくちゃんとメリットもあった!

赤い色のお家、すごく可愛いですよね。

でも、可愛いだけの見掛け倒しではありません。

ちゃんと建物の外壁に塗るメリットもあったんです。

 

時々、理由として

「雨に強いから」と言われることが多いのですが、

んーーーーちょっと違います。

 

もうちょっと詳しくご説明しましょう。

 

 

塗装自体は木材の防水にはなりません。

雨が降った場合においても木材にちゃんと浸透します。

 

「じゃダメじゃないか…」

 

いえ、その後の働きが良いのです。

 

雨が降った後、湿気た木材の

乾きが早い!

コレです。

 

そして、湿気をため込まない!

塗装することで防湿性がパワーアップします。

 

しかも、補修するのが他の塗料に比べると

簡単で済むというのも大きなメリットです。

 

なぜなら、普通の塗装では、下地を色々塗ってからでないと

本塗りはできませんが、

コレはほとんど下地ナシで本塗りできます。

 

新しい木材、古い木材関係なく使用できますので

塗装できる木材の幅も広がります。

(ただし、他の塗料で塗られた壁は全て除去してからでないと上塗りの塗装はできません)

 

更に!!

 

値段が他の塗料と比べてとても安い!!

 

「そこの奥さん!お値打ちですよ!今すぐ電話!今ならもう一塗り!!」

テレビのショッピング番組の様になってしまうほどです。笑

 

でも、本当リピーター間違いなしの条件ですよね。

 

 

知ればもっと面白い

「フィンランド」と言われて頭の中でイメージする映像はどんなでしょう?

サウナだったり白樺のある風景だったり、、その中で建物が出てくると、大聖堂の教会か可愛らしい赤い家だったりしませんか?

フィンランドへご旅行される時にも、赤い家の写真を撮ったりすることがあるかも知れません。

何気なく目にしているだけじゃもったいない!

今回は赤い色の謎を解いてみました!

 

 

参考・引用:Tikkurila -Rakennusten julkisivujen värityksen historiasta

参考・引用:Porvoo seurakunta -KUNINGAS KUSTAA III KÄVI KYLÄSSÄ PORVOOSSA

 

 

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