日本の「マイナンバー制度」は最近導入されましたが、実にフィンランドでは60年前から導入、現在は既に普及し、日常の中で使用されています。
日本では制度として生活に浸透するにはまだ時間がかかりそうですね。
フィンランドでは具体的にどのように利用されているか、セキュリティの面はどうだろうかなどについて、筆者の実経験を交えてご紹介していきます。
フィンランドのマイナンバー制度
フィンランドのマイナンバー制度は実に1960年代に遡ります。
フィンランドのマイナンバーは「社会保障番号」(Social Security Number)若しくは「個人識別番号」(Personal Identity Number)と呼ばれています。
生年月日から6桁の数字と3桁の数字と一つのアルファベットによって10個の英数字で構成されています。
※人によっては6桁の数字と4桁の数字で構成されている場合もあるようです
「010270-204B」みたいな感じです。
社会保障番号の主な使用目的は「行政面」です。
つまり、社会福利、医療、税金などを含めで全ての行政機関はこの社会保障番号に基いて一個人の関連情報にアクセスすることができます。
社会福利におけるフィンランドのマイナンバー
フィンランドの社会福利局(Kela)からもらう可能性のある生活保護補助金、低収入家賃補助金、大学生の勉学補助金、起業家の起業補助金などは全て個人のマイナンバーに紐付けられて補助金をもらう資格の申請から補助金の請求までマイナンバーアカウントにアクセスして行うことができます。
筆者はフィンランドで起業補助金をもらったことがありますが、当時も自分のマイナンバーのアカウントでフィンランド社会福利局のシステムにログインし、補助金を請求していました。
もちろん、紙ベースの申請や請求もできますが、マイナンバーの記入は必須です。
医療におけるマイナンバー
筆者はフィンランドで数回医療を受けた経験があります。
通常の内科で見てもらう時にマイナンバーに紐づけて処方箋が出されます。
そして薬局に行けば、薬局も筆者のマイナンバーに基いてオンラインで処方箋の内容を確認し、薬剤を出します。
ただし、診察内容やカルテに関しては機密性が高い理由か、マイナンバーに紐づけされていないようです。あくまでも各病院で保管されています。
そして、当然医療の面で受けた補助(国民健康保険)もマイナンバーによってフィンランド社会福利局(Kela)から直接補助金が出され、診察費や薬剤費に当てられます。
税金におけるマイナンバー
収入や税金の計算も全てマイナンバーに紐づけされています。
税務署はマイナンバーに通じてデータを確認すれば、個人の収入や税務状況を把握できます。
フィンランドマイナンバーの取得
フィンランド国民は生まれた時に病院から直接「登録局(Maistraatti)」に情報が送られ、マイナンバーが自動的に付与されます。
外国人がフィンランドのマイナンバーを取得するには最低3ヶ月以上の滞在許可(ビザ)が必要で、ローカルの登録局に行って登録申請を行った上でマイナンバーを取得します。
※外国人がフィンランドで1年以上滞在する予定であればマイナンバーの登録が義務付けされています。
フィンランドのマイナンバーと紐づけされたサービスの利用
行政、医療、補助金などマイナンバーと紐づけされたサービスがフィンランドにたくさんあります。
サービスにアクセスするには「銀行のインターネットバンキングアカウント」や「個人契約携帯電話番号のアカウント」を用いてログインします。
つまり、この二つのアカウントのどれかを入手できるかどうかによって様々なサービスにアクセスできるかのカギになります。
フィンランド在住の方は早めに取得することをお薦めしますね。
フィンランドマイナンバーの利便性
行政、医療に関する多くのサービスがオンラインでできることが一番の利便性です。
筆者もこのマイナンバーを用いて「株式会社の設立」を全てオンラインでできました。
会社定款や株主構成などの書類はPDFでアップロードし、個人のマイナンバーでログインすれば他の本人確認手続きが不要になり、オンライン署名(ログインした上で「承認」をクリックするだけ)ができ、そのままオンライン送信し、数日で登録が完了します。
印鑑も本人確認(免許証、住民票などの提出という手間がありません)も要りません。
もちろん、各銀行のインターネットバンキングサービスや携帯番号アカウントのセキュリティは大丈夫かというリスクマネジメントはフィンランド政府が注意すべきなところであり、一つ存在しているリスクでもあります。
最後に
日本にも最近導入されたマイナンバー制度のフィンランド版はいかがでしょうか。
すごく便利ですが、セキュリティリスクも決して低くないと感じます。
※雑談ですが、フィンランドの病院は救急以外ほとんど予約制です。予約する際にマイナンバーが必要で、予約したのにキャンセルもせずに行ってないと後日その無断キャンセル費用の請求書は自宅に届きます。もちろん、すべての債務もマイナンバーで確認されることができるでしょう。もし債務を残していたら、空港でパスポートチェックを通過できないかもしれませんね。(実際はわかりませんが)
関連記事
お薦めの北欧キッチンタオル
是非使う目的、場所に合わせて自分に合う一枚をお選びください。
記事が見つかりません
記事が見つかりません
記事が見つかりません
ショップコンセプト
1.フィンランド 北欧というと?
フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。
2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい
「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。
「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。
3.運営に「誠実」と「感謝」
「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop
4.キートスショップの名前
「Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。
キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。
キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら)