トム・オブ・フィンランドは世界で有名な同性愛を表現したイラストアートです。
その中でも特にゲイを扱ったもの。
現在では映画化されたり、
商品化され、フィンランドでは切手にもなりました。
しかし、ここにたどり着くまではとても長い沈黙期間があったのも事実。
トム・オブ・フィンランドとは元々偽名です。
実は「トム・オブ・フィンランド」というのはアート名でもあり、作者の別名でもあります。
この同性愛のイラストを描いた本人はトウコ・ヴァリオ・ラークソネン(Touko Valio Laaksonen)という人物。
もちろん、彼も同性愛者です。
彼は今からちょうど100年前の1920年に生まれました。
まさか、その少年がフィンランドの最も有名なスターの1人になり、
世界中のゲイの文化に大きな影響を与えるアーティストになるとは、当時誰も予想していなかったでしょう。
当時、彼が描いたイラストは全て隠して保存しなければならなかったので、
彼の家族でさえも、その秘密を知ることはなかったのです。
彼が生きた時代、
世間の同性愛に対する厳しさにより、家族含め世間の誰にも知られてはならなかったのです。
フィンランドで自分が同性愛とバレたらどうなってた?
トム・オブ・フィンランドであるトウコ・ラークソネンが51歳になる時まで、
つまり1971年まで、フィンランドで同性愛というと深刻な犯罪でした。
それも、罰金だけでは済まされることではなく、
保護観察、または無条件の懲役刑を宣告されるのが当たり前の時代。
そして、1980年代に入ってもなお、同性愛とはイコール、精神疾患。
病気の分類と警報は最終的に廃止されましたが、それでもなお世間の目はかなりの厳しさでした。
同性愛を隠していても職場でバレそうになったこともある
こんなに厳しい時代を生き抜いた彼は、精神的に相当大変だったことでしょう。
自分が同性愛者だということを隠しながら、
昼間は広告代理店でイラストレーター兼デザイナーとして勤めていました。
しかし彼は四六時中、偽りの自分を演じていたわけではありません。
日々の仕事を終えたのち、夕方から夜までペンを紙の上で自分の思いのまま滑らせていました。
それが今のトム・オブ・フィンランドの作品です。
実は、この夜な夜な描いていたのが影響してバレそうになったエピソードもあります。
ある日、働く職場で、ある広告を作る仕事が回ってきました。
「広告には家族のイラストを載せてください」と。
しかし、これが顧客には受け入れられず、残念な結果に。
その理由は、
広告に描かれた家族の父親が、あまりにもセクシーに描かれていたからです。
もうフィンランドはだめだ!アメリカならいける!!
実は最初に彼の同性愛のイラスト作品を受け入れたのはアメリカです。
彼はどうにか自分の描いたイラストをどこかで評価してほしいと思い考えていました。
「フィンランドではだめだ。海外でなければ。。。」
そして彼は当時アメリカではゲイ雑誌が出版されていることを知ります。
それがPhysique Pictorialという雑誌名。
彼はここに自分が書き溜めたイラストを送ったところ、
これが受け入れられ、数年間ここでゲイのエロティック画像を描き続けました。
この時に作者名として彼が使ったのが
「Tom of Finland」です。
どうして本名を使わなかったというのは、
アメリカ人にとっては読みにくかったフィンランド人の本名。
簡単に覚えてもらえるように、英語にした・・・という理由もありますが、
同性愛者で厳しい時代に誰が描いたのか特定されないように偽名を使ったという理由もそのうちの一つです。
現在では世界で知られるトム・オブ・フィンランド
最初に彼の作品を受け入れ、世に出したきっかけを作ったのはアメリカです。
ですので、実はアメリカにもトム・オブ・フィンランドの商品が色々とあります。
衣類だったり、香水だったり種類も豊富。
フィンランドの国で大々的に有名になったのは
残念ながら彼が亡くなってから。
(死没:1991年 71歳)
1997年にはフィンランド最大の新聞社であるヘルシンキ新聞(Helsingn Sanomat)がサンタモニカで評価を得たと記事に載せ、
2006年には、ヘルシンキ市美術館(Helsingin kaupungin Taidemuseo)で大規模なトム・オブ・フィンランド展を開催が決定しました。
2010年代に入ると、トム・オブ・フィンランドの加速は止まることなく
2014年はフィンランドで一番世間に知れ渡った年でもあります。
その年、ヘルシンキ現代美術館キアズマ(Nykytaiteen museo Kiasma)の一部にて18禁ではありましたがトム・オブ・フィンランド展が開かれ、
フィンレイソン(Finlayson)が様々なコレクションを発表。
更にフィンランドの郵便局では切手が発売され、
それが178カ国に発注されるほど、フィンランドでは歴史的で最も人気のある切手に。
トム・オブ・フィンランドの人気が爆発したきっかけはとりわけ
大勢が参加するイベント、ヘルシンキプライドがきっかけとなっていることも確かです。
2014年は2万人以上の人たちがこのプライドのパレードに参加しました。
同時に、議会では市民主導で同性愛婚姻法案が認められた年でもあります。
今回はトム・オブ・フィンランドのことについて簡単に触れてみましたが興味を持たれましたでしょうか?
イラスト画だけ見ると人によってはちょっとハードすぎると思われるかもしれませんが、
グッズ商品は結構お洒落なんですよ。
*商品情報はこちらにて*
トートバッグ:トム・オブ・フィンランド 2019 / FINLAYSON
エプロン:トム・オブ・フィンランド 2019 / FINLAYSON
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