タリンの観光スポットをネットやガイドブックで調べると、必ず「聖カタリナ通り」(St. Catherine’s Passage)に出会うでしょう。
「聖カタリナ通り」はタリン旧市街にあり、旧市庁舎広場からわずか90メートルほど遠くない場所にあります。
現地に訪ね、路地のような道に入るとすかさずに800年の歴史感が伝わってきます。
狭い路地で建物、壁、モノ、天井などすべてが近く感じることが原因かもしれませんが、その建物や建築デザインが一体化されず全てが混ざっているような状態がそう感じさせてくれたのかもしれません。
それもそうでしょう。
なぜなら聖カタリナ通りはタリン旧市街の中でもとても歴史的に古いエリアで、大昔からの建物が残されたり、何度も改修されたりしたエリアです。
一般庶民が生活するエリアであるからこそ、長い歴史と市民の生活がそのままこのエリア「聖カタリナ通り」に凝縮されたとも言えるでしょう。
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「聖カタリナ通り」の概要
聖カタリナ通りは旧市庁舎広場から東北方向へ90メートルくらいの場所にあり、本来の「僧侶の道」と知られていました。
聖カタリナ通りはVene通りとMüürivahe通りを繋ぐ約120メートルの細い路地です。
大昔の約700年前にこの路地に聖カタリナ教会があったことから、この道を聖カタリナと名付けられたのです。
聖カタリナ通りの南側に並ぶ建築物は住居で建てられたのが15~17世紀です(築約400~600年!)
また、聖カタリナ通りの南側、教会の壁にある墓碑は14~15世紀から残され、今は聖カタリナ通りの一部になっています。
聖カタリナ通りの特徴は教会の壁を横から支える何本もある構造物です。
聖カタリナ通りとその過去
今の聖カタリナ通りに修道院が最初に建てられたのは1246年でした。
聖カタリナ通りエリアを歴史記録から考察しても、今の建物が最初からそこにあったのか、建て替えがあって場所が変わったのかは誰も知りません。
はっきりわかったのは1246年に人々が既にこのエリアに定住し、生活しているとのことです。
Vene通りとMüürivahe通りの間の様々な建築物は1366年に既にタリン市の建築物として登録されていました。
多くの人々が狭いエリアで生活し、それぞれ一部の土地を有していたため、当時から様々な建物が密接し、入り込んでいるのが特徴です。
「隣の家に降った雨水がこっちの庭に流れて来たり、いくつかの家や庭が同じ一面の壁を共有したり、隣の家の壁まで窓がギリギリ開けれるくらい狭くなったりしている」だそうです。
聖カタリナ通りの特徴である壁を横から支える構造物は実に教会と隣の地主と協議した上作られたのです。
壁を支える構造物を作る条件として、その地主の中庭から直接教会の中庭まで通る道を作り、その地主が生きている限り使用されることが許されるのです。
その土地の地主が入れ替わった際にその道も閉じられました。
この話からも当時市民の権力の大きさがうかがえますね。
聖カタリナ通り全体は様々な時代に作られ、改修されて残されています。
屋根裏、天井、石造倉庫、アーチ、中庭などは異なり時代に作られ、異なる目的で使用されていました。
また、面白い事実として、聖カタリナ通りは一時閉じられたこともありました。
20世紀に聖カタリナ通りのVene通り側は一時閉じられ、小さなバーが作られました。
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また、聖カタリナ通りのMüürivahe通り側も一時「車庫」が作られたことによって閉じられました。
当時車を有することがとても珍しいことだったので、その地主が通りを閉じて車庫を作ることさえ許されたのです。
しかし、彼が車を運転することを見た人がとても少なく、当時車を運転するのはとても特別な時だけだとされています。
このように聖カタリナ通りにはタリン市民が長い歴史の間に残された様々な逸話や痕跡があります。
是非ここを訪ねて静かな歴史を見て体験してみてください。
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