海外からみるタトゥー刺青の文化(Tattoo)・北欧フィンランドでの価値観

公開日:2020年6月19日  更新日: 2022年11月01日 関連分類:

 

日本ではまだまだタブー視されている「刺青」「入れ墨」「タトゥーTattoo)」と言われる皮膚に墨・煤・朱など色素を入れて描かれるもの。

 

時には文字や模様、絵柄など様々なものが存在します。

 

タブー視される反面、世界では年々このタトゥーを入れる方は増えていることは確かです。

 

 

今回は、このタトゥーの歴史や文化、価値観を見ていくことにしましょう。

 

 

 

 

タトゥー(Tattoo)と言う言葉はニュージーランドから

タトゥーの文化はかなり古くからあります。

 

一番古いものでは、アルプス氷河からはるか5300年以上も昔のアイスマンからも発見されたと言う話は、タトゥー文化を知る人の中では有名なこと。

 

日本でも縄文・弥生時代のころからタトゥー文化があったと考えられていますし、

 

北はアイヌ民族、南は琉球国でそれぞれ独自の文化に従ったタトゥーがありました。

 

 

海外の民族の中で有名なのはニュージーランドのマオリ族。

 

ハンマーとノミに似たようなもので入れる「タタウ」という入れ墨を入れる文化がありました。

 

写真引用:https://yle.fi/

 

そこへ、あのクック船長で有名なジェームズ・クック(James Cook)がニュージーランドへ上陸。

 

実は現代で「タトゥー(Tattoo)」と言われる単語は、

 

このクック船長がマオリ族の「タタウ」を真似て世界へ広めた単語です。

 

 

和彫りと洋彫り、そして色を増やした人物

世界のタトゥー業界で大きく分けられる絵柄の種類。

 

先ほどのマオリ族、それにタヒチ、サモアなどの民族文化で多く見られる

 

ボリネシアンタトゥーは現代では「トライバル」と言われる模様で今や世界中で有名です。

 

それらは黒く塗り潰されている模様が特徴的。

 

 

他の種類ではというと、

 

「和彫り」「洋彫り」という言葉を時々耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。

 

これを的確に分けることは業界でも難しい話で、

 

日本の伝統的な手彫りという方法で入れた和柄が和彫りで、機械を使って入れたものはそれ以外だという人もいれば、

 

日本を思わせるような和柄デザインだと手法はどうであれ「和彫り」という方もいます。

 

 

時代と共に日本でも当たり前になっているタトゥーマシーンによる施術ですが、

 

日本で入れ墨に美意識を持って入れられるようになったのは江戸時代。

 

そのころは当然ながら手彫りでした。

 

 

江戸時代のこの頃にはとてもカラフルな色が使われることが多くなり、

 

逆に真っ黒な色は死人を表すものとされ、避けられました。

 

 

じゃ、あのよく見る昔の人の黒のような入れ墨は何色なのか?

 

それは、黒にも見えるような藍色です。

 

 

打って変わって、海外の「洋彫り」と言われるものでは初め2色の黒しかありませんでした。

 

しかし世界でセーラー・ジェリーとして業界では広く知られる本名ノーマン・キース・コリンズ(Norman Keith Collins 1911-1973)はタトゥーに新しい色をもたらした人物。

 

彼は1960年代に新しい色である紫の色を最初に作り出した人なのです。

 

 

 

 

北欧フィンランドにあるタトゥー博物館 Tattoo Museo

写真引用:https://yle.fi/

 

フィンランドにはれっきとしたタトゥーの博物館があります。

 

コレクターによって集められ展示されている数百ものタトゥー関連ツール、

多くの国際的に有名な人物のものや画像などもあります。

 

なかでも珍しいものはドイツの精神病院の患者が作ったタトゥーを肌に入れる器具で

 

曲がったスプーンとインクペンで作られたチューニングは9ボルトのバッテリーで動くもの。

 

写真引用:https://yle.fi/

 

 

Tattoo Museo – Varkaus Tattoo Museum

 

 

北欧でタトゥー(Tattoo)は世間でどう思われているのか?

タトゥー(Tattoo)は伝統的に一種のアンダーワールドのものと考えられてきていますが、

それが全てではありません。

 

かつてタトゥーはヨーロッパの王室でさえもありました。

 

その証拠に、タトゥーの王と言われていたいわゆる凄腕の刺青師ジョージ・バーシェット(George Burchettin)は顧客の中に、

 

ヨーロッパの王族であるイギリスのジョージ5世やエドワード7世、デンマークではフレゼリク9世もいたからです。

 

他にも、顧客リストの中にはギリシャの女王、モンゴメリー卿、ウィンストンチャーチル卿の母親がいました。

 

 

ヨーロッパでも北欧フィンランドでのタトゥーは、19世紀の皇帝の時代以降に発見されています。

 

当時はロシアの刑務所からのものでしたが、

 

ファッションとしてのタトゥーはロカビリー文化と共に1970年代後半に初めてフィンランドへ上陸。

 

当時人気だったデザインはストレイ・キャッツと言われるバンドのイメージキャラクターである猫でした。

 

この頃、公式のタトゥーを入れてくれる専門店がフィンランドにはなかったため、

 

違法とされていた時代です。

 

 

それをどうにかしようとスウェーデンのストックホルムやデンマークからタトゥーを公式に持ち込み、1987年にフィンランドで最初のタトゥー施術専門店が設立したのです。

 

 

現代ではタブー視されないタトゥー文化の北欧フィンランド。

 

日本から見ると「え?!この職業で?!」と思われる方にタトゥーがあってもおかしくない社会です。

 

医師や議員、料理人や役所で働く人、学校の先生までそれそれは色々な方にタトゥーが入っているてもなんらおかしいことではありません。

 

 

このコロナ時期、手洗いが大切だと国を上げて国民に即されてきました。

 

そこで保育園から職場と至る所で見られる正しい手の洗い方のポスターや張り紙、

 

国立厚生研究所・保健福祉研究所(THL)からの手洗いを見本にする写真に使われているモデルの腕にはタトゥーが入っています。

 

 

タトゥーの文化や評価などは人ぞれそれではありますが、

 

北欧では日本と比べるとそこまでタブー視されていないのは確かです。

 

が、反社会的なイメージが拭えないことも確かでゼロではありません。

 

 

タトゥー・入れ墨をファッションと思うか、

 

アートだと思うか、

 

それとも反社会的な意味に感じネガティブに捉えるのかは未だに色々な意見があります。

 

 

ですが、そこにちゃんとした文化があったことは事実。

 

 

 

 

いかがでしたか?

 

まだまだ日本ではタブー視されているタトゥー・入れ墨の歴史を少し知ると見方がまた変わるのではないでしょうか。

 

 

情報・引用:Yle-uutiset -Tatuointien historia on täynnä itse tehtyjä välineitä ja kokeilunhalua, jopa tatuointi-sanan tarkoitukseen asti – “Niistä kuului käytössä ääni tatata, kun taas tatuoitava huusi auauau”

情報・引用:http://www.artlinetattoo.com -TATUOINNIN HISTORIAA

情報・引用:Helsinki Kysy.fi -Tatuointien historia Suomessa

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2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

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