アラビアのムーミンマグカップ・デザインの秘密

公開日:2020年9月22日  関連分類:

※広告:ムーミン廃盤商品専門店Muumimukit Rahaksi

 

写真引用:https://www.is.fi/ kuva: Seppo Solmela

 

アラビアのムーミンマグカップ、フィンランドでは目にしたことがない人の方が珍しいほど定番のマグカップ。

 

日本でも人気はとても高いですがフィンランドでも同様、熱心なコレクターがいることで有名です。

 

さて、今回はこのアラビアのムーミンマグカップの知られざる秘密をお伝えしましょう。

 

 

毎年新しいシリーズが登場するムーミンマグカップ、どのように作られているかご存知ですか??

 

 

 

 

ムーミンマグカップのビンテージ、カトゥーンシリーズを作り出した人

トーベ・スロッテさん(Tove Slotte)と言う方、(トップ画像の女性)

 

彼女の肩書きはグラフィックデザイナーですが、陶芸も学んだこともある知識豊富な方です。

 

そんなスロッテさんは1985〜1990年までの間、アラビア社(ARABIA)でムーミンマグカップの装飾作業、兼デザイナーとして働いていました。

 

そう、今ではムーミンマグカップのビンテージ物と言われる商品を作っていた人です。

 

 

彼女がアラビア社に入社してから約1年後、4つのマグシリーズが誕生しました。

 

その中でも特に有名なのは、一番最初に手掛けられた緑色のマグカップ。

 

その時のデザインテーマの色はコレクターの間でグリーン・カトゥーンと呼ばれるものです。

画像引用:ARABIA

 

このマグカップが作成から実際に完成し製品化されたのは1990年。

 

マグカップのオリジナルイラストは、1956年トーベヤンソンの漫画♯8「さぁ新しい生活を始めましょう(Aloitamme uuden elämän)」、これに基づいてイラストが制作されました。

 

 

このマグカップを作る工程でスロッテさんはマグカップに合わせてオリジナル漫画からイラストを移動させ、漫画に書いてあるセリフの吹き出しだけを削除。

 

グリーン・カトゥーンである緑色は一番最初に作られましたが、それだけでなく、水色、オレンジ、赤のマグカップも手掛け、合計4つのマグカップがこの時代に作り出されています。

 

しかし、元々は2つの異なるスタイルで作られ製造されていたとご存知でしたか?

 

一つはオリジナルのコミックスクリーンのようにセリフの吹き出しがある物、もう一つは吹き出しがなく、イラストだけの物です。

 

 

しかしこの2種類のうち、イラストのみのデザインに人気が出たため、セリフが書かれているマグカップは数年後に製造が中止されました。

 

もちろん、このマグカップは現在廃盤となっており、一番最初のムーミンマグカップと言われる緑色のものは、現在フィンランドで400〜700ユーロ(48000〜84000円)で取引されています。

 

 

 

 

ムーミンマグカップが出来上がるまでの工程

トーベ・スロッテさんの作品は出来上がるまで極秘で作られています。

 

と、言うのもこれから作り出すムーミンマグのイラストに関する情報は絶対に一般に漏らしてはいけないからです。

 

ムーミンのイラストは元あるトーベ・ヤンソンからのものですが、例えば「あ、このイラストがいいな」と安易に決められることは決してないのです。

 

 

まずスロッテさんはムーミンの本の内容から勉強し始めます。

そして、適切なトピックが見つかると、その概要を更に詳しく知ると言う作業を予め行うのだそう。

 

そして、そのイラストをスケッチします。

 

更に、画像をアラビアのプロダクトマネージャーから、そしてムーミンのイラストを監督している場所から、とそれぞれ承認を受けるために連絡し確認作業を行います。

 

承認されたのち、やっとのことで羊皮紙にオリジナルイラストの輪郭を描き、

 

その後、アラビアのグラフィックアーティストがその画像をデジタル形式に仕上げます。

 

 

ここまでの作業のプロセスには早くとも2〜3ヶ月はかかるとのこと。

 

 

ムーミンマグカップ、トーベ・ヤンソンの望みで却下されたもの

トーベ・スロッテさんは1990年代にマグカップのイラストにキャラクターの一部だけ載せようとしたことがあったようです。例えば、口先や尻尾だけなど。

 

しかし、ムーミンの生みの親であるトーベ・ヤンソンの望みはムーミンキャラクターがそれぞれ常に全体(カラダ全体)として表すことだったので、この提案は受け入れられませんでした。

 

そう、あくまでトーベ・ヤンソンのこだわり、、、と言うよりも望みだったのです。

 

そこまでちゃんと徹底的に考慮して承認され、マグカップは製造されています。

 

 

その他、ムーミンマグカップの最初のテーマスタイルのものには、マグの底面にアラビア独自のスタンプに加えてムーミンへの参照を含むベーススタンプが必要でした。

 

現在製造されているムーミンマグカップでも、いくつかの特別なベーススタンプを覗いて、ほとんど全てのムーミンマグの底面にはムーミンの絵があります。

 

 

ムーミンマグカップはどこで製造されているか知っていますか?

トーベ・スロッテさんが作り出したムーミンマグカップから始まり、現在では既に100を超えるテーマスタイルのマグカップが作り出されてきました。

 

このムーミンマグカップの製造、実は現在ではタイで作られています。

 

それは200年代初頭から完全に製造がタイに移ったと知る方が意外にも少ないこと。

 

昔はフィンランドで生産されていましたが、それも2016年には完全に終了しています。

 

 

最もプレミアなムーミンマグカップ

さて、その数あるムーミンマグの中で最初に作られた緑色のマグカップは今でも喉から手が出るほど欲しいと願う人は多くいますが、

 

やはりFazer社がクリスマス限定で出したムーミンマグカップに勝るものはありません。

 

画像引用:ARABIA

 

このFazerムーミンマグカップは非常に稀、レア中のレアもので、オークションでは最も高価なマグカップになっています。

 

そう、日本にもフィンランドにも多くのコレクターがいますが、唯一足りないマグカップはこのマグカップと言う方がほとんどです。

 

 

2004年に製造されたこのFazerムーミンマグカップは400個限定で作られ、マグの底面には1〜400までの数字が印字されています。

 

更に、1981〜2014年までアラビアのセラミック製品で使用されていたアラビアの工場のマークもあります。

 

 

2019年、フィンランドのオークションではとある女性が9050ユーロ(108万66000円)の値段で落札したことが話題となりました。

 

参考:アラビアのムーミンマグカップ、プレミア物の値段はいくら?!

 

 

が、専門家が言うこのFazerムーミンマグカップの値段は2020年現在、更に高い値段のこともあるようで約8000〜10000ユーロ(96万〜120万円)とも言われています。

 

 

ムーミンマグカップの偽物も出回るほど?!

多くのコレクターにとって、マグカップの状態はどのようであるかは重要です。

 

傷がついていないか、汚れはないかなどなどもありますが、ステッカーラベルやタグがあるかも時には重要視されることもあります。

 

例えば、ラベルは製造時期と製造国を示す場合があるからなのだとか。

しかし全てがそうであるとは限りません。

 

実際、稀なマグカップを元のパッケージに入れて、光や摩擦から保護して大切に保管している人も多くいます。

 

このように新品同様のように保管しておきたいと思うコレクターもいることでしょう。

 

しかし、それが偽物だったとしたら全て水の泡。

 

 

実は偽物も世の中に出回ってるムーミンマグ。

とても残念なことですがこれも人気がゆえのことなのでしょう。

 

 

偽造の可能性があるもの

  • 絵柄が釉薬(素焼きの上にコーティングされている光沢あるもの)の下で十分に解けておらず、部分的にマットな黒に見える。

 

  • オリジナルに比べて黒の描画が通常よりも太くなっている。

 

  • 実際のスタンプと比較して、画像の詳細、及びベーススタンプにも多くの異常がある。

 

 

これらに注意してコレクションを楽しみましょう。

 

 

 

 

フィンランドでも日本でも、ムーミンマグカップがこんなにも人気になった理由の一つには、確かにムーミンを前面に押し出した日本のアニメシリーズがあると現地でも言われています。

 

郷愁の価値、ムーミンの魅力的で識別可能な生命の哲学、そして料理の美学をも持っているムーミン物語。

 

フィンランドでは子供向けのムーミンでもありますが、ムーミンマグカップの人気の裏には大人にもムーミン物語の魅力が十分ある、と言うことの証拠でしょう。

 

 

情報・引用:Iltalehti -Asiantuntija listaa 15 arvokkainta muumimukia: tästä kaikki alkoi

 

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