北欧・フィンランドはなぜ幸福度が高いのか?

公開日:2017年8月9日  更新日: 2019年11月29日 関連分類:

 

「世界幸福度ランキング」は、恐らく誰も関係するニュースを耳にしたことあるでしょう。

 

近年では「ノルウェー」「デンマーク」「アイスランド」「スイス」「フィンランド」といった北欧勢がランキングのトップを占めている傾向がみられます。

 

 

最新の2018年のランキングではフィンランドはなんと1

日本はというと2017年(51位)から下がり54位にランク付けされました(World Happiness Report 2018

 

2018年の結果についての記事はこちらをご覧下さい

毎年国連より発表される世界幸福度ランキングにて、フィンランドが昨年の5位から急上昇の2018年の1位に選ばれました! この1年で特に急速に変わったことは無いようですが…...続きを読む

 

 

この記事では2017年の発表レポートに基づいて作成しています。(World Happniess Report 2017)

 

ランキングの評価項目は6項目あります。

「人口当たりGDP」「社会的支援」「平均寿命」「人生選択の自由度」「寛容さ」「社会の腐敗度」です。

 

 

単純に筆者の住んでいるフィンランドと住んでいた日本を見てみると、実は「人口当たりGDP」「社会的支援」「平均寿命」の三項目の点数ではフィンランドと日本はほぼ変わりません。

 

差が出てしまったのは「人生選択の自由度」「寛容さ」「社会の腐敗度」の三項目です。

 

 

※評価項目には補正項目として「Dystopia+Residue」という項目があります。この補正項目は他の主要6評価項目が幸福度にマイナスの影響がない前提で算出されているため、主要6項目が幸福度に悪い影響をもたらす程度をこの「Dystopia+Residue」項目を用いて校正しています。

 

 

本文では筆者が日本(東京)に8年間とフィンランド(ユヴァスキュラ、ヘルシンキ)に3年間住んでみて両国の色々を見て体験してきたことを幸福度の評価に使われた項目について、述べてみたいと思います。

 

多くのことは個人経験や持論にすぎませんが、宜しければご参考ください。

 

 

 

 

人生選択の自由度

もちろん、気を付けなければいけないことは、主要6評価項目がお互いに影響しないことはないでしょう。

 

例えば一人当たりのGDPが高ければ、平均収入も高く、経済的に余裕があれば、より質の高い医療手段を選ぶことができ、人生の中でもより多くの選択肢に恵まれるでしょう。

 

ここでもし単純に日本とフィンランドの「人生選択の自由度」だけを見てみるとどうでしょうか。

 

 

学歴による影響

フィンランドには大学受験がありますが、学歴は日本ほど大きな差が存在していません。

 

フィンランド全国の大学はほとんど全て国立で、専門分野において強弱が存在していても、社会から強く意識されていません。

 

 

例えば、フィンランドの中で世界ランキング上位のヘルシンキ大学(世界ランク100位以内)もしくはアールト大学(世界ランク300位以内)の学歴があればすごく就職しやすいとは限りませんし、北部のロヴァンニエミ大学(世界ランク2000~3000くらい)の学歴を持っている人はすごく就職しにくいという現象はあまり見られないです。(ないとは言いませんが)

 

 

就職と転職において日本とフィンランドの違い

また、フィンランドには日本のような一斉就職活動はありませんし、新卒採用や中途採用という概念も制度もありません。年功序列も終身雇用ももちろんありません。

 

※フィンランドでは毎年決まった卒業時期がありません。卒論が完成すればいつでも卒業できます。

 

 

非常に単純で「仕事に就く」「仕事を辞める」「仕事を変える」という概念と事実しかありません。

 

そのため、大企業に入って定年を待つ「人生勝ち組」という考え方もありません

(もちろん、公務員を目指して安定した生活を送りたい人はフィンランドにも大勢いますが)

 

となると、「大手企業に勤める」より「どういう仕事をしたいか」「どういう仕事が楽しいか」を考える人が比較的に多くなるでしょう。

 

 

 

 

レールのないフィンランド社会

レールのない社会だからこそ、様々な人々が様々な方向を目指すことによって社会には様々な道が形成するようになります。

 

仕事してみてやはり違うと思ったらもう一回大学に入るのもいいですし、何か自分で新しいをやりたいなら起業するのもいいですし、世界をもっと見てみたいなら就活時期や新卒就職など考えずにとりあえず数年間海外で生活してみてから戻ってきて就職することもいいです。

 

※しかもその同時に国から様々な補助があり、学校に行きたければ学費は無料起業したければ補助金はあります(生活補助的な補助金。比較的に取りやすい)など。

 

 

そのような様々な人生を歩んでいる実例も自分の周りによく聞きます。

 

実際に筆者のフィンランド人友人は大学を数学専門で一回入学、中退し、2度目は音楽専門学校に入り、卒業し、3度目はマネジメント専門で大学に入り、卒業し、現在は国際協力の大学院(4度目!?)に入るところです。(現在約30歳)

 

 

 

 

もう一人のフィンランド人友人は大学でデザインなどを勉強し、仕事していてやはり日本に行きたいから、日本にある国際交流促進の職を得て37歳で日本に行きました。

 

当然卒業して就職してずっと働いている方もたくさんいますが、そういう道を歩まなくても「変わった人」と思われることがないというのがフィンランド社会です。

 

 

日本は対照的に長い高度経済成長期という背景の影響を受け、崩壊しつつあるとはいえ、まだ根強く残っているのは日本の社会にある「人生のレール」。

 

「受験」「学歴」「就職活動」「年功序列と終身雇用」「定年」が一つ代表的なレールでしょう。

 

社会から(両親、教師、周りの人々から)良く示されるこのレールに強く影響を受けている状態では人生の選択肢に制限がかかったり、プレッシャーを感じたりするかもしれませんね。

 

 

 

 

フィンランド社会の寛容さ

一言で言えばフィンランド社会は「何でもあり」です。

 

大げさではありません(笑)

 

 

もちろん、それは悪いことをやってもいいという意味ではありません。

フィンランド社会全体では、日本だと考えられないほど色々な選択肢に寛容的という意味です。

 

もちろん社会制度によることは一つ重要なポイントです。

社会制度について、いくつかの側面から見ていきましょう!

 

 

人生のターニングポイントに学校を活用

一つは専門分野の切り替えもしくは専門技能の追加です。

 

大学は全て学費無料なので、やり直したい時に経済的なコスト(ハードル)は低いです。

 

 

言い換えると、学校が「自分の今の人生を変えてみる」一ついい転換場所になります。

 

仕事に躓いたとか、職場が嫌になったとか、今の仕事がつまらないとかネガティブな理由でも、ステップアップしたいとか、昇進しやすくなりたいとか、他の技能もほしいとか、もっと面白い仕事に就きたいとか積極的な理由でも学校にもう一度入ることが比較的に簡単にできます。

 

自分の人生を変えてみたいならもう一度学校に戻ろうという選択肢はフィンランドに常にあります。

 

 

 

 

リスク抑えるために無難な人を取る?能力重視で有能な人を取る?

もう一つは就職と転職です。

 

フィンランドでは、「何ができるか」が面接官が見るポイントです。

「リスクの低い人かどうか」は一番重要ではありません。

 

 

年功序列も終身雇用もないため、解雇はそれほど難しくないし、過去の経歴に空白があったり変わったことをやっていたりするなどリスクが高いかどうかを見るより、今すぐに会社に貢献できるかどうかを見るのが一般的です。

 

 

そのため、職を探す人にとっていかに能力と職歴を積むことが非常に大事となり、「いかに悪い経歴が残らないように」と考える人も少ないでしょう。

 

 

 

 

様々な婚姻関係

更に婚姻関係です。

 

フィンランドでは、事実婚が認められています結婚していても、片側の申し出のみで離婚が成立するので、「結婚」ということの重要性は日本よりも格段と低いです。

 

「離婚」というのはもしかしたらフィンランドでは感覚的にカップルの「別れ」とそれほど変わらないかもしれません。

 

つまり、結婚も離婚もパトナー的な関係もどれも簡単にできます

 

 

実際、筆者のフィンランド人友人のお父さんは離婚し、今はパトナーと二人で暮らしています。

 

筆者の友人もお父さんのパトナーをお母さんと呼ばず、そのまま名前で呼んでいて、家に住んでいる年配の友人のような関係です。

お互いに尊重し合い、特に違和感もないようです。

 

また、フィンランドでは2015年に同性婚姻法律が成立し、2017年に有効実行が始まりました。同性婚でも法律に守られるようになりました。

 

 

入れ墨

細かい例ですが、「社会の視覚的な寛容さ」もフィンランドでは見られます。

 

「入れ墨」です。

 

入れ墨を持っている人を「変わった人」と思わずに、「様々な人々の一種類」というふうに考えているそうです。

 

 

国として運営しているフィンランド観光局のウェブサイトにも入れ墨のある人の写真を採用しているし、フィンランド大手賃貸会社のビデオも入れ墨の入った人を起用しているのが実例です。

 

フィンランド観光局のウェブサイトにある該当するページ:The Essentials of Cottage Life

 

 

大手賃貸会社のビデオ:

 

 

このように社会に多元性を尊重し、受け入れ、社会制度にも税金を使ってまで支えることがフィンランド社会が「寛容さ」によって他の国より幸福度が高い一因かもしれませんね。

 

 

まとめ:幸福度は自由、寛容と信頼に関係する

日本もフィンランドも素晴らしい国だと思います。

国も違えば色々と変わってきます。

 

 

今回はいくつかの違いに関して様々な体験を述べさせていただきましたが、いかがでしょうか。

心に響くこともあるのではないでしょう。

ご参考になれば嬉しいです。

 

 

*2020年には3年連続で世界で最も幸せな国に!幸福の根本的な理由が明らかに。

参考:フィンランド人が答える、フィンランドの国が世界一幸せな国の理由

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個人的に感じるフィンランド人の「もの」に対する感覚は、日本人とは違っているようです。理由として、高い消費税と所得税、厳しい自然環境などが、ものを大切に使う文化を作ってきたようです。
「自国の誇り」と言えば、日本人はいろんなことを挙げることができるでしょう。フィンランド人の場合はどうでしょうか?なんだと思いますか?

お薦めの北欧キッチンタオル

是非使う目的、場所に合わせて自分に合う一枚をお選びください。

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ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら