性格はそっくりだが、生き方は真逆なフィンランド人

公開日:2017年8月17日  更新日:2019年11月29日  関連分類:

フィンランドで生活していると、たまにすごく違和感を覚えます。

 

その感覚はどういうことかをずっと言葉にできないまま過ごしていました。

 

 

最近なんとなくその違和感がどういうことかを多少理解できるようになった気がします。

 

それはフィンランド人の性格が実にすごく日本人に似ているのに、フィンランド人の生き方は日本と真逆という感じです。

 

※もちろん、小さい国であるフィンランドと言っても550万人はいますので、全員の性格が同じというわけがないですし、1億2千万人を有する日本も同じくみんな同じ生き方をしているわけではなく、あくまでも筆者の個人経験や感覚に基づいているお話しということを是非ともご理解頂ければ幸いです。

 

 

フィンランド人の性格は日本人にすごく似ているの?

あまり知られていないですが、実にフィンランド人の性格は日本人にとても似ているのです。

 

控えめでシャイな性格を持つ人が多い

日本では「輪」という概念が非常に重要で社会に浸透しています。

 

人々の間にある「輪」を保つことが重要と思われるので、個人よりグループ全体を重視し、自分の性格を控えめにして強く出さないような傾向があると思います。

 

「出る杭は打たれる」ということわざが存在し、一般的に認識されていることもその一例と言えるかもしれません。

 

ただし、フィンランドでは「輪」という概念があまりないですし、むしろ個人ベースで物事を考えるのが主流です。

 

では、なぜフィンランド人の性格が控えめでしょうか?

 

マッティは今日も憂鬱アマゾンページから引用

 

フィンランドは厳寒なので、控えめな性格はエネルギーの温存!?

筆者の持論にすぎませんが、一つの原因は「気候」ではないかと思います

 

ご存知の通り、フィンランドは北欧の中でも非常に寒い国で、冬が長く、昔から生活も生き残るのも厳しい地域です。

 

しかも地理や歴史背景から見てもフィンランド国自体は小さく、資源が乏しく、大国のスウェーデンとロシアに挟まれていながら生き残りを常に考えざるを得ない状況です。

 

寒いからこそ大切なエネルギーを無駄に使わない遺伝子が残っているかもしれませんし、資源が少ないからこそ生活もコンパクトにし、環境に対してより謙虚になっていて性格が控えめになったのかもしれません。

 

周りの国が強いので、自分は強気にならずにうまく生き残るために控えめな性格になったのかもしれませんね。

 

南ヨーロッパのスペイン人、イタリア人やギリシャ人がいつも陽気でしゃべりたがるので、南ヨーロッパ人がフィンランド人と一緒にいると結構面白くなります。

 

 

 

 

 

「教育」が影響している可能性も

フィンランドの教育は個人の力を伸ばすより、全体の力を伸ばすことに注力しています。

 

小学校や中学校の基礎教育ではよくペアディスカッショングループディスカッションが行われます。

 

頻繁にディスカッションをやることで、「考えてアイディアを生み出してまとめて話す」能力は伸びますし、多く理解している人がそうではない人に教えたり助けることもディスカッションによって生まれやすくなります。

 

更に、個人の成績は公表されませんので、順位ももちろん誰も知りません。

 

つまり、個人のパフォーマンスは成績で評価されますが、個人の間では比較されません

 

日本のことわざを借りてカスタマイズさせてもらうと、出る杭は打たれるが、そもそも出る杭が見えにくいと打たれることも自然に少なくなるということですね。

 

先生も成績いい学生より学習が追いついていない学生を助け、時間を費やすことが多いらしいです。

 

このようなことから、フィンランドでは教育によって他の西洋国家より比較的に団体パフォーマンスが重視されているかもしれません。

 

 

 

シンプルに相手を思いやること

思いやりと言えば、恐らく世界中で日本の右を出る国はないでしょう。

 

人のことを考え、思いやり、邪魔することは悪いことという考え方が実に外国人が日本で気持ちよく生活できる一つ大きいな要因と感じます。

 

非常に素晴らしいことです。

 

フィンランド人は日本人ほどの「暗黙知」や「察すること」などまではできないとは言え、最低限他人のことに配慮して行動することがかなり良くできていると感じています。

 

言い換えると「シンプルな思いやり」ということでしょうか。

 

まだ10メートル先から歩いているのに開けたドアを持ったまま待ってくれたり、道を迷ったら優しく詳しく教えてくれたりしています。

 

ただし、控えめで内向な性格を持つ人が多いので、声かけてみないとなかなかその優しい心に気付かないかもしれませんね。

 

 

 

 

 

しかし、なぜか生き方は真逆!

フィンランド人の性格はとても日本人に似ていますが、生き方は全然違います。

それはなぜでしょうか。

 

社会が自由で、人々は寛容的なフィンランド

フィンランド社会や人々の生き方について、総じていえば「何でもあり」です。

 

本当にこの一言に尽きます。

 

学校での勉強に関しては、義務教育を除けば方向性がたくさんあります。

中学校を卒業したら、数年間仕事したり、専門学校に行ったり、大学や技術大学に行ったりするなどの道は一般的です。

 

この部分に関しては、日本でもあまり変わらないかもしれませんが、フィンランド人は何歳でもまた学校に入ります。

 

30歳でも大学生になったり、40歳でも修士を取ったりする人が日本よりかなり多いです。

 

学費がかからないので、仕事を辞めていったん学校に戻って新しい技能を身に着けることにハードルが一つ減ります。

 

日本でもやろうと思えばできなくないですが、フィンランドでは日本よりも「変な視線を浴びません」。「変わった人」という概念がフィンランドにあまり存在しないからです。

 

更に、就職に関し、「就活」や「新卒」、「中途採用」などの概念がフィンランドに存在していないため(「仕事に就く」「無職」という概念しかないようです)、就職を20歳にしても、25歳にしても30歳にしても、能力がその職が求めるレベルに達してれば年は特に関係ないようです。(あくまでもフィンランド人友人のいくつかのケースから見た感じです)

 

ということから見ると、高校卒業してまず仕事してみて、自分の勉強したい分野が見つかれば24歳にで大学に入学し、学費無料に加え政府から月に数万円の補助も出ます。

 

28歳からインターンシップやフールタイムの仕事に就き、5年後に修士や博士課程を取りたければ仕事を辞めて卒業してから再就職も年齢に影響されません。

 

就職も、入学もとても自由で、他人からも社会からも親からも変な目で見られないのがフィンランドです。

 

 

起業することもとても自由

一年間の「新規株式会社登記数」対「人口数」の比率だと、フィンランドは日本の3倍です。

 

つまり、フィンランド社会では自分で独立起業する人の割合は日本の3倍ということですね。

 

そのため、起業して自分の仕事を自分で作り出してこなして収入を得て生活する人も多いです。

したがって、「企業に就職」という道もフィンランドでは「一つの道にすぎない」ということになります。

 

 

婚姻関係もとても自由

更に、婚姻関係も自由です。

 

事実婚も同性婚も認められていますので、「結婚」ということの重要性がかなり薄くなっています。

 

妻や夫という状態とパトナーという状態は同じ法律的に保証されるので、どちらも問題ありません。

 

筆者の友人のケースから見ると、彼の両親は既に離婚し、彼の父親は今パトナーの女性を一緒に暮らしています。

 

筆者の友人は実家に帰った時に、お父さんのパトナーをそのまま名前で呼んで、親戚か年長の友人の関係が保たれており、お互いに尊敬し合っています。

 

 

まとめ

筆者の個人経験と持論で色々書いてみましたが、いかがでしょうか。

 

フィンランド人とフィンランド社会は実にこういうふうに日本人に近くて日本社会から遠いです。

見て感じて考えるだけで面白いです。

 

もし可能であれば是非読者の皆様にもフィンランドにお越し頂き、実際に見て、感じて、考えて頂きたいですね。

 

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「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

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