フィンランドの年金運営と支出状況を大公開!年金資産額が増える傾向にあるフィンランドの厚生年金

公開日:2019年9月10日  関連分類:

 

日本の年金があとどのくらい持つか誰もわからず、日本の人々が不安を抱えながら国民年金と厚生年金を払い続けるのが現状です。

そのような日本の状況を見ると、フィンランドの年金はどうなのかが気になり、調べてみました!

 

 

となると、フィンランド年金センター(日本年金機構同等)のウェブサイトにとても分かりやすい図が見つかりました。

 

その図には過去各年度において年金基金の運営、支出状況が数字と流れを中心にわかりやすく記載されています

 

 

国民の信頼を勝ち取るにはこのようにわかりやすく公表するのがベストだと筆者は感心しました。

 

まずはその図を見てみましょう!

 

 

 

 

フィンランドは厚生年金基金の運営状況をわかりやすく公表

今回の記事で取り上げたのはフィンランドの「厚生年金」の部分です。

英語は「Earnings-related pension」です。

 

※フィンランドでは国民年金の支払いがなく、税金で補填されています。

 

 

出典:Finnish Center for Pensions

 

 

この図からわかるように、2017年年末から2018年年末の1年間に渡る資金運用の状況がすべてわかります

 

左側に年初の年金資産額、右側に年末の年金資産額が表示され、間に収入が青い丸、支出が白い丸で表示されています。

 

2018年間は年金資産総額が少し減りました。

 

その一因が年金運用・投資による損失ですね。(42億ユーロ)

 

そして、主な収入は「厚生年金徴収(Earnings-related pension contribution)」「国から税金の補助(State’s component)」と「失業保険基金からの補助(Contribution from Unemployment insurance Fund)」の三つです。

 

厚生年金の徴収額が221億ユーロに対し、年金の支給額が278億ユーロなので、ギャップは存在しています。

そのギャップを税金と年金基金の投資運営でカバーしようとしています。

 

 

そのような運用制度でフィンランドの厚生年金が永続的に運営していけるようにフィンランド政府が試みています。

 

 

また、2017年からフィンランドでも年金改革が始められ、定年の年齢を年々伸ばしていく予定で、厚生年金の財源を確保しつつ、支給額を減らさないようにしていくそうです。

 

 

 

 

年金資産額が年々拡大傾向にあり、国民に信頼を与える

別記事でもご紹介させて頂いたが、フィンランド国民の6割以上は自国の年金システムを信頼しているそうです。

 

参考記事:フィンランド人の6割以上が自国の年金システムを信頼する

 

 

実際に筆者もフィンランド年金センターが公表している厚生年金基金の毎年の資産額を調べてみました。

 

データ出典:Earnings-related pension money flows

 

 

2006年年末の厚生年金資産額が1153億ユーロでした。

 

それが2010年年末に1388億ユーロとなり、2014年年末に1734億ユーロとなり、2018年年末に1962億ユーロとなり、全体的に基金資産額が拡大傾向にあります。

 

 

 

 

厚生年金の徴収、資産投資運用収益が主に寄与しているが、全体の年金資産額が増えていることが何より重要で、年金システムが永続的に運用していける一つ大きいな要因です。

 

このように年金基金の資産額を増やせるシステムこそ国民の信頼を勝ち取れるのではないかと筆者は思います。

 

 

日本の年金資産額も調べようとしたが、なかなかフィンランドのようにわかりやすい資料がなく、今後継続的に調べてみて、比較してみたいと思いますね。

是非ご参考頂ければと思います。

 

 

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