マリメッコ、世界へ:マリメッコ成長の物語

公開日:2019年10月30日  更新日: 2020年03月07日 関連分類:

 

小さなプリント会社であるプリンテックスから、マリメッコへと成長を遂げたストーリーをご紹介した、「マリメッコの歴史」シリーズ。

 

今回は、フィンランドのアパレルブランドとして成長したマリメッコが果たす、世界進出に注目して、お話しようと思います。

 

 

マリメッコが、世界に認められるようになったきっかけは?

世界に踏み出していくマリメッコを支えたデザインとは?

 

このふたつの疑問を紐解きながら、世界へ羽ばたいていくマリメッコの歴史を追うことにしましょう。

 

 

1960年、マリメッコ躍進の時

始まりは、1950年代のおわりのこと。

世界に目標を定めたマリメッコは、スウェーデン、そしてアメリカへと進出していきます。

 

 

そして迎えた1960年代。それはマリメッコにとって、大きな躍進の時代でした

 

 

 

 

1960年、マリメッコは世界中にその名を轟かせることになります。

当時のアメリカの大統領候補のジョン・F・ケネディの妻・ジャクリーンが、マリメッコに訪れたことがきっかけでした。

この時、ジャクリーンはマリメッコの服をいたく気に入り、1回の買い物で7着もの服を買ったことが知られています。

 

 

そして、この時に購入した服を着たジャクリーンは、とある雑誌の表紙を飾ったのでした。

 

その雑誌とはスポーツ・イラストレーティド誌

スポーツ・イラストレーティド誌は、アメリカでもっとも一般的なスポーツ週刊誌のひとつであるとされています。

 

つまり、それだけ多くの人に、マリメッコの服が知れ渡ることになりました。

 

 

ジャクリーンとファッション

余談ですが、ジャクリーンはアメリカを代表するファッショニスタとしても注目された女性でした。

 

彼女のファッションは、ファーストレディとしての品を持ちながら、ナチュラルさも併せ持っていました。

だからこそ、彼女のファッションを真似したいと感じる女性が後を絶たなかったのでしょう。

 

ジャクリーンのファッションは、「ジャッキー・スタイル」と呼ばれ、多くの女性に愛されました。

 

 

そんなジャクリーンが身にまとったマリメッコの服は社会現象にまでつながり、とても大きな注目を浴びたのです。

 

 

 

 

ふたりの新デザイナーの登場

大きな躍進を果たすマリメッコを支える新しいデザイナーがふたり、マリメッコに入社したのも1960年代のことでした。

 

 

リーサ・スヴァントに、アンニカ・リマラ

 

彼女たちは、成長し続けるマリメッコを支える大きな柱のひとつとして働きました。

そして、マリメッコというブランドに、新しく大きな風を吹き込みました。

 

 

1968年、アンニカはマリメッコで初めてのコットン・ジャージーの服を発表しました。

それが今もあるデザイン、タサライタです。

 

 

ポップでシンプルなボーダーデザインであるタサライタは現在、服だけでなく雑貨などにも取り入れられ、広く強い人気を誇っています。

 

 

マリメッコの躍進を支えた、あのデザイン

みるみるうちに成長していくマリメッコを支えたのは、もちろん新デザイナーたちだけではありません。

 

マリメッコの創立に大きな力を注いだデザイナーであるマイヤ・イソラはこの時代に、大きな偉業を果たします。

 

 

彼女はロッキやカイヴォなど、多くの人気デザインを発表しました。

 

そして、現在のマリメッコの代名詞ともいえるデザインのひとつ、ウニッコがマイヤの手によって生みだされたのも、1964年。

 

マリメッコが大きな躍進を果たす、激動の時代のことでした。

 

 

 

 

ウニッコの誕生秘話

ここで、ウニッコが生まれるに至るプチ・ストーリーをご紹介しましょう。

 

 

……実はウニッコの誕生は、マイヤ・イソラの挑戦状だったりもしたのです。

 

 

マリメッコの創業者であるアルミ・ラティアは、マリメッコで花柄のデザインをつくるつもりは少しもありませんでした。

それは、はっきりと宣言していたほどの決意だったのです。

 

 

といっても、アルミが花柄をつくらないと決めていたのは、決して花柄が嫌いだからとか、そんな理由ではなかったようです。

それは、どんなデザインも自然の花の美しさには勝てないから、といった理由だったのだそう。

 

 

この話から、アルミがマリメッコで発表するデザインについて、一切妥協していなかったのだろうということが伝わってきますね。

唯一で、何にも負けない、絶対の自信があるデザインしか発表したくなかったのでしょう。

 

そんなアルミのこだわりがあったからこそ、マリメッコを大きな成長につなげることができたのだろうと感じられます。

 

 

さて、ではどうしてウニッコが誕生することができたのか、気になりますよね。

マイヤ・イソラの挑戦状というのが、まさにこのアルミのこだわりを打ち砕くためのものだったのです。

 

 

 

 

マイヤ・イソラはそれはそれは大きな自信を持って、ポピーの花をモチーフとしたウニッコをデザインし、アルミに差し出しました。

 

そして、「マリメッコでは花柄はつくらない」と宣言したアルミに対し、「それでも花柄はいらないといいますか」とつきつけたのです。

 

 

マリメッコの代名詞ともいえる代表的なデザイン・ウニッコ。

これを生むことができたのは、マイヤ・イソラの持つ反骨精神と、アルミをうならせた高い実力

このふたつがあったからこそなのです。

 

 

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