フィンランド国籍・市民権(Citizenship)申請

公開日:2020年11月12日  更新日: 2020年11月13日 関連分類:

 

あっという間ですが、筆者もフィンランドに住み着いて6年が過ぎました。

 

6年前の2014年8月1日に初めてフィンランドに来た日のことは今も鮮明に覚えています。

さわやかな空気、輝かしい日差し、緑に囲まれた自分。

 

その日から6年も過ぎて行き、筆者もフィンランド国籍を申し込めるようになりました。

 

※現状日本の国籍法では多重国籍を認めていないので、フィンランド国籍の申請に興味ある方は必ず事前に日本国籍法の詳細をご確認ください。

 

 

フィンランド国籍の申請にはまずフィンランドに5年間以上滞在

筆者は留学ビザ(Student Residential Permit)でフィンランドに来たが、2年目から起業家ビザ(Self-employeed Residential Permit)に切り替え、現在に至ります。

そのため、留学ビザは1年間、起業家ビザは5年間持っていました。

 

 

これらの滞在期間はフィンランド国籍(市民権・Citizenship)申請の最も重要な条件です。

最低フィンランドに5年間住まないと国籍の申請はできません

 

しかも、この5年間はAランクビザ(就労、配偶者、起業家など)の5年間であり、Bランクビザ(学生など)であればその期間は半分しかカウントされません。

 

筆者は合計累計5年半ですので、国籍申請ができます。

 

 

 

 

ちなみに、フィンランドに住む期間中にフィンランドを出て長期間海外滞在する場合の規定もあります。

  • 2~6ヶ月の長期間出国は2回まで
  • 1~2ヶ月の長期間出国は6回まで
  • 1ヶ月以内の出国は無制限

 

もし上記の規定を超えて長期間海外滞在する場合、フィンランド滞在期間の計算が変わるのでご注意ください。

 

 

なお、下記の条件のどれかを満たせば、5年を待たずにフィンランド滞在満4年で国籍の申請ができるようになります。

  • 高いフィンランド語技能及びフィンランドとの強い関係を示せる場合(明確な規定がない)
  • フィンランド人配偶者を有する場合
  • 北欧諸国の国民である場合
  • 難民もしくは国際保護されている場合
  • 無国籍者の場合

 

 

国籍の申請にはフィンランド語もしくはスウェーデン語の習得が必要

フィンランド国籍の申請には、フィンランド滞在期間以外にもう一つ重要な条件は「フィンランド語もしくはスウェーデン語の習得」です。

 

フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語ですので、英語や他の言語は認められません。

 

 

フィンランド語もしくはスウェーデン語能力の証明にはいくつかの方法があります。

フィンランド語もしくはスウェーデン語で学校に通ったことがあるとか、卒業したことがあるとかは証明になりますが、最も一般的な証明方法は「YKIテスト」の成績証明書を提出することです。

 

YKIテストはフィンランドで実施される語学能力試験の総称であり、フィンランド語のみならず、英語、ドイツ語、フランス語など多くの言語においてYKIテストが行われます。

 

そして、国籍申請者に必要なのはフィンランド語もしくはスウェーデン語のYKIテストの成績です。

 

 

 

 

国籍の申請に必要なレベルは3点(B1)レベルです。

ヨーロッパでは言語能力の成績を一般的に6段階で表しています。

  • A1(1点):初級
  • A2(2点):初級
  • B1(3点):中級、簡単な日常会話ができる
  • B2(4点):中級、一般的な日常会話ができ、限られた専門分野の会話ができる
  • C1(5点):高級、専門分野を含め、多くのトーピックにおいて自由に会話できる
  • C2(6点):高級、不自由を感じずに言葉を使える

 

 

なお、フィンランド国籍の申請にはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4種目すべて3点を取る必要がなく、下記の組み合わせのどれか3点を取ればOKです。

  • スピーキング+ライティング(両方3点以上)
  • リスニング+ライティング(両方3点以上)
  • リーディング+スピーキング(両方3点以上)

 

 

筆者は4種目すべて3点を取得しました。

 

 

 

 

生活を維持できる収入がある

そして、当然と言えば当然ですが、国籍に申請には自分の生活を維持できる収入を有する必要があります。

 

就労ビザを所持している人であればそのままクリアですが、筆者のように自営業の人の場合は自社の年間報告書、雇用契約書、給与明細などの提出が必要で、自分の会社には安定した収入があることを証明する必要があります。

 

 

段取りとスケジュールにも要注意

国籍の申請にはおおむね下記のような手順となります。

「YKIテストを受ける」→「YKIテストの結果をもらう」→「国籍申請提出」→「アポを取って移民局に訪ね、本人確認、書類確認」

 

 

ここで要注意のは、

  • YKIテストは年に数回のみ行われ、どのタイミングで受けるかを早めに確認すること。合格できなかったら次いつ受けるかも決めておくこと。
  • YKIテストは受けてから結果をもらうまで2ヶ月時間かかります。この2ヶ月も考慮に入れておくこと。
  • 移民局へのアポはいつも満員状態で取りにくく、予定の2ヶ月以上前からアポ取りを始めること。(直接移民局に行って番号札を取って待つ方法もあります)

 

 

筆者の現在所持している起業家ビザの有効期限は10月31日までです。

本来は今年の3月にYKIテストを受け、5月に結果をもらい、合格したら国籍申請し、合格できなかったら8月に再度YKIテストを受け、ぎりぎり10月末までに申請する予定でした。

 

しかし、コロナの影響により3月のテストはキャンセルされ、8月29日にYKIテストを受けることとなりました。

この日程を見据え、移民局への11月10日のアポを2ヶ月前の8月10日に取りました(ほんとにいつ見ても空きがなく、運がよければ2か月先に1枠がある感じでした)

 

 

それで、運がよくてビザの期限が切れる10月31日の3日前にYKIテストの結果が届き、無事合格し、期限の2日前にネットで国籍申請を提出し、移民局へのアポも事前に取っておいた11月10日に無事済ましました。

(注意:後日移民局から電話があり、在留ビザが切れる状態だと国籍申請中であってもダメだそうで、起業家ビザの延長申請も並行して進めるようにと言われました。)

 

 

あとは約1年間の審査期間を待つだけです。

ちなみに、フィンランド移民局のウェブサイトからも確認できますが、現時点で3800人が審査待ちになっているそうです。。。

 

 

※規定は随時変更される可能性があるため、詳細はフィンランド移民局のウェブサイトをご確認ください。

 

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