みなさんは、マイヤ・イソラ(Maija Sofia Isola)という名前を聞いたことがありますでしょうか。
マリメッコファンの方ならご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
マイヤ・イソラは、デザイナーです。
マリメッコを支えた大きな柱のひとつであり、最も偉大なデザイナーのひとりです。
今回は、マリメッコを語る上で欠かせない存在であるマイヤ・イソラのストーリーをご紹介します。
彼女がマリメッコにもたらしたものとはなんだったのか、その歴史を追いながらお話していこうと思います。
マイヤ・イソラの歴史はプリンテックスから
マイヤ・イソラは、マリメッコの前身であるプリンテックス時代から活躍しています。
プリンテックスはファブリック専門のプリント会社。
マリメッコの創業者であるアルミ・ラティアの夫であるヴィリヨがおこした会社です。
プリンテックスのデザイナーとして入社したマイヤ・イソラは、当時から優れたデザイナーでした。
若手でありながら、彼女のデザインは多くの評価を得ていたことがわかっています。
そのひとつがアムフォーラというデザイン。
マイヤ・イソラのアムフォーラは世間から高く評価されました。
しかし、ファブリックを売るということがなかなか難しく、当時のプリンテックスの業績は芳しくありませんでした。
停滞していたプリンテックスを軌道に乗せるためにアルミ・ラティアが立案したのがファッションショー。
プリンテックスの革新的なデザインのファブリックを使った服を仕立て、発表したのです。
プリンテックス初のファッションショーは大成功!
アルミが自信を持って世に打ち出したファブリックたちが、改めて認められた瞬間でした。
この時のファッションショーは、プリンテックスのファブリックを使った服を着たモデルがランウェイを歩く度に、次から次へと服が売れてゆくほどの大成功。
この時使われたファブリックの中には、マイヤ・イソラの手がけたデザインもあったとのことです。
そして、このショーの成功をきっかけにして、マリメッコというブランドが生まれることになりました。
マリメッコの誕生と、マイヤ・イソラ
革新的なデザインを愛したアルミ・ラティアが集めたデザイナーたちは、みな若手の新鋭たちでした。
マイヤ・イソラもその中のひとりです。
マリメッコの創業者であるアルミ・ラティアは、無地の布をデザイナーたちに渡して言いました。
プリントの図柄を描こうとするのではなく、布いっぱいに、好きな絵を描いてほしい、と。
マリメッコのコレクションを見ていると、手描き感のある有機的なデザインが多く見受けられます。
マイヤ・イソラが手掛けたデザインの中からご紹介すると、Kaivo(カイヴォ)、Unikko(ウニッコ)、Kivet(キヴェット)など……でしょうか。
まさに手描き感あふれる、生き生きとした印象のデザインが高い人気を誇っています。
特にカイヴォとキヴェットですが、一見対象的で機械的に描かれているように見えるデザインでも、よく見てみると、どちらもあえて非対称に描かれているのがわかります。
この絶妙な歪みが、デザインにあたたかみを感じさせる所以なのかもしれませんね。
マイヤ・イソラのデザインの源
マイヤ・イソラは、マリメッコが生まれる2年前のプリンテックス時代から、通して38年もの間デザイナーとして活躍し続けました。
その間に手掛けたデザインの数は、500以上にもなるのだとか。
マリメッコの公式サイトによると、この記録に並ぶデザイナーは未だ現れていないのだそうです。
マイヤ・イソラは、さながらデザインの湧き出る泉のような人ですね。
まさに、デザイナーになるべくして生まれたかのような。
その証に、彼女が生み出したたくさんのデザインたちは、マリメッコを長い間支え続けました。
さて、マイヤ・イソラのことをご紹介する時に、ウニッコをデザインした人だということを話すと、「可愛らしく、華やかなデザインを得意とする人なのかな」という印象を受ける方が多いようです。
でも実は、カイヴォやキヴェットのように、シックで落ち着いたデザインも手掛けている彼女。
マイヤ・イソラの幅広く、多彩なアイデアの源はどこにあるのでしょうか。
調べてみると、マリメッコの公式サイトにて、以下のように紹介されていました。
”ありとあらゆるところから吸収した”というマイヤ・イソラ。
この”吸収”って、言葉にするのは簡単ですが、形にするのはとても難しかったりしますよね。
アート、自然、そして海外の文化など、あらゆる刺激を自分の中に落とし込み、形にする。
これも、マイヤ・イソラが持つ、大きな才能のひとつだったのかもしれません。
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