フィンランド首相が首相官邸で月4万円の朝食費を使うことがニュースになった件

公開日:2021年6月2日  更新日:2022年11月1日  関連分類:

※フィンランド首相のサンナ・マリン。写真はwww.sannamarin.netより引用。

 

これは最近フィンランドでホットなニュースです。

 

フィンランド首相のマリンさんが首相官邸で首相官邸の経費で月300ユーロ(約4万円)の朝食費を使ったことです。

 

 

このニュースを最初に読んだ筆者にとって、「あ~フィンランドは本当に平和な国だな」と思いました。

汚職なり、モラル的に良くない経費の使い方とか、どれにしても「数億円」「数千万円」という数字に慣れてきた筆者にとって「4万円」がニュースになったことが何よりの驚きです。

 

 

フィンランドは本当に平和だなと思ったわけです。

 

 

しかし、このようなニュースがどんどんエスカレートし、関連するニュースや情報を新聞社各社が発表し、警察が調査を始めるほど人々の注目を集めています。

 

 

 

 

首相は首相官邸で官邸の経費で朝食を取ってはいけないのだろうか

そもそも、首相が首相官邸で官邸の経費(税金)を使って朝食を取ってはいけないのでしょうか。

 

フィンランドの法律や規定によると、「首相が政府機関に住む場合、合理的な範囲で国の経費を使って朝食や軽食を取ることができる」そうです。

 

“If the Prime Minister lives at the official residence, including short overnight stays, they can order breakfast items and cold meals in advance from the sales service of the Banqueting Premises or directly from the service coordinator, which can be reheated at the Kesäranta residence. Weekend supplies will be delivered on Fridays. Reasonable expenses related to the above shall be paid from state resources and invoiced from the Prime Minister’s Office from the appropriations allocated to the Prime Minister.” (Section 4.1 of the guide to Nutritional Services)

 

この規定に基づけば、首相や首相の家族が首相官邸で取る朝食もしくは軽食に首相官邸の経費を使ってもいいかもしれません。

 

 

しかし、実際に首相官邸で国費で食事を取ったのは歴史上ただ3人だけだったそうです。

 

現職の大統領サウリ・ニーニストでさえこの制度を使用していません。自腹で朝食を買っています。

 

 

これは今回首相マリンの官邸朝食費がニュースになったポイントの一つです。

 

 

首相官邸で実際の食事費は850ユーロ、警察が調査を開始

国営放送のYLEも関連ニュースを報道しており、首相官邸で使われた食費を深堀した結果、300ユーロ(約4万円)は朝食費のみで、首相官邸で使った他の食費は月500ユーロにのぼります。

 

つまり、首相官邸で使った食事費は合計月850ユーロです。

 

 

フィンランド警視庁もこのニュースを受け、関連状況に対する調査を始めています。

 

調査の方向は主に首相官邸の職員が行う経費の使い道や経費濫用の有無だそうです。

 

 

 

 

思ったより「軽い」ニュース?

もちろん、首相官邸で食べる朝食や軽食、月850ユーロの出費は大切な血税からです。

その使い道は大事ですし、税金の横領や不正な使い方は1円たりとも許せるものではありません。

 

「軽い」という言葉を使うのが軽率かもしれません。

 

しかし、もっと大事なことがいくらでもあるように筆者は思います。

 

 

もし首相官邸の食事は自分の親戚が経営する飲食店にしか注文せず、首相官邸の経費を親族の利益に流すなら、それは重大な不正です。

 

もし首相官邸の食事費に毎月数百万円使うなら、それも明らかな不正です。

 

 

もちろん、月850ユーロの食事費は一般庶民にとってとても高い出費でしょう。

※フィンランド一般庶民の世代月間食費が600ユーロ程度

 

 

しかし、フィンランドにとって、首相にとって、もっと大事で処理すべきことがいくらでもあります。

経済問題、失業問題、環境問題などなど。

 

 

政治家やメディアを含め、もっと大事なところに注目して頂きたいというのは筆者一個人としての願いです。

 

 

参考:Iltalahti Sanna Marin maksattaa perheensä aamiaiset verovaroista – kuitit salataan yksityisasiana

参考:YLE IL: PM Marin’s monthly meals benefit was €850, not €300

参考:YLE Police launch probe into PM Marin’s breakfast expenses

 

関連記事

  2018年のデータに基づいて算出された世界政府汚職・腐敗指数(Corruption Perceptions Index)とランキングが先月に組織「Transparency International 2019」によって…...続きを読む
  日本の政治界と正反対のように、フィンランドの政治界には女性、しかも若い女性がどんどん中心的なポジションにつき、フィンランドの政治に大きいな影響力を発揮していま…...続きを読む
  北欧高社会福祉国家であるフィンランドでは社会的に比較的に弱い人々に様々な援助や経済補助サービスが用意されています。 それが女性であったり、シングルマザー、シング…...続きを読む
  政治の話題は結構敏感で立場も対立しやすいため、通常は避けられるテーマです。   今回はフィンランドの政治をテーマにフィンランドの中央政府と政治について簡単に…...続きを読む
  2022年12月13日、クリスマスを目前にヘルシンキで開かれた、国防情報諮問委員会 (MTS) による外交・安全保障政策セミナー。   なんだか難しそうな漢字がずらりですが…...続きを読む
フィンランドのマリン首相「週休3日・1日6時間労働を検討」の誤報。そして誤報の発端、原因の真相は?フィンランド現地のメディアでは実際どのようにニュースで取り上げられた…...続きを読む

お薦めの北欧スポンジワイプ

是非水回り、テーブル拭きなどにご活用頂きたいです。


ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら